
動画撮影のフレームレートとシャッタースピードを、なんとなくで決めていませんか?
一眼レフ・ビデオカメラを使った動画撮影にも、フレームレートとシャッタースピードには、基本となる考え方があります。
そこで、この記事では、フレームレートとシャッタースピードについて、それぞれの意味と、適切な設定について詳しく調査しました。
撮影状況によるフレームレートの使い分けや動画撮影後の変更等も記述してますので、フレームレートとシャッタースピードに関しては、この記事を読んでマスターしましょう!
目次
フレームレートとシャッタースピード【一眼レフの動画撮影】
まずは、シャッタースピードの基礎知識からお伝えします。
一眼・ビデオカメラ動画撮影におけるシャッタースピードの基礎知識
シャッタースピードとは、カメラのシャッターが開いている時間のことです。
一眼レフを持っている方なら写真を撮影する際などにシャッタースピードは意識しますよね?
実は動画撮影でもこのシャッタースピードは重要になってきます。
ご存知のように一眼レフで写真を撮るときは、
シャッタースピードを上げればブレのない鮮明な写真が、
シャッタースピードを下げればブレのあるぼやけた画像が撮れます。
そしてこれらの写真をつなぎ合わせたものが動画です。
なので動画を構成する一枚一枚の写真の重要なファクターは必然的に動画においても大事になってくるのです。
後ほど、このシャッタースピードの基本的な設定値については説明します!
フレームレートの基礎知識
フレームレートとは1秒間の動画を構成する静止画の枚数(コマ数)のことです。
単位は「fps」=「Frames per Second」で、日本語では「コマ/秒」と表記します。
前項でも説明しましたが、動画は一枚一枚の写真の集合です。
そしてこの一枚一枚の写真の枚数を決めるのがフレームレート(fps)です。
パラパラ漫画を思い浮かべるとわかりやすいのですが、
例えば人間がジャンプして天井に頭をぶつけて落ちてくるというパラパラ漫画を作るとした時に、ジャンプしてから落ちてくるまでを
30枚の絵で表現するのと、300枚で表現するのではどちらが滑らかな動きを表現できるでしょうか?
わかりますよね?これと同じことが動画でも言えます。
つまりフレームレートは動画の滑らかさを決定するファクターと言えます。
フレームレートを大きくすれば滑らかな動きの動画が、反対にフレームレートを小さくすればカクカクした動画が完成します。
フレームレートとシャッタースピードの関係は?
前節でシャッタースピードとフレームレートの基礎についてそれぞれ説明しましたが、
この節では一眼レフ・ビデオカメラでの動画撮影における二つの関係について説明していきます!
シャッタースピードはフレームレートで決まる?
フレームレートを決めると、シャッタースピードの下限が決まります。理由はフレームレートの設定値未満の値でシャッタースピードは設定できないからです。
一秒間の動画を構成する静止画の枚数がフレームレートであり、
シャッタースピードを遅くしすぎるとフレームレートが満たせず、動画が作れなくなってしまいます。
例えばfpsが30の場合、30分の1秒以下のシャッタースピードは設定できないということですね。
一般的に、シャッタースピードはフレームレートの2倍の数値が良いとされています。
fpsが30の場合 シャッタースピードが1/60秒
基本的にはこの設定を変えずに撮影するのが良いでしょう!
Q. 120fpsで撮影するときのシャッタースピードは?
A. 1/250が適切となります。ハイスピード撮影時も、シャッタースピードはフレームレートの2倍の原則が当てはまります。そのため、スローの動画を撮る際には、十分な明るさが必要というわけですね。
屋内でフリッカーが出る場合のみ、シャッタースピードを変える!
「フリッカー」という言葉をご存知でしょうか?
室内で動画を撮影した際に、画面がチカチカしてしまったという経験はないでしょうか?
それが「フリッカー」と呼ばれる現象です。
そしてこのフリッカーの原因は蛍光灯なんです。(LEDが増えて見る機会は前より減っていますが、、、)
そもそもフリッカーとは蛍光灯の明滅のことを指します。
つまり蛍光灯の点滅があのチカチカの原因なのです。
フリッカー現象を抑える簡単な方法はシャッタースピードを早くしすぎないことです。
もっと言うと東日本なら1/100秒、西日本なら1/120秒にシャッタースピードを設定するとフリッカーは避けられます。
蛍光灯が光源となる室内で撮影する際には、フリッカーを考慮して上記の値に設定しましょう。
またお使いのカメラによってはフリッカー軽減機能が付いているものもあるので確認してみましょう!
フレームレート(fps)の決め方は?
私たちが普段目にしてい映像の代表的なフレームレートの規格は 60fps、50fps、30fps、25fps、24fps です。
●主な種類と用途
・24fps 映画で採用されています。映画のような表現効果を希望されるとき。
・25fps 欧州などPAL圏内でテレビやDVDに採用されています。PAL圏内で動画編集をフレームレート変換せずに行ないたいとき。
・30fps 日本国内などNTSC圏内でテレビやDVDに採用されています。
・50fps 欧州などPAL圏内でテレビやDVDに採用されており、25fpsよりなめらかな映像です。PAL圏内で動画編集をフレームレート変換せずに行ないたいとき。
・60fps 日本国内などNTSC圏内でテレビやDVDに採用されており、30fpsよりなめらかな映像です。一般的には 30fpsが多用されますが、さらに滑らかな画像を希望される時は 60fpsの設定をおすすめいたします。
上記の記述を見ながらフレームレートを使い分けてみましょう!
屋外撮影時に明るすぎる場合は?
一眼レフカメラで撮影する醍醐味は撮影対象の背景を思いっきりボカすことですよね。
そして背景をボカすためにはF値を下げると思います。
F値を下げるとは露出をあげることですよね。
するとどうでしょう。天気のいい日の屋外撮影などでは背景が白飛びしてしまうことがあると思います。そんな時におすすめの対処法が2つ!
1つ目が シャッタースピードを上げる
シャッタースピードを上げると白飛びを抑えることができます。
別の項でもお伝えしたようにシャッタースピードとはシャッターが開いている時間のことです。
カメラが光を取り込めるのはシャッターが開いている間だけなので、シャッタースピードが早くなれば必然的に明るさを抑えることができます!
しかし、動画の場合シャッタースピードを上げすぎてしまうと、パラパラ漫画のような不自然な映像になってしまいます。
そこでおすすめの、2つ目の方法が NDフィルターを使う
NDフィルターとはレンズの先につけるサングラスのようなものです。
これを使えば大概の白飛びは回避することができます。
詳しくはこちらの記事で解説しているので、参考にしてください。
動画を編集する時でもフレームレートは変えられる!
撮影してからフレームレートを変更する!
フレームレートは撮影後に変更することも可能です!
しかし、フレームレートは下げることはできても上げることはできません。
動画を構成する静止画の枚数が足りなくなってしまうからです。
次項ではそれと少し関わりのあるスローについて、フレームレートとの関係からご紹介します!
フレームレートとスローについて!
フレームレートに関してもう一つ大きく関係してくるのがスローモーション撮影です。
30fpsで撮影したものを、スローにしようとすると、カクカクしたスローになってしまいます。これは、1秒に30枚で構成された動画をスローにする場合、1秒に15枚や10枚の動画になってしまうからです。
そのため、滑らかなスローにするためには、撮影時に高いフレームレートで撮影する必要があります!そして、編集時に、フレームレートを下げることで、スローの映像となります。
iPhoneをはじめ様々なカメラに搭載されているスローモーション記録はこれを利用したものです。例えば240pで撮影したものを30pで再生すると8倍のスローモーション動画になります。うまく使うと面白い動画が撮れそうですね。
また、例えば24fpsで撮影をすると、後でスローモーションに上手く加工できません。
一方、120fpsだけで録画すると今度は映画風の映像が取れなくなってしまいます。
状況に応じてフレームレートを変えてみましょう!
動画撮影はフレームレートとシャッタースピードを意識しよう!
今回は一眼レフ・ビデオカメラでの動画撮影に関してフレームレートとシャッタースピードの視点からお伝えしました!
原理をよく理解した上で、日々の撮影に活かしてみて下さい!