スマホの動画編集❶ 準備編
まずは、準備編です。
これからご紹介する内容は、スマホの撮影・編集だけでなく、本格的なお仕事を受注する際にも、通用する内容なので、しっかりと押さえておきましょう。
この準備編では、機材の紹介や構成・台本の書き方についての手順をお伝えします。内容は下記の通りです。
①機材と配信フォーマットの準備
②撮影準備『10のチェックポイント』
(1)担当者を決めよう
(2)企画・ネタ選び
(3)リサーチ(下調べ)をしっかりしよう
(4)構成・台本を作ろう
(5)絵コンテを作ろう
(6)上長の承認を取りましょう
(7)出演者や協力者に連絡して、ロケ日の日程を決めよう
(8)香盤表を作ろう
(9)事前に機材の確認をしよう。
(10)ロケ台本/香盤表は必要部数を印刷しておこう。
① 機材と配信フォーマットの準備
プライベート撮影では必要なくても、会社でPR動画を作るなら必須の備品です。
最低限、下記のものは用意してください。
と言っても、スマートフォン以外は、中古品なら全部合わせても1万円くらいの予算で、すべて揃えられるものなので、ご安心ください。
●スマートフォン
●スマホ三脚
●スマホホルダー
●照明
●マイク
●スマホ動画編集アプリ
●YouTubeの登録
(編集部注:オススメ記事のリンクを貼っておきます)
② 撮影準備『10のチェックポイント』
機材を揃えたところで、さあ、いよいよ撮影!と行きたいところですけど、その前に、決めておかないといけないことがあります。
下記に、事前準備として10項目のチェックポイントを挙げてみました。ひとつずつ確認していきましょう。
(1)担当者を決めよう
客観的な視点が必要なため、制作チームは2人以上で行うことをお勧めします。
担当者であるあなた以外に「スタッフがいない」場合もあります。なので、絶対ではありません。
でもその場合には、常に「一人よがりになっていないか?」「第三者にもちゃんと意図したものは伝わっているのか?」について、注意しましょう。常に視聴者のことを意識することが大切です。
小さな会社では、あまり問題にならないかもしれませんが、ある程度の組織で動画制作を行う場合は、上長との確認やチームの意見の取りまとめする上で、ディレクター(リーダー)が必要です。
複数のチームでおこなう動画制作では、事前にチーム内でリーダーを決めておきましょう。
(2)企画・ネタ選び
スタッフが決まったら、いよいよ企画・ネタ選びに入りましょう。
ネタ選びの際には、下記の3つに気をつけて下さい。
① 映像で表現できるか?
② 撮影物・出演者が想定できるか?
③ 内容が壮大過ぎないか?
人間の頭は、とても優秀です。どんな場所でも頭の中で再現が可能です。その再現力は、3DCGをはるかに凌駕します(笑)。
それが『宇宙の果て』でも『火星』でも『海の中』だって想像できちゃいます(実際の場所とは違っていても、、、)。
問題は、ネタとして「面白そうだ」と思っても、実際に映像では、表現できないことも多いということです。
「そんなことわかっているよ」と思われるかもしれませんが、これは案外よくやってしまう失敗。プロでも気をつけている事なのです。
撮影が始まってから「あれ?」ってならないように、企画段階から注意を向けてみてください。
これも①映像で表現できるか?に関連します。
どこでロケをしたら良いのか?など、想像ができないものは、再現することが難しいです。
ネタの内容と選んだ場所がミスマッチを起こしていたら、きっと意図した通りの動画にはなりません。見ていてなんだか良くわからない…という映像になるでしょう。
よく分からない動画に、視聴者はついてこられません。3秒もかからずにあなたの動画は、再生終了です。
出演者がいる場合には、出演可能か?予算は足りるのか?もチェック!
ここでは映像上の…というよりもテーマが大き過ぎないか?ということをチェックしましょう。
重すぎるテーマは、実写では表現しづらく、長時間の動画になる可能性が高いです。YouTubeでは、長時間の動画は、敬遠される場合もあるので、その点でも注意が必要です。
もちろん、チャンネル登録してくれている視聴者にとっては、楽しみにしてくれている場合もあるので、絶対ではありません。
企画・ネタ選びでは、動画制作にあまり慣れていない段階で、長時間の動画を作るのは避けましょう。何を伝えたいのか?がはっきりせず、つまらない動画になる可能性が高い、からです。
長時間見ていても飽きないYouTubeやテレビは、例外なく構成や台本がしっかりしている。長時間になればなるほど、構成スキルが必須
(3)リサーチ(下調べ)をしっかりしよう
動画を作る目的が、自社の行事を紹介するなどの場合は、動画から楽しさが感じられたらOKです。でも、商品やサービスを紹介する場合は、それだけでは足りません。
そこには、商品・サービスの『リサーチ』が必要です。
自社の商品やサービスを動画で紹介する場合には、まずは、商品サービスの理解を深めましょう。同じ社内でもあなたが知らないエピソードがある場合も少なくありません。
商品やサービスを一番よくわかっているのは誰?それは、商品開発した人や、それを売っている部署の人。そこからのリサーチは必須。
(4)構成・台本を作ろう
さあ、いよいよ構成・台本を作る段階までやってきました。ここでは台本の基本的な考え方について、お話しします。
動画も作ったので、参考にしてください。
構成その①メモ書きから始めよう(マインドマップ)
最初に紹介する要素をメモ書きすることから始めます。まず次の3点について書き出してみましょう。
●リサーチで判明した内容から、動画で伝えたいものを絞り込む(要素抽出と言います)
●上記の絞り込みから、伝えたいことを3つくらいにする
●伝える順番を整理して、大きな構成を完成させる
構成その②各要素を映像に変換する(ハコ書き)
次に、①のマインドマップでまとめた要素を映像に変換していく作業に移ります。
どんな映像なら、イメージ通りに伝わるのか?をより具体的に考えていきましょう。その際、以下の点に注意しましょう。
●できるだけ具体的なカメラワークや内容を書き加える
●簡潔で分かりやすい文章を目指す
●時間内に収められるように要素や情報を整理する
なかなかイメージがしづらいと思います。
ですので、ここは『百聞は一見にしかず』。ここでは、例として『ハコ書き』の見本を1ページつけてみました。参考にしてみてください。
構成その③具体的な撮影場所・撮影機材・カメラワークを記入(ロケ台本)
このあたりは、頭を使った、かなり手のかかる作業が続いています。でも、もう少しの辛抱です。
あと一つだけお付き合い下さい。
このイメージを元に、今度は、ロケ台本を作っていきます。具体的な『撮影場所』や『撮影』に必要になる機材の確認、カメラワークなどを決めていく作業です。
このような事前の準備は大変です。が、逆に現場に行った時の作業効率が違ってきます。すべては事前準備で決まるのです。
ここでも百聞は一見にしかず。ロケ台本例をお見せします。
実際に現場に行ってみると、想像できなかったことが起きて、思い通りの動画が撮影できないことは良くあります。
そんな時には、伝えたいことはなんだったのか?それはどんな映像だったのか?要素を台本に残しておくことで、別の映像に切り替えることが容易になります。
(5)絵コンテを作ろう
絵コンテとは、台本をもとに、映像イメージをより分かりやすいものにしたものです。ラフの絵でも構いませんし、写真でも構いません。
要はイメージがしやすければOKです。
アップやロングなど、同じ画角ばかりで撮影しないように注意しましょう。
理由は同じような大きさの映像ばかりだと、見ていて変化がなくて、すぐに飽きてしまうから。同ポジの映像(同じ大きさの映像)が続かないように、撮影前の準備段階から、イメージを作っておくことが大切です。
(6)上長の承認を取りましょう
完成したロケ台本について、上長に承認を得ておきましょう。(5)絵コンテを作ろう、でご紹介したように、絵コンテにしておいてあげると、イメージがしやすくてスムーズです。
(7)ロケ準備をしよう
出演者や協力者に連絡して、ロケ日の日程を決めましょう。
(8)香盤表を作ろう
聞き慣れないものですが「こうばんひょう」と読みます。
ロケ場所や時間、撮影場所と出演者が書かれた撮影予定表を事前にエクセルなどで作ります。これも上記を参考にして作ってみてください。
(9)事前に機材の確認をしよう。
●上記で用意した台本や香盤表は、スタッフの人数分、印刷しておきましょう
●照明や三脚など、台本や香盤表などからチェックしておきましょう
(10)スマートフォンの残量をチェックしよう
いざ、撮影していたら、スマートフォンの残量が一杯になって慌てたりしないように、事前に、撮影に使うスマホのストレージ残量をチェックしておきましょう。残量は十分でしょうか?
●残量は十分か?
●残量目安は10分の動画撮影で約1GBの容量が必要