写真の撮り方には、アングル、ポジション、ショットなどいろいろな用語と種類があります。あなたは上手に説明できますか?
ここでは、それぞれの意味を学んで、「いいね」と言われる写真のテクニックを学んでいきましょう。
目次
写真はショット ×アングル ×ポジション
写真はショット ×アングル ×ポジションと12の基本構図で、さまざまな表現ができるようになります。
●ミドルショット
●アップショット
●ハイアングル
●目の高さ
●腰の高さ(標準)
●ローアングル
●仰角(ぎょうかく)
●ローポジション
12の基本構図
基本の3ショット
まずは、ショットの3サイズをおさえましょう。
●ミドルショット
●アップショット
です。後ほど説明するアングルと合わせて、ここでは、構図の決め方を目的や用途などで使い分けるテクニックやコツを覚えていきましょう。
ロングショットの表現とは
遠くから被写体を撮影した写真です。たとえばドローンのカメラで空撮などもそうですが、遠景で被写体を広く撮影する撮り方です。いわゆる引きのショットです。
このショットは、全体が写り込む構図は、客観的な要素が多くなります。逆に主観的な説明には弱くなるのが想像できると思います。
ロングショットは、アングルによっても多少印象が違いますが、全体を写していることもあり、基本的には、状況を説明するのに適したショットで、全体的にのんびりした感じの写真になります。
アップショットの表現とは?
被写体に対して、カメラを寄り気味の構図で大きくとらえたショットがアップショットです。
さらに部分的に被写体に寄ったものが、クローズアップ、さらに近づいて撮影されたものが、ビッグクローズアップまでがあります。
アップショットは、どのアングルであっても、被写体を細部まで見ることができます。
そのため、ロングショットとは対照的に、質感や形、色などがわかりやすく表現されて、客観性というよりも具体的なショットの写真になります。
ミドルショットの表現とは?
ミドルショットは、カメラを被写体に対して、ロングとアップの中間で捉えた基本ショットのひとつです。
安心感のある説明的なショットなので、初心者のうちは多用しても問題ありません。なによりも写真撮影を楽しむことが大切だからです。
しかし、構図の決め方で、表現していく。という面で見た場合、ロングショットはより客観的、アップショットはより主観的です。
それに比べてミドルショットは、アングルによって、多少印象は変わるものの、やや中途半端な表現になりがちです。
ミドルショットは、基本的で一番撮りやすい構図である反面、劇的な一枚にはなりづらいと覚えておきましょう。テクニックやコツとは違いますが、構図の決め方として、初心者のうちから覚えておきましょう。
ミドルショットは、動画であれば、その前後にアップやロングのショットを追加すれば、逆に効果的に見せることができますが、写真一枚ではうまくいきません。
でもそれが、一枚で勝負する写真の魅力でもあります。
人物の撮影では、ミドルショットをさらに細分化する
ミドルショットには、風景写真のミドルと人物を撮影するときのカメラの構図があります。ここでは人物撮影時のミドルショットをさらに細分化した、撮り方を解説します。
●フルフィギュア=頭から足先までのショット
●ニーショット=頭から膝までのショット
●ウエストショット=頭からウエストまでのショット
●バストショット=頭から胸の下までのショット
●バストアップ=頭から胸の上までのショット
↓その先はアップショットへ
写真のカメラアングルを覚えよう
さらに基本になるショットや構図などの種類とともに、組み合わせて考えて欲しいのが、カメラアングルの決め方です。
カメラの高さの位置を変えることで、より効果的な写真を作るテクニックです。コツを覚えてワンランク上の初心者を卒業したい人に覚えて欲しい考え方です。
6つの基本アングル
アングルには下記の6つの基本的なアングルがあります。
●ハイアングル
●目の高さ
●腰の高さ(標準)
●ローアングル
●仰角(ぎょうかく)
があります。ハイアングルほど、客観性が強いショットとなり、静的でありながら、逆に威圧感があるアングルになります。
カメラアングルで写真の表現力が変わる
逆にローアングルは、動きのある動的な表現力に長けた撮り方です。遠近感も加わって、迫力あるショットになります。構図とアングルが組み合わさった動きが凄くないですか?
人物以外を被写体にする場合には、目の高さ(アップショット)の位置が、標準的なカメラアングルとなります。
逆に人物が被写体の場合は、目の高さではなく、腰の高さが標準的なアングルになるのが基本テクニックです。
カメラの基本ポジションとは?
アングルとならんで、ここでは、カメラのポジションについて、学んでおきましょう。カメラのポジションとは、カメラを構える高さです。
ハイポジションとローポジション
写真撮影時、通常、カメラを目の高さに置いて、ファインダーなどを覗いて撮影します。なので、普通に立って撮影した場合、目の高さをアイポジション(アイレベル)といいます。そして
低い位置にカメラを構えた場合には、ローポジション
です。
間違いやすいアングル(角度)とポジション(高さ)
ここで間違えてしまいやすいのが、アングルとポジションについてです。混同しやすいので、ここはしっかりと覚えておきましょう。
ポジション=カメラの高さ
です。
よく低く構えた位置からの写真の構図をローアングルだと思ってしまいますが、そうではありません。
アングルとは、カメラの角度のことです。
なので、カメラを低い位置で構えたとしても、カメラが地面と水平であれば、それは、ローポジションです。決してローアングルではありません。
同様に高いカメラの位置からの撮り方であっても、カメラが地面と水平であれば、それはハイポジションです。決してハイアングルではありません。
ということは、下から上に見上げてローアングルや仰角で撮影した写真は、ローポジション、ローアングル。そして、足元を水平に写した写真は、ただのローポジションだということがわかります。
被写体の大きさ、アングル、ポジション+構図を組み合わせる
写真をどのように表現していくか?を考えた場合、ここまでお話ししてきた
●アングル(カメラの角度)
●ポジション(カメラの高さ)
を組み合わせることで、いろいろな写真を表現していくことができます。
普段は、目の高さのポジションで撮影することが多いと思います。ですが、建物やビルを下からローアングルで撮影すると、容易に大きさを表現できます。
また、花を写真撮影するときも、ローポジションで空と花を一緒に写し込むことで、これまでと違うイメージで撮影できることがわかります。
適切なアングルや構図、ポジションで写真の表現力をつけよう
ここまで読んできたら、あなたは、もう初心者どころか上級者です。
初心者のうちは、構図もアングルも、正解はありません。でもここからは、これまで学んできた、アングルや構図、ポジションなどを使って、どのように写真の撮り方を使い分けると良いのか?
そのヒントについてお話しします。
写真の撮り方を5W1Hで考える
意味浅←ロングショット−−ミディアムショット−−アップショット→意味深
意味浅←グループショット−スリーショット−ツーショット−ワンショット→意味深
写真の撮り方は自由です。なので、初心者のうちは、構図もアングルも考えなくてOK。まずは、楽しむことが一番です。
でも、写真を撮影することに加えて、さらに表現力を加えたい、という向上心が出てきたら、そのときは基本を押さえて、上達を目指しましょう。
ここでは、写真を5W1Hで考えて、構図とアングルの決め方を考えてみましょう。
●When(いつ)
●Where(どこで)
●Who(誰が)
●What(何を)
●Why(なぜ)
●How(どうしたか)
上記の5W1Hで、カットの表現を考えることができます。たとえばロングショット。たとえば目の高さのカメラアングルで、ロングショットあれば、When(いつ)Where(どこで)を表現しやすいでしょう。
逆に、ロングショットで、Who(誰が)What(何を)を表現するのは難しいと思いませんか?全体が写っている構図になると、どれがテーマかわからないからです。
アップショットは、When(いつ)Where(どこで)を表現しづらいけど、具体的な説明が可能です。Who(誰が)What(何を)Why(なぜ)については、とても分かりやすいですよね?
撮り方と構図の種類を組み合わせて、いい写真を撮ろう
同じロングショットをハイアングルで撮影すると、ロングショットを目の高さ(アップショット)で撮るよりも、同じ客観的をもったショットであると同時に、少し、写真に威圧感を与えることができます。
また、飛行機をモチーフにしたアップショットでもアイレベルで普通に撮影するよりも、ローアングルで、空を一緒に写す撮り方をすると、スケールの大きな写真が撮影できます。
このように、構図とカメラのアングルを組み合わせた、基本のテクニックを押さえておくことで、何をどう表現したいのか?応用につながってきます。
アングルや構図の組み合わせで、いいねと言わせる写真を撮ろう
初心者のうちは、ただ楽しく撮影するだけで十分です。
でも、人に見せることを意識した場合には「何を伝えたいか?」を常に考えることが上達のコツです。
被写体のテーマをどうしたら一番伝わるのか?構図の種類や、ここでご紹介した、ショット、ポジション、アングルを上手に選択して、いいねと言われる写真撮影ができるように意識しましょう。