MovieとVideoの違いは?どう使い分ければいいの?
英語の勉強や仕事で映像の表現を使うとき、「movieって何となく“映画”?」「videoってカジュアルな感じ?」とモヤモヤしたことはありませんか?
似ているようで違うこの2つの単語、実は英語圏ではまったく別の意味で使われています。
そこで、今回の記事では、
この記事で分かること
- movieとvideoの語源・意味・使い分けの決定的な違い
- 映画・SNS・ビジネスなど、シーン別の使い分けガイド
- 英語圏ネイティブが感じているニュアンスの違い
- 誤用を避けるためのチェックポイントと表現のコツ
など、英語表現としての「映像用語の違い」を徹底解説。
英語を正しく伝えたい人、映像やコンテンツ制作に関わる人は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。

執筆者
この記事は、動画制作・デザインを手がける統合クリエイティブスタジオ|ワイラボの代表が執筆しています。普段は企画やディレクションの立場から、現場チームと連携して、デザインディレクション、イラスト制作、映像制作に関わっており、その経験から得た視点で、分かりやすさを心がけてお伝えします。
1. MovieとVideoの違い|一言でいうと?
日常会話やビジネスの現場で、「movie」と「video」は頻繁に使われます。
ですが、この2つの言葉の違いを正確に説明できる人は意外と少ないかもしれません。
この章では、まず最もシンプルな違いを「結論」から伝え、例を交えながら具体的に解説します。
MovieとVideoの違い ①結論:movieは「作品」、videoは「記録や媒体」

結論から言えば、「movie」はストーリーや演出を持つ完成された作品を指します。
一方で「video」は、記録や素材、もしくは技術や形式を表す媒体的な意味合いが強いです。
たとえば、映画館で上映されるのは「movie」。監督や脚本家が関わり、明確な構成があるためです。逆に、スマホで撮った家族の様子やSNSに上げる短い映像は「video」に分類されます。
この違いは、制作意図や視聴体験に関係します。「movie」はエンターテインメントとしての魅力や作品性を前提にしていますが、「video」は「映像として記録されていること」自体が中心です。つまり、目的の有無や表現の深度が分かれ目になります。
以下の表は、両者の違いを一目で理解できるように整理したものです。
| 項目 | movie | video |
|---|---|---|
| 意味 | 作品・映画 | 映像素材・記録・媒体 |
| 目的 | ストーリーを伝えること | 記録・情報伝達 |
| 形式 | 長編・演出あり | 短編・演出なし〜簡易編集 |
| 使用例 | 映画館、Netflix、映画祭 | YouTube、スマホ、監視カメラ |
| 英語圏の印象 | 芸術性・娯楽性が高い | 実用的・日常的 |
このように、本質的な違いは「意図された作品か、それとも記録的な映像か」にあります。
MovieとVideoの違い ②例:映画館で見る=movie、スマホで撮る=video

違いをさらに明確にするために、具体的な例をいくつか紹介します。
まず、「映画館で上映される映像」は典型的なmovieです。脚本があり、俳優が演じ、観客に感動や驚きを与える構成が整っています。NetflixやAmazon Primeで観るハリウッド映画も同様にmovieと表現されます。芸術作品であったり、娯楽性が高いものは、ほぼすべてがmovieです。
一方で、スマホでペットを撮影した映像や、友人との旅行風景を記録した映像。これらは「video」に該当します。長さは短く、編集も簡易的。視聴者にストーリー性を伝えるというよりは、瞬間的な共有や記録が目的になっています。
また、ビジネスの現場でも使い分けは重要です。製品紹介や社内研修で使う映像は、多くの場合「video」です。
内容が事実ベースであり、作品というより情報提供を目的としているからです。
このように、どこで・何のために使うかによって、適切な用語は変わります。
MovieとVideoの違い ③使い分けが重要な理由

この違いを知らずに使ってしまうと、思わぬ誤解を生むことがあります。
たとえば、YouTubeにアップした日常の動画を「movie」と紹介した場合、ネイティブスピーカーには「映画並みに完成度の高い作品」と誤解される可能性があります。
逆に、映画を「video」と言ってしまうと、相手には「ただの記録映像」や「低クオリティなもの」と受け取られることがあります。特に英語圏では、言葉のニュアンスに敏感な人が多いため、こうした誤用は信頼性を損ねる要因になり得ます。
また、映像制作やマーケティングなど、プロの現場では言葉の使い分けが常識です。企画書やプレゼン資料でも、「movie」と「video」を適切に使い分けていないと、相手に稚拙な印象を与えるかもしれません。
2. MovieとVideoの違い|それぞれの語源と定義の違い
「movie」と「video」は、どちらも「映像」を指す言葉ですが、その背景には大きな違いがあります。
語源を知ることで、それぞれの言葉が生まれた経緯や意味の本質が見えてきます。
単なる言い換えではなく、文脈に応じて適切に使い分けることができるようになるために、語源と定義を深く掘り下げていきましょう。
①「movie」:motion picture(動く絵=映画)に由来

「movie」は「motion picture(動く映像)」を略した言葉です。
つまり、静止画が連続して動いて見える「映画」という概念から生まれました。元々はアメリカ英語で使われ始めた口語表現です。
この言葉が一般化した背景には、映画の大衆化があります。20世紀初頭、映画館に行くことが娯楽として浸透する中で、「motion picture」は長くて言いにくいという理由から、「movie」という略語が一般的に使われるようになりました。
重要なのは、「movie」にはストーリー性・演出・時間的な構成が含まれていることです。ただの映像ではなく、見る人に感情を動かすことが目的であるという点で、他の映像とは一線を画しています。
現在では、「映画を観る=watch a movie」という表現が定着しています。「映画館で見る」「感動する」「泣ける」といった体験と深く結びついているのが「movie」なのです。
②「video」:ラテン語「見る」に由来し、記録媒体の意味合い

「video」は、ラテン語の「videre(見る)」という動詞が語源です。
つまり、「見るためのもの」「視覚的に伝える手段」という意味合いが根本にあります。
1960年代から70年代にかけて、VHSやビデオカメラといった家庭用録画機器の普及によって、「video」という言葉が一気に一般化しました。録画・再生ができる機械に関連付けられたため、「video」は「記録された映像」や「再生可能な媒体」として使われるようになったのです。
映画と違い、videoは必ずしもストーリーがあるわけではありません。プレゼン資料や監視カメラの映像もvideoです。スマホで撮った日常の記録や、リモート会議の映像も同様にvideoに含まれます。
③「film」:芸術的・伝統的な映画作品を指す表現

「film」は、もともと「薄い膜」や「フィルム素材」を意味する言葉でした。
昔の映画はフィルムに光を焼き付けて作られていたため、その素材の名前が作品そのものの呼び名になったのです。
現在でも「film」は使われていますが、その意味はやや限定的です。特にイギリス英語では「映画」の意味で使われますが、アメリカ英語では「movie」の方が一般的です。
ただし、英語圏において「film」はややフォーマルで芸術性が高い響きを持ちます。たとえば、「film festival(映画祭)」という言葉は、一般的なエンタメ映画だけでなく、芸術的価値の高い作品や短編映画などが出品される場面で使われます。
つまり、「film」は素材起源の言葉でありながら、現在では芸術性や文化的背景を強調する表現としての役割を持っています。
以下に3つの単語の定義と使われ方の違いを整理しました。
| 単語 | 起源 | 現在の意味 | 使用される場面 |
|---|---|---|---|
| movie | motion picture(動く絵) | ストーリーのある娯楽作品 | 映画館、ストリーミング、レビューなど |
| video | ラテン語 vedere(見る) | 記録や再生可能な映像 | SNS、YouTube、ビジネス資料、監視映像 |
| film | フィルム素材 | 芸術性の高い映画 | 映画祭、ドキュメンタリー、短編映画 |
それぞれの語源と意味を理解しておくことで、文脈に合った適切な表現ができるようになります。
3. 日本語で使われる『映像』『動画』は?|MovieとVideoの違い
「movie」と「video」を、日本語に置き換えたときに「映像」「動画」とどう結びつくのか?は、意外とあいまいです。
特に日本語ではこの2つの言葉が混在して使われるため、誤解を生みやすい部分でもあります。
ここでは、日本語における「映像」と「動画」の違いを深掘りします。
①「動画」=Web配信やSNSで見る短い映像

現代の日本語で「動画」といえば、多くの人がスマートフォンで観る短い映像。
または、YouTube・TikTokなどに投稿されたクリップを思い浮かべるでしょう。実際、この「動画」という言葉は、インターネットと深く結びついた使い方をされています。
本来、「動画」とは「動く画像」の略であり、「静止画」に対する言葉です。ですが、2000年代以降、YouTubeの台頭やスマホカメラの進化によって、一般ユーザーが気軽に映像を撮影・投稿できるようになりました。その結果、「動画」はより短く、カジュアルな映像を指す言葉として定着してきました。
たとえば、旅行の様子を記録したクリップ、猫がジャンプする瞬間、料理のレシピを紹介する1分動画などが代表例です。これらは基本的に情報の提供や娯楽が目的で、映画のようなストーリー性や芸術性は求められていません。
つまり、「動画」は現代の日本において、ネット時代の映像表現として生まれ変わった言葉とも言えます。
②「映像」=よりフォーマルで芸術的な作品やテレビ放送

一方で「映像」という言葉は、「動画」よりもフォーマルで広義に使われることが多いです。
たとえば、テレビ番組や映画、ドキュメンタリー、ニュース映像などを含め、コンテンツの完成度が高いものに使われやすい傾向があります。
歴史的に見ても、「映像」は1970年代から使われてきた言葉で、当時はテレビや映画、教育資料などを指していました。大学の授業や企業研修などでも「映像教材」という言葉が使われていたことからも、そのフォーマルさがうかがえます。
また、「映像作品」と言えば、撮影・編集・演出が施された完成度の高いコンテンツを指します。CMやアート作品など、意図を持って構成されたビジュアル表現を「映像」と呼ぶことで、受け手に「作品としての意識」を与える効果もあります。
③ 混用の実態とその背景:言葉の曖昧さと普及スピード

ただし、現実には「動画」と「映像」は、MovieとVideoの違いと同様に混在して使われています。
SNSでも「映像を投稿しました」と書く人もいれば、「動画をアップしました」と言う人もいます。さらに、テレビCMの紹介文でさえ「動画公開中!」という表現を使うことがあります。
なぜこのような混用が起きるのか。それは、言葉の意味が進化している途中だからです。インターネットの発展によって、映像コンテンツのあり方が一気に多様化しました。それに対して、言葉の定義や使い方が追いついていないのです。
さらに、企業やメディアによっても使い分けが異なります。制作会社では「映像制作」という言葉がよく使われ、YouTubeの運用会社では「動画マーケティング」という表現が定着しています。これは、業界ごとの慣習やターゲット層に応じて言葉を変えているからです。
結果として、多くの人が「どちらでもいい」と感じるようになり、意味があいまいなまま使われているのが現状です。
以下、実際の使われ方の違いをまとめました。
| 日本語表現 | 主な使われ方 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 動画 | SNS投稿、短尺映像、YouTube | カジュアル・個人向け |
| 映像 | 映画、CM、テレビ番組、教材 | フォーマル・芸術性や完成度を重視 |
4. MovieとVideoの違い|具体的なシーン別ガイド
ここまでで、「movie」「video」「映像」「動画」の違いを概念的に整理してきました。
しかし実際の現場では、「この場合はどっちを使えばいいの?」と迷う場面が多くあります。
この章では、日常生活・仕事・発信など、よくある具体的なシーンに解説します。
①映画レビューや映画館の紹介 → movie / film を使う
映画館で上映されている作品を紹介する場合は、「movie」や「film」を使うのが正解です。
たとえば、「この映画は泣ける!」という感想を英語で言うなら “This movie is so emotional.” のような表現になります。
「movie」はカジュアルな口語で、アメリカ英語圏ではもっとも一般的です。一方「film」は、よりフォーマルで芸術性が高い印象を与えます。たとえば、「カンヌ国際映画祭で受賞したfilm」というように、文化的・専門的な文脈で使われることが多いです。
映画レビューを書くときに「video」を使ってしまうと、受け手に「YouTubeにアップされた自主制作映像かな?」と思われてしまうかもしれません。つまり、映画としての完成度や芸術性を伝えたいなら、「movie」または「film」を選ぶべきです。
②スマホ撮影やYouTube投稿 → video を使う
スマートフォンで日常を撮影したり、YouTubeに動画を投稿したりするシーン。
ここでは、「video」を使うのが自然です。たとえば「子どもが歩いた瞬間を撮った」「ランチの様子を撮って投稿した」など、記録性が重視される場面です。
この場合、「movie」と表現してしまうと、相手に過剰な期待を持たせてしまう可能性があります。とくに英語圏の読者に向けて「Check out my new movie!」と投稿すると、「短編映画?」と誤解されることがあります。
一方で、「Check out my new video!」であれば、YouTubeやSNSでよく見られる日常の短尺映像として受け止められます。自然な表現として安心して使える単語です。
最近では、TikTokやInstagramリールなど、さらに短い「ショート動画」も普及しています。これらもすべて「video」と呼ぶのが適切です。
あくまで「素材」や「コンテンツ」としての映像であることが強調されるためです。
③企業向けプレゼン資料や広告 → contextにより使い分け
企業が制作するコンテンツでは、MovieとVideoの違いは、文脈によって違います
たとえば、会社紹介映像や商品プロモーション動画など、構成や演出に力を入れたコンテンツなら「corporate movie」という表現が使われることもあります。
ただし、一般的には企業が制作・配信する映像は「video」と呼ぶことが多いです。たとえば、社内研修用の映像、サービス説明、インタビュー形式の紹介などは「video」として分類されます。これは、これらの映像があくまで「情報伝達」や「実用目的」で制作されているからです。
一方、ブランディング目的で感動的なストーリーを交えたCMやPR映像などでは、「movie」の方が響きとしてふさわしい場合もあります。受け手に「これは作品としての価値がある」と印象づけたいときに効果的です。
以下に、ビジネスシーンでの使い分けをまとめた表を掲載します。
| シーン | 適切な表現 | 理由・補足 |
|---|---|---|
| 商品紹介・操作説明 | video | 実用的・機能説明が中心 |
| 感動系ストーリーブランディング | movie | 映画的な構成・感情訴求が強い |
| 研修・マニュアル映像 | video | 記録・再生可能な教材 |
| 映像広告・CM | 両方使われる | コンセプトや業界慣習によって異なる |
つまり、企業コンテンツの場合は「完成度」や「目的」に応じて柔軟に判断する必要があります。受け手に伝えたい印象を明確にした上で、適切な言葉を選ぶことが重要です。
5. 英語圏でのニュアンスの違いを知る
MovieとVideoの違いは、意味だけでなく、英語圏での感じ方=ニュアンスにも違いがあります。
日本語ではあいまいに使われがちです。が、英語話者の間では言葉の選び方が受け取り方に大きく影響します。
この章では、英語ネイティブがそれぞれの言葉に対して持っている印象を解説します。
①video:日常的、記録用、やや軽めの印象
「video」は英語圏でもっとも広く使われる言葉です。
が、そのぶん意味が広く、日常的な映像を指すことが多いです。例えば、友人がスマホで撮った子どもの様子、学校の授業で見せる教材、会議の録画、さらにはTikTokやYouTubeなどの短編コンテンツまで、どれも「video」に含まれます。
この単語には、「記録」「情報共有」「一時的なコンテンツ」といった印象が強くあります。英語話者が「I watched a video」と言った場合、多くは短くて気軽に見られる映像を意味しています。映画のように没入して観るものではなく、「ちょっとした映像を見た」くらいのニュアンスです。
つまり、「video」は実用性や日常性を重視した言葉であり、フォーマルさや芸術性はあまり感じられません。
②movie:エンタメ性が強く、ストーリー性が重視される
「movie」は「観ることが目的の作品」を意味します。
感情を動かしたり、ストーリーに引き込まれたりするエンタメ性が前提にあるのが特徴です。
英語圏では、「Let’s go to the movies」という表現が定着しています。これは「映画館に行こう」という意味で使われ、娯楽としてのニュアンスがはっきりと含まれています。また、「movie night」や「favorite movie」などの表現も頻繁に使われ、プライベートな時間に楽しむ娯楽として位置づけられていることがわかります。
このように、「movie」は感動や興奮を期待して観るものです。編集や演出、ストーリー構成がしっかりしていて、視聴者の体験が重視されます。反対に、単に情報を伝えるだけの映像を「movie」と呼ぶことはまずありません。
さらに、子ども向けアニメでも映画館で上映されるものであれば「animated movie」、スリラーなら「horror movie」となり、ジャンルごとに細分化されています。
つまり、「movie」は完成されたエンターテインメント作品という位置づけなのです。
③film:芸術的・専門的、映画祭での使用が一般的
「film」は、「movie」よりもさらにフォーマルで芸術的な響きを持ちます。
映画関係者や批評家、アカデミックな場面ではこちらの言葉が好まれることが多く、文化的・歴史的な背景が強調される表現です。
例えば、「He’s a film director」と言えば、単なる娯楽映画ではなく、芸術性や社会的テーマに向き合った作品を撮る監督であることが伝わります。また、「independent film」や「short film」といった表現も一般的で、これらは映画祭などでよく使われます。
「film」はまた、イギリス英語では「movie」より一般的に使われる傾向があります。アメリカでは「movie」がカジュアルな日常語ですが、イギリスでは「film」が広く使われており、「What’s your favorite film?」という会話も自然です。
このように、「film」は芸術性・社会性・専門性を感じさせる表現です。言葉をどう選ぶかによって、話のトーンや相手の印象も変わってくるのです。
以下に、英語圏でのニュアンスを比較した表をまとめました。
| 表現 | ニュアンス | よく使われる場面 |
|---|---|---|
| video | 気軽・日常・記録・汎用的 | YouTube、教育、会議、SNS |
| movie | 娯楽・感情的・エンタメ作品 | 映画館、家庭での視聴、ストリーミング |
| film | 芸術・フォーマル・専門性 | 映画祭、評論、ヨーロッパ圏 |
特に英語では、微妙なニュアンスの違いが「伝わり方」に直結します。
6. 間違った使い方を避けるためのチェックポイント
「movie」「video」「film」の違いは、会話や文章の中でも、うっかり誤用してしまいます。
特にSNSやビジネスでの発信では、言葉の使い方ひとつで印象が変わるため、注意が必要です。
この章では、間違いやすいポイントを具体例で紹介しながら、正しい言い換えや判断基準を解説します。
①誤用例:YouTubeの投稿を「movie」と紹介してしまう
YouTubeやInstagramに投稿した動画を、「movie」と表現していないでしょうか。
たとえば、「Check out my new movie!」という書き出し。これを見た英語話者は、「自主制作の短編映画?」「脚本や演出がある本格的な作品?」と受け取る可能性があります。
しかし、実際は1分ほどの旅行記録やペットの映像など、日常的なコンテンツであることがほとんどです。このような場合、「movie」は明らかに不自然で、むしろ過剰な表現になります。
適切なのは「video」です。「Check out my new video!」と言えば、YouTubeやSNSでよく見られる短尺コンテンツとして自然に伝わります。視聴者も内容を過度に期待せず、カジュアルに楽しんでもらえます。
特に海外に向けた発信では、こうした細かいニュアンスが重要です。
②正しく使うコツ:「目的」と「受け手の文脈」で判断
誤用を避けるには、「その映像が何のために作られたか?」「誰に向けて見せるのか?」を基準に判断します。
つまり、「目的」と「文脈」です。
映像にストーリーや演出があり、見る人に感動や驚きを与えることが目的なら「movie」。一方、情報の記録や共有、資料としての意味合いが強ければ「video」が適切です。さらに、芸術性や社会性を持たせたい場合には「film」がふさわしいでしょう。
たとえば、企業の紹介映像を例に考えてみましょう。採用活動用に感動的な社員インタビューを構成した映像なら「corporate movie」。一方、操作手順を説明する動画マニュアルなら「instructional video」です。
また、受け手の立場も重要です。カジュアルなSNS投稿なら「video」で十分ですが、業界誌や専門誌の記事であれば、「film」や「movie」の方が信頼性や完成度の高さを伝えることができます。
このように、目的と文脈に合わせて言葉を選ぶことが、誤用を避ける最短ルートです。
③表現に悩んだら「video」で広くカバーできる
どうしても使い分けに迷ったとき、もっとも無難で安全なのが「video」です。
理由はシンプルで、「video」は意味が広く、日常からビジネスまで幅広いシーンに対応できるからです。
特に以下のような場面では、「video」を使うことでリスクを避けつつ、適切な伝え方ができます。
- SNS投稿やYouTubeアップ時
- 教育や研修用の映像
- プロモーション資料での簡易説明
- 初対面の相手とのやり取り
「movie」や「film」は、芸術性や作品性がある映像に使うべき言葉です。そのため、安易に使うと「過剰なアピール」や「自画自賛」と取られることもあります。
一方「video」は、評価や感情を込めずに事実だけを伝える言葉として非常に便利です。表現を控えめにしたいとき、内容よりも伝達や記録が目的のときは、とりあえず「video」にしておけば間違いないといえるでしょう。
以下に、判断に迷ったときの目安を簡単にまとめます。
| 判断軸 | movie | video | film |
|---|---|---|---|
| 演出・脚本 | あり | なし/最小限 | あり(芸術性高) |
| 対象読者 | 一般観客 | SNS・業務用 | 映画評論・専門家 |
| 発信の目的 | 感動・娯楽 | 記録・説明 | 芸術性・文化的 |
| 迷った場合の推奨 | ✕(誤解の元) | ◎(安全策) | △(専門的すぎる) |
誤用を完全に避けるのは難しくても、意識するだけで表現の質は大きく変わります。
英語でも日本語でも、「伝え方」は内容と同じくらい大切なのです。
MovieとVideoの違いは?まとめ
「movie」と「video」、そして「film」。
それぞれの意味や背景、ニュアンスの違いは、意外と深く、間違えると誤解を生むこともあります。
この記事では、それらの違いを語源から、実際の使用シーンまで徹底的に解説しました。
言葉を正しく選ぶことで、相手に伝わる印象は大きく変わります。特に英語では、その微妙なニュアンスが信頼性や説得力を左右する重要なポイントになります。
ぜひこの記事を参考に、あなたの発信や英語表現に活かしてみてください。
もし今後、「この表現って合ってるかな?」と迷うことがあれば、またこの記事に戻って確認してもらえたら嬉しいです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!







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