- カメラの構図にはどんなものがあるのか?
- 構図を覚えてセンスよく写真を撮りたい
- 早く初心者を卒業した
- どの構図をどんな時に使ったら良いのか?
今回は上記のお悩みを解決する記事です!
今回は、カメラの構図について、動画とデザインの会社を経営する筆者が、読んだだけでカメラ初心者を卒業できる?基本構図をご紹介します。
どうぞ最後までご高覧ください。
目次
- 1 カメラ構図の基礎知識
- 2 14種のカメラ基本構図
- 2.1 ①日の丸構図:被写体にフォーカスを当てる
- 2.2 ②二分割構図:安定感を持たせるシンプルな配置
- 2.3 ③三分割構図:安定した写真の基本
- 2.4 ④四分割構図:バランスを取りつつ被写体を分ける方法
- 2.5 ⑤三角構図:構図の中に自然な安定感を作る
- 2.6 ⑥放射線構図:視線が放射状に広がる構図
- 2.7 ⑦視線誘導構図:視覚的な流れを作り出す構図
- 2.8 ⑧対角線構図:動きと深みを演出する方法
- 2.9 ⑨額縁構図:周囲を囲って被写体を強調
- 2.10 ⑩S字構図:流れるような視線誘導
- 2.11 ⑪C字構図:柔らかく親しみやすい雰囲気を演出
- 2.12 ⑫サンドイッチ構図:主題に視線を集める効果的なフレーム作り
- 2.13 ⑬トンネル構図:被写体に集中する視覚的なトンネル効果
- 2.14 ⑭シンメトリー構図|安定と調和の対称構図
- 3 写真の幅を広げる応用構図3選
- 4 シーンに合わせた構図|ポートレート・風景・物撮り
- 5 カメラ構図で写真の表現力をアップさせる
- 6 カメラの基本構図16種・まとめ
カメラ構図の基礎知識
まずは、カメラ構図の基礎知識について、です。
撮影において構図は、被写体の魅力を最大限に引き出すことができる道標。それだけで、見た人に違和感を与えない写真になります。
この章では、4つに絞ってお伝えします。
(1)カメラ構図は被写体の配置とバランス
(2)初心者が陥りやすい構図の誤り
(3)構図が写真の印象を変える理由
(4)カメラ構図の決め方
まずは、カメラ構図が、写真に与える影響と、初心者が陥りやすい失敗について解説します。
(1)カメラ構図は被写体の配置とバランス
結論から言うと、カメラ構図とは、写真内での被写体の配置やバランスのことです。
カメラ構図=写真内での被写体の配置とバランス
カメラ構図によって、写真全体の印象が決まり、見る人に特定の感情や意図を伝えることができます。
構図を意識することで、被写体が引き立ち、簡単にプロらしい仕上がりになります。
(2)初心者が陥りやすいカメラの構図の誤り
構図を意識せずに被写体を真ん中に配置すると、単調で面白みに欠けた写真になりがちです。
また、背景や前景の処理を怠ると、視線が散らばり、主題が不明確になります。
●被写体の位置
●背景や前傾の処理が大切
こういった基本的なミスを防ぐためにも、基本構図をしっかりと学ぶことが大切です。
(3)構図が写真の印象を変える理由
では、カメラ構図で、どんな印象になるのか?
たとえば、ドラマチックな写真に見せることも、シンプルな写真にも見せることもできます。
これは、被写体の位置や背景の使い方で、見せたい部分を強調したり、リズム感を与えることができるから、です。
構図を工夫するだけで、同じ被写体がまったく異なる印象になる
(4)カメラ構図の決め方
ではカメラ構図は、どのように構図を決めればいいのでしょうか?
結論から言うと『これが絶対に正解』という答えはありません。
ただ、他人に「良い写真だね」と言ってもらえる写真を撮影するには、基本が必要です。それは
●主役を目立たせたいのか?
●写真にどのようなストーリーを持たせるのか?
という2点にフォーカスを当てることです。
最初から、全てを覚える必要はありません。まずは上記2点を頭に入れてだけでもOKです。
14種のカメラ基本構図
ここまで、構図の大切さについて、お伝えしました。
いよいよ、この章では、カメラの基本構図14種類を紹介します。
①日の丸構図:被写体にフォーカスを当てる
②二分割構図:安定感を持たせるシンプルな配置
③三分割構図:安定した写真の基本
④四分割構図:バランスを取りつつ被写体を分ける方法
⑤三角構図:構図の中に自然な安定感を作る
⑥放射線構図:視線を中央に引き込む
⑦視線誘導構図:視覚的な流れを作り出す構図
⑧対角線構図:動きと深みを演出する方法
⑨額縁構図:周囲を囲って被写体を強調
⑩S字構図:流れるような視線誘導
⑪C字構図:柔らかく親しみやすい雰囲気を演出
⑫サンドイッチ構図:主題に視線を集める効果的なフレーム作り
⑬トンネル構図:被写体に集中する視覚的なトンネル効果
⑭シンメトリー構図
それぞれをご紹介します。
①日の丸構図:被写体にフォーカスを当てる
最初にお伝えするのは、日の丸構図です。
これは、被写体を中央に配置するシンプルな構図です。
見て欲しいものに視線が集中させる構図で、とてもインパクトが強く、主役を最大限に目立たせる撮影方法です。
②二分割構図:安定感を持たせるシンプルな配置
二分割構図は、写真を上下や左右に分けることで安定感を出す手法です。
シンプルだけど、しっかりとした印象で、安定感と静けさを生み出す構図です。
写真を真っ二つに分けることができる、水平や垂直をしっかり意識した撮影がコツです
③三分割構図:安定した写真の基本
三分割構図は、写真を縦横に3分割し、交点に被写体を配置することで安定感を生む方法です。
たとえば縦に、三分割して交わった点のどこかに写真の主役や、写真に映る背景の直線を配置して撮影します。
風景写真や人物写真でも使いやすく、バランスの良い写真が撮れます。
④四分割構図:バランスを取りつつ被写体を分ける方法
四分割構図は、画面を縦横に4分割し、バランスを取りながら被写体を配置する手法です。
4分割して交わった点に写真の主役を配置して撮影します。
こちらは空間がより大きく入るので、背景の決め方が特に重要で、視線を自然に分散させる効果があります。
⑤三角構図:構図の中に自然な安定感を作る
三角構図は、被写体を三角形の頂点に配置します。
写真例を見るとわかる通り、並木道やまっすぐ続く道の奥行きを表現するのに最適な構図です。
この写真の例では、三角形の中に、木を配置しています。
三角構図は、天より地を少しだけ多めにするのがコツ。バランスを持たせながら安定した印象を与える構図です。
⑥放射線構図:視線が放射状に広がる構図
放射線構図は、画面上の一点から、視線が放射状に広がっていく構図です。
三角構図と違い、収束点を中央に置く必要がありません。
遠近感を感じさせる手法で、消失点に向かう道路や線路などで使用すると、写真に奥行きが出ます。
⑦視線誘導構図:視覚的な流れを作り出す構図
視線誘導構図は、特定の方向や動きで視線を自然に誘導する構図です。
風景の道や川、並んだオブジェクトなどを利用することで、写真の中に「視線の流れ」を作り出します。
視線を誘導させることで、見る人に写真全体を順に楽しませ、メインの被写体へ自然に導くことができます。
特に、風景やストーリーテリング的な写真を撮る際に効果的です。
⑧対角線構図:動きと深みを演出する方法
被写体を対角線上に配置することで、写真に躍動感と奥行きを加えます。
奥行きだけではなく、写真の躍動感も生まれる基本的なカメラ構図です。
例では、鳥を対角線に並べたものを記載しましたが、ほかにも建物や道を撮る際に有効です。
⑨額縁構図:周囲を囲って被写体を強調
額縁構図は、被写体を囲むように自然物や建造物を利用したり、被写体を枠で囲った構図を作ります。
例えば窓のフレームを入れて撮影するだけで額縁構図に値します。
視線を被写体に集中させ、奥行き感を演出する構図で、被写体が強調したい撮影の場合におすすめです。
⑩S字構図:流れるような視線誘導
S字構図は、曲線構図のひとつ。
その効果は、画面にS字に描くようにすることで、写真に動きと柔らかさを加えることにあります。
川や道を取り入れることで、自然な流れを表現できます。
⑪C字構図:柔らかく親しみやすい雰囲気を演出
C字構図も曲線構図です。
この構図は、被写体がCの字を描くように配置する構図で、テーブルフォトにもよく使われる構図として、馴染みがあります。
曲線をイメージした構図で、柔らかく親しみやすい雰囲気を作り出します。
⑫サンドイッチ構図:主題に視線を集める効果的なフレーム作り
サンドイッチ構図は、被写体の左右を囲む要素を配置して、視線を中央に集中させるテクニックです。
写体をサンドウィッチのように左右や上下で挟み込み、被写体をより強調します。
特に人物を際立たせる効果があります。
⑬トンネル構図:被写体に集中する視覚的なトンネル効果
トンネル構図は、被写体の周囲を囲む要素を活用し、視線を一点に集中させる構図です。
写真のように、トンネルの真ん中に被写体をおくことで、被写体がクローズアップする効果があります。
また、トンネルではなくても、木々の真ん中や花の真ん中を通して被写体を撮ったものも「トンネル構図」になります。
⑭シンメトリー構図|安定と調和の対称構図
シンメトリー構図は、被写体を左右対称または上下対称に配置することで、写真に安定感と調和をもたらす構図です。
対称性が強調されることで、見る人に視覚的な快適さを提供し、静けさや落ち着きを演出します。
水面に映る建物や木などの反射を利用する風景写真や、建築物のファサードを撮影する際に効果的です。
この構図は、被写体を中央に配置する「日の丸構図」と組み合わせることで、さらに安定した印象を強めることができます。
写真の幅を広げる応用構図3選
基本構図に慣れてきたら、さらに表現の幅を広げるための応用構図に挑戦してみましょう。
このセクションでは、サンドイッチ構図やZ字構図など、独自の視点を加えるための応用的な構図を4つご紹介します。
⑮対比構図
⑯黄金分割構図
⑰フィボナッチ螺旋構図
⑮対比構図
対比構図は、被写体を左右に対比させることで、視覚的なインパクトを狙った構図です。
このとき、色の対比(青とオレンジなど)や、質感の対比(滑らかとザラザラ)などを交えるとより一層対比感が出て、被写体が際立ち、興味深い写真になります。
この構図は、全体のバランスがとりやすく、どちらもお互いが引き立つ効果が得られます。
⑯黄金分割構図
(↑Adobe公式:知れば写真が上手くなる!基本・応用の構図15選と構図を使いこなすコツより参照)
黄金分割構図は、画面を1:1.618の黄金分割比率で分割します。
この比率は「黄金比」と呼ばれる比率で、昔から「美しいバランス」と言われている比率です。
この比率に沿った形で、被写体を配置すると、自然に調和の取れた写真が生まれます。
黄金分割構図は、風景写真やポートレートなどで特に効果的です。
⑯フィボナッチ螺旋構図:自然界の美しさを写真に取り入れる
フィボナッチ構図は、自然界の美しい比率である「黄金比」を使った構図です。
フィボナッチスパイラルと呼ばれる曲線が、視線を被写体の中心に自然と誘導するため、奥行きや動きを加えるのに最適です。
特に、風景写真やポートレートで魅力を引き出すことができ、視覚的に引き込まれる一枚を撮るのに役立ちます。
このフィボナッチ螺旋構図で撮られたのが、上の2枚の写真です。
不思議と落ち着きがあるのは、カメラ構図の決め方が黄金比率でできているから、です。
これだけでテクニックのある落ち着いたカメラ構図の写真が撮影できます
フィボナッチ数列とは?補足
フィボナッチ螺旋構図とは、フィボナッチ数列を元にした構図
このフィボナッチ数列とは、直前の数字を足した数が次の数字になっていく数列です。
最小単位「1」の大きさで作られた正方形からスタートします。直前の2つの数字を足して、足した数が次の数になるという法則なので、以下のように数字が並んで行きます。
1、1、2、3、5、8、13、21
「1」の正方形は1の大きさ、「2」の正方形は2の大きさで、数字の大きさに比例して正方形の大きさを変えていきます。
さらに、数字の小さい方から大きい方に向かって、曲線を繋ぎます。それが、フィボナッチ螺旋です。このフィボナッチ螺旋で作った基本構図内の、他の数と合わせた長方形は、すべて1:1.618。つまり黄金比率です。つまり、こんな図になります。↓
これをカメラのテクニックとして応用する際には、最初の「1」の部分に、一番目立つもの、伝えたい中心を持ってきます。
シーンに合わせた構図|ポートレート・風景・物撮り
写真のシーンごとに適切な構図を使い分けることで、撮影のクオリティが向上します。
このセクションでは、風景、ポートレート、物撮りといった異なるシーンで活用できる最適な構図を紹介します。
表現力が高まりますので、撮影の目的に応じて構図を選びましょう。
風景写真の構図
風景写真には、奥行きや広がりを表現できる構図が適しています。
三分割構図や放射線構図を用いると、広大な景色が印象的に映えます。
水平線を強調することで、安定感のある壮大な風景を撮影できます。
ポートレートの構図
ポートレート撮影は、日の丸構図で主役を際立たせたり、額縁構図でフレーム効果を利用したりするのが効果的です。
被写体の目線に視線を誘導することで、自然で魅力的な表情を捉えることができます。
物撮りの構図
料理や小物の撮影、いわゆる物撮りには、C字構図が効果的です。
この構図は、品物の美しさや質感が引き立ち、上品な写真になります。
背景をシンプルにし、被写体の魅力に集中させると、よりプロフェッショナルな印象になります。
カメラ構図で写真の表現力をアップさせる
カメラ構図の決め方には、アップで撮影する理由や引きの構図にする理由があることを理解できれば、初心者卒業です。
ここでは、写真の一例をお見せしましょう。
カメラ構図例①大空を飛び回る飛行機を撮影する場合
我々より遥かに大きい飛行機を撮影した場合は、アップで撮影すると、飛行機の存在感がより大きくなります。
ですが、カメラで飛行機だけをアップで撮影するのではなく、広角で空をいっぱい写したとしましょう。
すると先程の飛行機をしっかり目立たせた存在感あふれる写真ではなく、カメラ構図によって空や風景の壮大さが表現できます。
テクニックを上達させて、初心者とは一味違う、写真表現の幅をもたせましょう。
カメラ構図例②花や木々を迫力あるイメージで撮影する場合
花や葉をアップで撮影します。花の柔らかさを撮影するコツは、手前に被写体を大きくみせるカメラ構図にすることです。
背景がボケることによって、ふわっとした写真に仕上がります。
しかし、木々や花の生命力を感じる写真をカメラで撮影したい場合は、空に向かって枝や茎が伸びている写真を撮影することがベスト。
基本的に力強さを表現するためには、三角構図や放射構図で引いた構図で撮影します。
すると写真に高さが出て生命力の力強さが表現できるカメラ構図で撮影ができます。
カメラ構図例③被写体のストーリー性を持たせる場合
一見、初心者っぽい、日の丸構図も、被写体をカメラの画面いっぱいに収めると、被写体の細かな情報が写真一枚で表現できます。
さらに、カメラ構図に加えて、アングルを組み合わせたテクニックを用いれば、写真一枚で様々な表現ができるようになります。
放射構図や三分割法を使い、被写体の視線の先に空間を空けることで、被写体が持っているストーリーを演出します。
また被写体によって、あえて空間を作り出すことで、躍動感を生み出すこともできます。
カメラの基本構図16種・まとめ
構図の理解は、写真撮影の基礎スキルを向上させるための重要なステップです。
基本構図をマスターし、応用構図を使いこなすことで、どんなシーンにも対応できる写真が撮れるようになります。
今回紹介した16種類の構図をぜひ活用し、自分のスタイルを発見しながら、写真撮影を楽しんでください。
今回も最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!