AdobeStockとは?
あなたは、デザインや動画制作の現場で、「素材探しに時間がかかる」。「商用利用が不安」。と悩んだことはありませんか?
そんなときに頼れるのが、Adobeが提供する素材サービス「AdobeStock」です。
というわけで、今回の記事では
今回の記事でわかること
- Adobe Stockとは何か?
- どんな素材があるのか?
- 料金はどれくらいか?
- 初心者でも使えるのか?
- 他サービスとどう違うのか?
について、解説します。
広告制作やWebデザインに関わる方。または、趣味で動画編集やSNS投稿をしている方にも参考になる内容です。
ぜひ最後までお読みください。

執筆者
この記事は、動画制作・デザインを手がける「ワイラボ」の代表が執筆しています。普段は企画やディレクションの立場から、現場チームと連携して映像制作に関わっており、その経験から得た視点でお話ししています。
1. Adobe Stockとは?

AdobeStockとは、Adobe社が運営するストック素材サイトです。
PhotoshopやIllustrator、Premiere Proなどで使用できる素材数が、なんと2億7,000万点以上揃っています。
AdobeStockとは ①特徴

画像
動画

音楽
AdobeStockとは、画像だけでなく、動画、音楽など、幅広いストック素材を扱っています。
そして、ほとんどの素材が、商用利用可能です。
デザイン性を損ねる可能性のあるクレジット表記が要りません。また、画像を編集・加工することも許されています。
AdobeStockの特徴
- 画像、動画、音楽(オーディオ)、テンプレート、ベクターなど豊富な素材を取り揃えている
- 商用利用できる(クレジット表記がいらない)
- 画像などのストック素材を編集加工して使える
豊富なストック素材を自由に使える点が、AdobeStockの大きな特徴です。
AdobeStockはライセンス管理も厳しく徹底されているため、商用利用した際に知的財産権を侵害するリスクを心配する必要もありません。
Adobe Stockとは ②支払い方法
AdobeStockは、AdobeCCとは、独立したサービスです。そのため、Adobe Creative Cloudには含まれていません。
そのため、基本的には有料のサブスクリプション(定額制)型サービスになります。
AdobeStock=Adobe CCコンプリートプラン対象外のサービス
支払方法は年間プランと月々支払いの2種類から選択できますが、月額料金では月々払いの方が割高です。
その代わり、月々払いは自動更新でない1カ月ごと契約です。そのため、短期間だけAdobe Stockを使いたい場合向きです。
2つの支払い方法
- 年間契約=料金がお得。継続的に使いたい人向け
- 月額契約=割高。決まった期間だけ使いたい人向け
Adobe Stockとは ③料金プラン
下記は、Adobe Stockの料金プランです。
通常アセットの点数が多いほど料金が高くなります。が、ストック素材の単価で見ると安くなる仕組みです。
月額料金 | 通常アセット/月 | HDビデオ | 無料体験期間 |
---|---|---|---|
3,828円 | 10点 | 1本 | 30日間 |
6,578円 | 25点 | 3本 | 30日間 |
10,428円 | 40点 | 6本 | なし |
27,478円 | 750点 | 25本 | なし |
最も安い月額料金3,828円のプランは通常アセット10点。
ですが、HDビデオが使えなかったり、ストック素材を自由に組み合わせられない制限があります。
通常アセットを使い切ってしまった場合は、クレジットという買い切り型で、ストック素材を追加購入することもできます。
Adobe Stockについて調べたとき「アセット」という聞き慣れない単語が出てきます。「アセット」とは、画像や動画といったストック素材のことです。通常アセット10点の場合、画像や動画といったストック素材を「1カ月に合計10点まで使用可能」という意味です。
Adobe Stockの領収書について
AdobeStockは、利用すると領収書を発行してもらえます。
具体的には、メールなどで送られてくる毎月の支払い明細が領収書の代わりです。
必要に応じてプリントアウトして、紙の領収書として保管もできます。
Adobe Stockとは ④一部無料のストック素材もある
2020年10月から、AdobeStockは、7万点以上のストック素材を無料化しました。
なので、検索タブを「無料素材」にしてみましょう。無料のアセットが探せます
一番安いプランにも約1カ月の無料期間があります。そのほか契約するか迷っている場合は、まずAdobe Stockの無料素材を見て参考にするのもオススメです。
無料のストック素材とは?
- 7万点以上の無料ストック素材がある。
- 無料素材を見て「契約する、しない?」の判断材料にできる
2. どんな素材が使える?種類とクオリティ
AdobeStockとは、ただのストックフォトサービスではありません。
写真やイラストだけでなく、動画、音楽、テンプレート、さらには3D素材まで揃っているのが特徴です。一方で、素材数だけで比べるとShutterstockなど他社のほうが上回ることもあります。
この章では、どのような素材が用意されているのか?詳しく見ていきましょう。
①写真・イラスト・ベクター
まず基本となるのが静止画素材です。
AdobeStockは、プロカメラマンやイラストレーターが投稿した高品質な写真やイラストが多数そろっています。構図や光の使い方も緻密で、素人っぽさがないのが魅力です。ベクター素材も充実しており、ロゴやアイコンなどにそのまま使えるデータも多数あります。
また、一般的なストックフォトと違い、「Adobe製品で編集しやすい形式」で提供されている点も見逃せません。IllustratorやPhotoshopで開いてすぐ使えるベクターデータや、レイヤー構造を保持したテンプレートが多数あります。これは作業効率を重視するプロにとっては非常にありがたい仕様です。
ただし、日常的な場面を撮った写真。または、フリー素材に近いイラストは少なめです。
あくまで「商用利用に耐えるクオリティ重視」のラインナップです。そのため、カジュアル用途には合わないこともあります。
②動画・音楽・3D・テンプレート素材
AdobeStockは、動画素材にも力を入れています。
特に、近年は縦型動画や4K対応素材が増えています。その点、SNS広告やスマホ動画制作にぴったりです。また、Premiere ProやAfter Effectsと連携できます。そのままタイムライン上で編集できるので、作業がとてもスムーズです。
音楽素材も、著作権フリーで商用利用できる楽曲が多く揃っています。もちろん、YouTube動画や企業プロモーションでの利用も安心です。さらに、ジャンル別に探せるので、用途に合ったBGMを見つけやすいです。
さらに、3D素材も提供されており、DimensionやSubstanceといったAdobeの3Dツールと合わせて使用できます。立体的なオブジェクトを簡単に合成できるので、製品パッケージのモックアップなどにも重宝します。
テンプレート素材も豊富で、チラシ、プレゼン、SNS投稿画像などがすぐ作れるデザインベースがそろっています。特にAdobe Expressとの相性がよく、デザインの知識がなくても見栄えのする資料や投稿画像が作れます。
③無料素材とプレミアム素材の違い
AdobeStockにも無料素材があります。が、無料で使えるのは全体の一部に限られます。
特に最近は、登録不要で利用できる「フリーストック」素材が増えており、質の高い無料素材も一部あります。ただし、商用利用の範囲が限られていたり、検索に手間がかかったりと、やや不便な面もあります。
一方、プレミアム素材は、プロが厳選した特別なコンテンツです。被写体の表情やライティング、構図に至るまで完璧に設計された写真や、企業向けにデザインされたテンプレートなどが含まれます。価格は1点ごとにクレジットを消費する形が多く、無料素材よりも当然ながらコストはかかります。
しかし、著作権の安全性や仕上がりの完成度を考えると、プレミアム素材を使う価値は十分にあります。実際、広告代理店や映像制作会社ではプレミアム素材がスタンダードになっています。
以下に、無料素材と有料素材の違いをまとめました。
項目 | 無料素材 | プレミアム素材 |
---|---|---|
価格 | 無料 | クレジット/サブスク消費 |
商用利用 | 制限あり(確認が必要) | ほぼ制限なし(明記あり) |
品質 | 中〜高 | 高(プロ仕様) |
探しやすさ | やや探しづらい | フィルターやカテゴリで簡単に検索可能 |
このように、目的に応じて使い分けることで、Adobe Stockの真価を引き出せます。
質と信頼性を求めるなら、プレミアム素材の導入は有力な選択肢になるでしょう。
3. 使い方をやさしく解説!初心者でも安心
AdobeStockを使ってみたいけど、「どうやって始めればいいの?」という不安を持つ人は少なくありません。
とくにAdobe製品に不慣れな方にとっては、手順が複雑に感じることもあります。
この章では、AdobeStockとは?に続いて、基本的な使い方。そして、便利な検索機能、そしてアプリ連携のポイントを解説します。
①アカウント作成から素材ダウンロードまで
まずAdobeStockを使うには、Adobeアカウントが必要です。
すでにPhotoshopやIllustratorなどのCreative Cloud製品を使っている人であれば、そのアカウントでそのままログイン可能です。
Adobe Stockのサイトにアクセスしたら、検索窓から気になるキーワードで素材を検索できます。無料の素材には「無料」と明記されており、有料素材にはクレジットやサブスクの対象であることが表示されます。
気に入った素材が見つかったら、サムネイルをクリックして詳細を確認し、「ライセンス」ボタンを押すだけでダウンロードが始まります。無料素材なら即時ダウンロード、有料素材なら契約プランに応じてクレジットが自動的に差し引かれます。
素材はJPEGやAI(Illustrator)形式など、使用するアプリに応じた形でダウンロードできます。ファイル形式は事前に表示されるので安心です。
②検索方法とAI検索(Adobe Sensei)
Adobe Stockでの素材探しは、検索スキルがカギになります。
とはいえ、単なるキーワード検索だけではありません。Adobe独自のAI技術「Adobe Sensei」が、使いやすさを大きく高めています。
たとえば、特定の写真の「構図」や「雰囲気」が気に入った場合、同じようなテイストの素材をワンクリックで探すことができます。これが「類似画像検索」機能です。イメージに近い素材を感覚的に探せるので、抽象的なアイデアにも対応できます。
さらに、「被写界深度」や「空白スペースの有無」「被写体の方向」など、デザイン上重要な要素でフィルタリングすることも可能です。これは広告やWebデザインなどで「文字を入れたい場所が空いている画像がほしい」といった、プロ特有のニーズに応えるための機能です。
こうしたAI活用のおかげで、「ぴったりの素材が見つからない」という従来のストックサイトでの悩みが大幅に軽減されています。
③Creative Cloudとの連携で効率UP
AdobeStockの真価とは、Creative Cloudとの連携にあります。
これは他のストックサービスでは得られない圧倒的な強みです。
Photoshop、Illustrator、Premiere Pro、InDesignといったAdobe製品の中から、直接Adobe Stockの素材を検索し、そのままドラッグ&ドロップで配置することができます。さらに、編集もリアルタイムで行え、必要に応じて別形式で保存も可能です。
また、CCライブラリ機能を活用すれば、チーム内で素材を共有したり、複数のプロジェクトで同じ素材を使い回したりすることも簡単にできます。これはデザイン業務の効率を格段に高めるポイントです。
特に社内デザイナーや広告代理店のように、複数人でプロジェクトを回している現場では、連携機能の有無が作業効率に直結します。他のストックサービスではいちいち素材をローカルに保存して、再配置して……という手間がかかるので、この点は大きな差となります。
つまり、AdobeStockとは「探して使うだけの素材集」ではありません。
「ワークフローに組み込めるクリエイティブツールの一部」なのです。
4. 安心して使える?ライセンスと商用利用の基礎知識
どれだけ良い素材が揃っていても、ライセンスの不安があると安心して使えません。
特に商用利用を考えている人にとっては、「あとからトラブルにならないか?」が最大の懸念点になります。
結論から言うと、AdobeStockとは、商用利用を前提に設計されたサービスです。そのため、著作権の処理もしっかりしています。ただし、すべてのケースで無条件に使えるわけではありません。用途によってはライセンスの内容を理解し、正しく使う必要があります。
ここでは、「ロイヤリティフリーってなに?」「どこまでOK?」「禁止事項は?」といったよくある疑問を、わかりやすく解説します。
①ロイヤリティフリーとは?
AdobeStockの素材は、基本的に「ロイヤリティフリー(RF)」ライセンスで提供されています。
これは、一度ライセンスを購入すれば、何度でも追加費用なしで使えるという意味です。たとえば、Webサイトに使った素材を、あとでパンフレットにも転用することができます。
ただし、これは「無料で何でもできる」という意味ではありません。素材そのものを再販したり、他人にそのまま配布することはできません。また、商標登録やロゴへの組み込みも制限されるケースがあります。
つまり、ロイヤリティフリーとは「買い切り型」のようなもの。使う権利は得られるけど、所有権や無制限の再配布権までは含まれないのです。
②商用利用時の注意点(印刷・広告・YouTube等)
AdobeStockの素材は、基本的に商用利用が可能です。
企業広告、Webサイト、販促物、YouTube動画など、幅広い用途に使えます。ただし、用途や素材の種類によっては、追加のライセンスが必要になる場合もあります。
使用例(用途) | 標準ライセンスで利用可 | 拡張ライセンスが必要 |
---|---|---|
自社Webサイトやバナー広告 | 〇 | – |
社内資料・プレゼン資料 | 〇 | – |
YouTube・SNSの投稿動画(広告収益も含む) | 〇 | – |
Tシャツやカレンダーなど「販売目的の製品」 | × | 〇 |
ポスターなど、素材が中心となる形での使用 | × | 〇 |
非常に高アクセスが見込まれる用途(大規模配布など) | × | 〇 |
このように、使用の「規模」と「目的」によって、どこまでがOKなのかが変わってきます。
知らずに使ってしまうと、後から削除要請や法的トラブルになることもあるので、事前に確認しておくことが大切です。
③クレジット表記は必要?禁止事項もチェック
AdobeStockの素材を使うとき「作者名を書かないといけないの?」という質問があります。
基本的にクレジット表記は不要です。商用利用でも、出典や作者名の記載義務はありません。
ただし、素材の中に人物が写っている場合などは、誤解を招く使い方には注意が必要です。たとえば、「この人が自社の社員です」と誤認させるような使い方や、誹謗中傷・政治的・宗教的な文脈での使用は禁止されています。
また、次のような行為は禁止されています。
禁止事項
- 素材を再販売する(加工していてもNGな場合あり)
- ロゴや商標として登録する
- アダルト・暴力的なコンテンツに使う
- 誤解を生む演出(医師の写真を使って「この人が監修しています」と見せる等)
これらは、すべてAdobe Stockの利用規約に明記されています。
もし不安がある場合は、Adobeの公式サポートやヘルプガイドで確認するのが安全です。
5. Adobe Stockと競合サイトの比較

Adobe Stockのほかにも、メジャーな素材サイトがあります。
たとえば、PIXTA、Shutterstockなどが、素材サイトとして有名です。
さらに、近年注目を集めるenvato elements(エンバト エレメンツ)も利用者を増やしています。
そこで、Adobe Stockと競合ストック素材サイトのサービス内容を比較してみました。
素材サイト | 最低料金 |
---|---|
Adobe Stock | 3,828円(10点/月)~ |
envato elements | 約1,800円~2,000円(個人プランの場合) |
PIXTA | 1,980円(3点/月)~(画像定額制プランの場合) |
shutterStock | 3,500円(10点/月)~(画像定額プランの場合) |
Adobe Stockとは ①競合他社との料金比較
料金について比較すると、PIXTAやShutterstockの方がAdobe Stockよりも安く見えます。
しかし、PIXTAとShutterstockは画像のみのプランで、動画などは別に契約が必要です。
PIXTAは、ストック素材10点で6,380円/月なので、Adobe Stockの割安感が目立ちます。
この中で最も料金が安いのは、envato elementsです。年間契約での月額料金は16.5USドルです。日本円にすると約1,800円~2,000円程度なので、このなかでは割安感を感じます。
Adobe Stockとは ②素材点数の比較
取り扱うストック素材の点数で比較してみましょう。
素材サイト | 点数 |
---|---|
Adobe Stock | 2億7,000万点以上 |
envato elements | 5,800万点以上 |
PIXTA | 7,270万点以上 |
Shutterstock | 4億点以上 |
最も多いのはShutterstockで、4億点以上。2位のAdobe Stock、2億7,000万点以上です。

それでも膨大なストック素材点数ですね
料金の安さが目立ったenvato elementsは、競合の中では、5,800万点以上と最も少ない結果でした。
が、日々ストック素材が追加されて増え続けている点、ワードプレスのテーマやプレゼン用パワーポイント素材などがある点で、競合サイトとの差別化が図られていました。
Adobe Stockとは ③強みの点での比較
各ストック素材サイトの強みの点を比較してみましょう。
率直に言って、写真や画像をメインする場合なら、Adobe Stockだけでなく、PIXTAやShutterstockも有力候補だと思います。
素材サイト | 強み |
---|---|
Adobe Stock | ・比較的費用が安い ・Adobeアプリとの連携抜群 |
envato elements | ・コスパ最強 ・動画テンプレートなど便利なストック素材も使い放題 |
PIXTA | ・日本向けのストック素材が多い |
Shutterstock | ・素材点数が多い ・写真や画像に強い |
おすすめのポイントは?
- Shutterstock=ボリューム重視の方にオススメ
- PIXTA=日本向けの素材が欲しい人にオススメ
- envato elements=コスパ重視の人にオススメ
6. Adobe Stockとは?まとめ

Adobe Stockは、決して「安くて気軽なストックサイト」ではありません。
しかし、だからこそプロの現場で支持されているのも事実です。
豊富で高品質な素材、Adobe製品との圧倒的な連携、そして安心して商用利用できるライセンス設計。これらが揃ったストックサービスは、他にはなかなかありません。
料金がやや高めという声もありますが、そのぶん「探す手間」「権利関係の不安」「クオリティのブレ」といったコストを省くことができます。
本記事が、あなたにとってAdobe Stockを選ぶべきかどうかの判断材料になれば幸いです。必要な人にとっては、間違いなく「費用以上の価値がある」サービスです。
今回も最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!