MediaEncoderの使い方は?
Adobe Media Encoder。それは、動画編集の最後の工程『書き出し』に欠かせないソフト。
動画の書き出しやさまざまな形式への変換、さらにプロキシ作成など、幅広い機能をもったソフトです。
たとえば
- バックグラウンドで動作して、動画編集と書き出し作業が並行してできる
- さまざまな動画形式に対応
- プロキシ作成機能で、重たいデータも軽快に扱うことができる
などなど。使い方次第で、とても便利なソフトです。
そこで、今回の記事では、MediaEncoderの使い方は?ということで
- 特徴
- メリット
- 使い方
をおさらいしてみました。
ぜひ、最後までご高覧ください。
Adobe Media Encoderの特徴

MediaEncoderの使い方の前に、どんなソフトか?と言うところから、お伝えします。まず、Media Encoderとは?ですが、こちらは動画・音声のエンコード(書き出し)をするソフトです。
Adobeの動画編集のメインソフトは、Premiere Pro。ですが、MediaEncoderは、その動画編集の最終工程『書き出し』を担当します。

ちなみに、Media Encoderは、Adobe CCコンプリートプランに入っていれば、誰でも使うことができます。
この章では、MediaEncoderの4つの特徴をご紹介します。
Adobe Media Encoderの4つの特徴
- 多彩なファイル形式への変換
- バックグラウンドでのエンコード
- 連続したエンコード
- プロキシ編集のサポート
ひとつずつ見ていきましょう。
①多彩なファイル形式への変換

まず、MediaEncoderの使い方の一つ。それは、さまざまな動画ファイル形式への変換です。
たとえば、MP4、MOV、AVIなどの一般的な形式だけではありません。特定のデバイスやプラットフォームに最適化された形式への変換も可能です。
②バックグラウンドでのエンコード

くわえて、MediaEncoderの使い方次第で、作業効率を上げることもできます。
Premiere Proなどで動画編集しながら、さらにバックグラウンドでエンコード作業ができます。そのため、時間のかかる編集作業を効率よく進めることができます。
③連続したエンコード

また、複数のファイルも一度にエンコードできる機能もあります。
こちらも、MediaEncoderの使い方の一つ。大量のファイルを一括で変換できることが挙げられます。そのため、動画編集の作業効率が大幅に向上します。
④プロキシ編集のサポート

Media Encoderの使い方には、高解像度の素材を、低解像度へ変換する機能もあります。
この機能をプロキシ変換と言います。どういうことか?というと、高解像度の撮影素材は、重すぎるため、そのまま動画編集に使えません。そのため、一度、プロキシファイルへの変換が必須です。
パソコンスペックが低い場合は、とくに便利な機能です。
Adobe Media Encoderが提供するメリット

MediaEncoderの使い方次第で、動画編集作業が効率化できます。
特に、以下のようなメリットがあります。
- 作業の並列化リスト
- 効率的なバッチ処理
- 編集作業の軽量化
❶作業の並列化
MediaEncoderの使い方のひとつに、バックグラウンドでのエンコード作業があると前述しました。
注意!ただし編集した動画をプレビューしている間は、エンコーダーもストップします!
この機能により、エンコード作業を待つ間も別の作業を進めることができます。そのため、全体の作業時間を大幅に短縮できます。
❷効率的なバッチ処理
さらに、複数のファイルを一括でエンコードすることができます。この作業で、大量のファイルを扱う際の作業効率が向上します。
❸編集作業の軽量化
また、プロキシ編集は、パソコンのスペック不足を補います。軽いデータでスムーズな編集作業を行うことができます。
高解像度の動画を扱うときも、編集作業のストレスを軽減してくれるのです。
以上が、Adobe Media Encoderの概要とその特徴、利点になります。次のセクションでは、具体的な使い方について詳しく解説していきます。
Adobe Media Encoderの基本操作

Media Encoderは、その強力な機能と柔軟性から多くの動画編集者に愛用されています。
ここでは、基本的な使い方を解説します。
Premiere ProとAfter Effectsからの書き出し方法
MediaEncoderの使い方は、ほかの動画編集ソフトとも密接に関係します。たとえば、Premiere ProやAfter Effectsとの連携です。
たとえば、Premiere Proで編集したプロジェクトを直接Media Encoderに送ります。そこから、エンコードして書き出します。
そのさいの、具体的な手順は以下の通りです。
動画編集ソフトでプロフェクトファイルを開く
まずは、Premiere ProやAfter Effectsで編集したプロジェクトを開きます。
Mediaを選択
つぎに、[ファイル] > [書き出し] > [Media] の順に選択します。
書き出し形式を選択
さらに、書き出し設定ウィンドウが開くので、書き出し形式と設定を選択します。
キューに追加される
指定した形式に書き出し
Media Encoderを開き、[開始] ボタンをクリックすると書き出しが始まります。
様々な形式へ書き出し
Media Encoderの使い方の大きな特徴のひとつ。それは、さまざまなファイル形式への変換可能なこと。
書き出し設定ウィンドウで「書き出し形式」のドロップダウンリストから、必要な形式を選択することで変換を行います。
また、右側の「プリセット」からは、特定のデバイスやプラットフォームに最適化された設定を選択することも可能です。
連続書き出しで作業効率を上げる
さらに、複数のファイルを一度に書き出す必要がある場合。Media Encoderの連続書き出し機能が便利です。
まず、書き出しを行う各ファイルをMedia Encoderのキューに追加します。そして、すべての設定が完了したら「開始」ボタンをクリックするだけ。
これにより、複数のファイルが順番に自動的に書き出され、大量のファイルを扱う際の作業効率が向上します。
Adobe Media Encoderの使い方|プロキシ作成手順

動画編集作業を効率化するための一つの手法として、プロキシがあります。
Adobe Media Encoderの使い方の一つ。プロキシを簡単に作成する手順をお伝えします。
<1>プロキシとは?効率的な編集のための手法
<2>Media Encoderを使ったプロキシの作成方法
<1>プロキシとは?効率的な編集のための手法

プロキシとは、原本(オリジナル)のメディアファイルを低解像度や低ビットレートの軽量版に変換したファイルです。
これを使うと、実際の動画編集時には、軽いデータで作業編集できるため、作業効率がよくなります。

動画のデータは重いからね。オリジナルデータだとパソコンが動かなくなるよね

はい。なので、軽量版のプロキシデータを作って、編集後にデータを書き出しするときに、オリジナルに戻すのです
最終的に、編集作業が終わったら、実際の実データと差し替えて書き出しをします。
4Kファイルなどに限らず、動画のデータは重いので、プロキシ化は必須です。
<2>Media Encoderを使ったプロキシの作成方法
Adobe Media Encoderで、オリジナルの動画ファイルからプロキシを作成します。
Premiere Proのプロジェクトパネルからプロキシを選択し、有効にすることで、高解像度の動画編集作業がスムーズになります。
MediaEncoder自体にプロキシを作る機能はありません。あくまでも操作はPremiere ProやAfter Effectsからおこないます。
具体的な手順は以下の通り。
プロキシにしたい素材を選択
Premiere ProやAfter Effectsなどの動画編集ソフトを開いて、プロキシにしたい素材を選択して実行します。
MediaEncoderが立ち上がる
MediaEncoderが自動で立ち上がります。
形式と解像度を選択
作成するプロキシの形式と解像度を選択します。
開始をクリック
オリジナルの動画ファイルを選択し、「開始」をクリックします。
以上の手順で、Adobe Media EncoderとPremiere Proを連携させて、プロキシの作成が完了します。
Adobe Media Encoderの詳細機能は?

Adobe Media Encoderは、多機能なエンコードソフトウェアです。
機能を把握して、使いこなすことで、動画の書き出しやファイル形式の変換、さらには作業の効率化に大いに役立ちます。
詳細機能を駆使して、Adobe Media Encoderを最大限に活用しましょう。
【1】プリセットブラウザーの利用方法
【2】キューパネルでの作業効率化
【3】監視フォルダーとは?
【4】メディアブラウザーの使用
【1】プリセットブラウザーの利用方法
Media Encoderの使い方には、配信先や用途に合わせたエンコードプリセットもあります。
このプリセットを使えば、ファイル形式や出力の解像度やフレームレート。さらにはビットレートなども細かく指定できます。
この機能により、目的や配信先に最適な動画を作成することができます。
【2】キューパネルでの作業効率化
キューパネルは、書き出し待ちのメディアファイルを一覧で表示します。
それぞれのエンコード設定を一括または個別に行うことができる機能です。
一度に複数のメディアファイルを書き出す際や、同じ設定で複数のファイルをエンコードする際に便利です。
【3】監視フォルダーとは?
監視フォルダーは、指定したフォルダに新しくファイルが追加されると自動的にそのファイルをエンコードする機能です。
作業の自動化と効率化を実現します。
【4】メディアブラウザーの使用
メディアブラウザーを使用すると、システムのファイルエクスプローラーを開かずにAdobe Media Encoder内から直接メディアファイルを検索し、読み込むことができます。
これにより作業の一貫性が保たれ、作業が効率的になります。
クリップの組み合わせをマスターする

Adobe Media Encoderを使用すると、複数のクリップを組み合わせて一つの動画として書き出すことも可能です。
この機能を活用することで、動画編集ソフトウェアを使わずに簡単な編集を行うことができます。
Adobe Media Encoderでクリップの組み合わせを作成
Adobe Media Encoderのキューパネルで、ソースを追加できます。
読み込む素材のチェックボックスにチェックを入れます。
組み合わせの項目が出てくるので、複数クリップを一つの動画として連結し、書き出しを行うことができます。
クリップの追加、削除、再配置の方法
キューパネルから、追加したクリップの順番を変更したり、不要なクリップを削除したりすることも可能です。
クリップをドラッグ&ドロップすることで、簡単に順番の変更や再配置が行えます。
また、クリップを右クリックして表示されるメニューからは、クリップの削除も行うことができます。
このように、Adobe Media Encoderは動画書き出しのみならず、基本的な動画編集作業も可能なツールです。
簡易な編集作業にはAdobe Media Encoderを活用し、より複雑な編集作業にはPremiere ProやAfter Effectsなどを使い分けることで、効率よく動画制作を行うことができます。
Adobe Media Encoderとは?まとめ

Adobe Media Encoderは、メインの動画編集ソフトであるPremiere ProやAfter Effectsをサポートするソフト。
便利機能を持つ一方で、直感的なインターフェースで、使い方も難しくありません。
ちょっとよくわからない感じのMediaEncoderですが、Adobe動画編集ソフトウェアを利用するなら、ぜひ、Media Encoderを使ってみてください。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!