イラストレーターのパスとは?どうやって描くのが正解なの?
イラストレーターを使い始めたけど、「線がうまく引けない」「図形が変になる」そんな悩みはありませんか?パスの仕組みがわからないと、操作が思い通りにいかず、イライラしがちです。
そこで、今回の記事では、
この記事で分かること
- イラストレーターのパスとは?をわかりやすく解説
- 直線・曲線の描き方から編集・応用テクまで網羅
- 初心者がつまずきやすいポイントと対処法もカバー
など、「パスって何?」が「なるほど、そういうことか!」になる内容を丁寧に解説します。
イラストレーター初心者でも、この記事を読めばパス操作の基本から応用まで一通り理解できるようになります。ぜひ最後まで読んでみてください!

執筆者
この記事は、動画制作・デザインを手がける統合クリエイティブスタジオ|ワイラボの代表が執筆しています。普段は企画やディレクションの立場から、現場チームと連携して、デザインディレクション、イラスト制作、映像制作に関わっており、その経験から得た視点で、分かりやすさを心がけてお伝えします。
1. イラストレーターのパスとは?基本構造を理解しよう
Illustratorで最も基本になるのが「パス」です。
これは、線や図形を作るうえでの土台になります。Photoshopのように“塗って描く”という発想とは違い、Illustratorでは“線を作って形にする”という考え方が中心です。この章では、パスの正体とその構成について、しっかり理解していきましょう。
① イラストレーター パス|混同しやすい用語を整理
イラストレーターでは、丸や三角、四角以外にも、さまざまな形の図形を線で描きます。この図形を構成する要素を『パス』と表現します。
パスは、アンカーポイントと呼ばれる点(端点)を、それぞれセグメントと呼ばれる線でつないで構成します。
用語として混同されやすいものに、オブジェクトとペジェ曲線というものがありますが、オブジェクトは、パスで作成した図形やイラストのことです。また、ペジェ曲線は、パスを作る計算方法のことです。
混同しやすい用語を整理しよう
- パス
=点と点を、線でつないで構成したもの。 - オブジェクト
=パスで作成した図形やイラストのこと - ペジェ曲線
=点と線で構成されるパスの計算方法のこと
② イラストレーターのパス|アンカーポイントとセグメント
イラストレーターのパスは、「アンカーポイント」と「セグメント」2要素で構成されています。
これが他のドロー系ソフトと大きく違う点です。
アンカーポイント
=線の曲がり角や端にあたる部分
セグメント
=アンカーポイント同士をつなぐ線分
つまり、パスは「点と点を線でつないでできるルート」です。
ただし、このルートは“動かせる”という特徴があります。
アンカーポイントをドラッグすれば、線の形が自由自在に変わります。これがIllustratorの強みです。しかも、方向線(ハンドル)を操作すれば、曲線の形も細かく調整できます。
この仕組みのおかげで、ロゴやアイコンのような繊細なデザインが可能になります。
③ イラストレーターのパス|オープンとクローズの2種類
Illustratorで扱うパスには、2種類あります。「オープンパス」と「クローズパス」です。どちらも使い方が違うので、違いを知っておくことはとても大事です。
オープンパスは、始点と終点がつながっていないパスです。たとえば、直線やカーブのような“つながっていない線”がこれに当たります。一方、クローズパスは始点と終点がつながっていて、図形として塗りつぶすことができます。円や四角、星型などの形状がこれです。
どちらも基本的なパスですが、使い道は大きく違います。オープンパスは線で魅せたいときに有効ですが、塗りの処理には向いていません。逆にクローズパスは、面で見せるデザインや配色に使います。
実際の現場でも、オープンパスなのに塗りをかけて「なんか変だな」と悩むケースが多いです。これ、初心者あるあるです。パスが閉じていないと、Illustratorは「どこまで塗ればいいか分からない」ため、意図通りに表示されません。
オープンかクローズかを意識して作るだけで、トラブルの半分は回避できます。地味ですが、とても重要な知識です。
④ イラストレーターのパスを使う意味とは?
Illustratorでパスを使う最大の理由は、「後から何度でも編集できる」ことです。これはラスターデータ(画像)と大きく違うポイントです。
たとえば、Photoshopで線を引いたら、それはただの“ドットの集合”です。あとから曲げる、太さを変えるといった編集は難しくなります。でもIllustratorなら、アンカーポイントやハンドルを動かせば、形は自由に変わります。だからこそ、ロゴや印刷物のような修正の多いデザインには、パスが欠かせません。
しかも、パスは「拡大しても劣化しない」という利点もあります。これはベクターデータならではの強みです。どれだけ拡大しても、常にくっきりキレイな線を保ちます。
Illustratorを使うなら、まずパスから。これは、イラレの最大の武器です。
2. イラストレーターのパスの描き方と操作方法
パスの構造を理解したら、次は実際に「どう描くか?」を身につける段階です。
Illustratorでは、主にペンツールを使ってパスを描きます。正直、最初はかなり難しく感じます。でも一度コツをつかめば、後は感覚的に操作できるようになります。
この章では、基本の直線から、曲線、そしてパスの編集まで丁寧に解説していきます。
① ペンツール

Illustratorでパスを描くとき、多くの人が最初にぶつかるのが「ペンツール」です。
ペンツールを使ったパス作りは、イラストレーターで最も基本的です。
操作は簡単。ペンツールに持ち替えて、アートボード上にクリックするだけでOK。
①−1. ペンツールでアンカーポイントを作る
打ち込まれたポイントを「アンカーポイント」といい、図形や線を描くための基本点になります。

そのまま、別の場所をクリックすると、さらにポイントがもう1つプレスされて、線が描けます。

このように、アンカーポイントを打っていきながら、パスを作って図形や線を描いていきます。
曲線にしたい場合は、アンカーポイントをドラッグします。上下左右に動かすと、線が曲がるけど、思ったような曲線にはなりません。
その時は、部分選択ツールで同じアンカーポイントをクリックして、曲線を調整できます。
①−2. ダイレクト選択ツールでパスの形を調整する

①−3. アンカーポイント切り替えツールで曲線をもっと簡単に
また、ペンツールの中にあるアンカーポイント切り替えツールでも、直線と曲線を切り替えられます。
アンカーポイント切り替えツールにして、同じようにアンカーポイントをドラッグして動かして曲線を描いてください。
図形や線の形を調整したい時は、ダイレクト選択ツールに持ち替えます。アンカーポイントを選択して動かし、目的に合った形に調整してください。
②ハンドルを使ったベジェ曲線のコントロール
.webp)
Illustratorで曲線を描くとき、「ベジェ曲線」という概念が出てきます。
これはハンドルを使って線を滑らかにコントロールする技術です。最初は戸惑いますが、パスの美しさを左右する非常に重要な部分です。
ベジェ曲線は、アンカーポイントに付属するハンドルによって成り立ちます。このハンドルを引っ張ることで、線のカーブ具合が変わります。左右のハンドルを同時に動かすとS字カーブ、片方だけ動かすと曲がり方が非対称になります。
この操作、慣れないうちは“暴走”します。少し触っただけで、線が大きくうねってしまったり、逆に直線になったり。「こんなはずじゃ…」と思うのは、誰もが通る道です。
コツは「小さく動かすこと」です。大きく引っ張ると曲線も極端になります。最初は控えめに、少しずつ調整することを意識しましょう。
もう一つのポイントは、「不要なハンドルは消す」ことです。アンカーポイントをクリックしてハンドルを消せば、線が直線になります。逆に、あとからカーブにしたければ、アンカーポイントツールでハンドルを追加できます。
ベジェ曲線を理解すれば、ロゴや手書き風の線もきれいに描けます。難しいけれど、ここを乗り越えれば一気に表現の幅が広がります。
③イラストレーターのパス編集(追加・削除・変形)の基本操作
描いたパスは、あとから編集できます。
むしろ、Illustratorの強みは「何度でも編集できること」にあります。最初から完璧に描こうとせず、あとから整える前提で進めるとラクです。
アンカーポイントを追加したいときは、「アンカーポイント追加ツール」を使います。削除するときは「アンカーポイント削除ツール」です。追加・削除ともに、自由にパスの形を変えるために使います。
また、ポイントの位置を動かしたいときは、ダイレクト選択ツール(白い矢印)を使います。これを使えば、特定のアンカーポイントやハンドルだけを選択できます。全体ではなく、部分的に形を修正したいときに便利です。
変形に関しては、「拡大・縮小」「回転」「反転」など、変形ツールを使えば簡単です。ただし、変形の中心がズレると、意図しない形になることもあります。操作後は、全体を見てバランスを確認しましょう。
④ 鉛筆ツールについて
「直線やカーブを引く」以外の方法として、鉛筆ツールも存在します。
こちらはペンツールよりも直感的に描けます。が、精度が低く、修正も多くなりがちです。
手描き風のラフ線をサッと描きたいときには便利ですが、正確な形を作るには向いていません。
基本はペンツールを覚えることをおすすめします。
⑤ 自動補正について
もう一つ注意したいのが、意図しない「自動補正」です。
Illustratorのスマートガイドやスナップ機能が働くと、ポイントが思わぬ場所に吸い寄せられることがあります。
うまく活用できれば便利ですが、慣れないうちは「勝手に動く」とストレスになることもあります。そのため、操作に慣れるまでは、スナップ機能を一時的にオフにしましょう。
なぜなら、自分のコントロールで動かせる感覚を持つことが、Illustratorの上達には大切だから、です。
>> イラストレーターの「塗り」と「線」の違いとは?初心者が混乱しがちなポイントを解説
3. イラストレーターのパス|よくある疑問
Illustratorを使っていると、「思い通りにいかない」という瞬間が必ず訪れます。
特にパス操作では、うまく選べなかったり、線がガタガタになったり、原因不明の不具合に感じることも多いです。
この章では、初心者がつまずきやすいポイントを3つに絞って、解説します。
①イラストレーターのパス|思い通りに描けない原因と対処法
「まっすぐ描いたつもりが曲がってしまう」「カーブが暴走する」など、パスの挙動に悩む人はとても多いです。
でも安心してください。それ、あなたの操作ミスではなく、ツールの特徴を知らないだけです。
一番多いのは、ハンドルの使い方が分からないことです。特にペンツールで曲線を描くとき、ハンドルの長さや角度を意識せずにドラッグすると、想定外のカーブができます。コツは、ドラッグを最小限にして、必要ならあとから調整することです。
もう一つの原因は、アンカーポイントの数が多すぎるケースです。細かく打ちすぎると、かえって線がガタつきます。スムーズな線を描くなら、少ないポイントでコントロールするのが鉄則です。
ツール選択のミスもありがちです。例えば、パスを編集したいのに通常の選択ツール(黒矢印)で操作すると、全体が動いてしまいます。部分的に動かしたいときは、必ず「ダイレクト選択ツール(白矢印)」を使いましょう。
最初は思い通りにいかなくて当然です。問題の原因を知り、正しい操作を覚えることで、少しずつ感覚が掴めてきます。
②イラストレーターのパス|曲線がガタつく?スムーズな線を描くコツ
曲線を描いていると、ガタついたり、カクカクした見た目になることがあります。
これは、線の滑らかさを保つための「パス設計」に原因があります。
一番多いのは、アンカーポイントを必要以上に打っていることです。カーブに自信がないからといって、細かく点を打つと、かえって曲線が不自然になります。Illustratorは、少ない点でもなめらかなカーブを描けるよう設計されています。
もう一つは、ハンドルが一直線になっていないことです。ベジェ曲線では、ハンドルの方向がつながっていないと、カーブに段差ができたり、尖った部分が出やすくなります。ハンドルの出し方、向き、長さを意識することで、曲線は格段にきれいになります。
さらに、描いた後に「スムーズツール」でなぞるのもおすすめです。これは曲線をなめらかに整えてくれる便利ツールで、初心者にも扱いやすいです。線を直接描くのが苦手な人は、ラフに描いてから整えるという方法もアリです。
結局のところ、曲線の美しさは「丁寧さ」と「慣れ」の積み重ねです。焦らず、少ないポイントでコントロールするクセをつけることが、最大の近道です。
③イラストレーターのパス|選択できない・つながらないのチェックリスト
「パスが選べない」「つながっているはずなのに塗りができない」――こんな悩みもよく聞きます。
操作が合っているように見えて、実は見落としが原因のケースも多いです。
まず確認すべきは、レイヤーやオブジェクトが「ロック」されていないかです。ロックされていると、選択も編集もできません。また、レイヤーが非表示(目のアイコンがオフ)になっている場合も見落としがちです。
次に、パスの「方向」や「つながり具合」です。クローズパスのはずなのに塗りが反映されないときは、実はわずかにすき間が空いていたり、アンカーポイントが閉じていないことがあります。
パスが複数重なっている場合、選択ツールでうまく選べないこともあります。そんなときは、レイヤーパネルで該当のパスを直接選択すると確実です。
また、グループ化されていると、個別選択がしづらくなります。意図せずグループになっているときは、解除して再編集する必要があります。
以下は、つまずいたときに確認すべきチェック項目です。
| チェックポイント | 内容 |
|---|---|
| ロック/非表示 | 対象オブジェクトが編集可能かを確認 |
| クローズパスの確認 | 始点と終点がしっかりつながっているか |
| ハンドルのずれ | 曲線が意図しない形になっていないか |
| グループ化/重なり | 個別に選択・操作できる状態かどうか |
原因が分からないときほど焦ります。でも、一つずつ順番に確認すれば、ほとんどの問題は解決できます。
トラブル時こそ、冷静なチェックが効果的です。
4. 応用編:イラストレーターのパスを使ったデザインテクニック
Illustratorの強みは、パスを応用して「複雑な形状」や「装飾」を自由に作れることにあります。
この章では、実務で役立つ応用テクニックを3つ紹介します。ロゴ作成・アイコン制作・トレースなどに活かせる内容です。
①パスファインダーとの組み合わせで形を作る
Illustratorで複雑な形を作るなら、「パスファインダー」は欠かせません。
これは複数の図形を合体・切り抜き・分割できる機能で、自由度の高いデザインが可能になります。
たとえば、2つの円を重ねて「重なった部分だけ」を残すとか、四角を丸くくり抜くとか、ロゴ制作や図形デザインで多用されます。基本のパスでは表現しきれない複雑な形状も、パスファインダーを使えば簡単に作れます。
ただし注意点があります。処理を実行すると、元の図形が「アウトライン化」され、あとから再編集しにくくなります。できれば「コピーを残してから処理する」のがベストです。後戻りできるようにしておけば、万が一の修正にも対応できます。
また、パスファインダーは「視覚的に正しく見えても、データが複雑化している」こともあります。印刷やWebでの最適化を考えるなら、処理後に不要なポイントやパスを整理しておくことも大切です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、図形を合体・切断するという発想を持てば、表現の幅が一気に広がります。
②ブラシや線のパターンを使った装飾方法
パスに個性を加えたいなら、「ブラシツール」や「線のパターン」を活用しましょう。
これらを使えば、シンプルな線が一気に装飾的な表現に変わります。
たとえば、鉛筆風・手書き風・波線・点線など、多彩なブラシを選ぶことで、見た目がぐっと柔らかくなります。デジタルっぽさを消したいときに効果的です。
線にパターンを適用するには、線の設定パネルから「ブラシ」を選択します。あとはパスに適用するだけです。曲線でも直線でも対応できますし、パス自体を変えずに見た目だけ変えられるので便利です。
ただし、使いすぎには注意が必要です。装飾が強すぎると、逆に見づらくなることもあります。また、印刷物の場合、細かい装飾はつぶれて見えなくなることもあります。Web用でも、読み込みが重くなることがあります。
ブラシや線の表現は、パスの“味付け”です。メインではなく、あくまで補助的に使うことで、デザインに深みとバリエーションを加えられます。
③トレース・ロゴ制作などの実践的な活用例
Illustratorでパスが扱えるようになると、できることが一気に広がります。
中でも実践的に役立つのが「トレース」と「ロゴ制作」です。
トレースは、写真や手書きの絵を元に、パスで“なぞって”デジタル化する作業です。画像を下絵として配置し、その上からパスで形を追っていきます。これにより、どんな形もベクターデータとして再現できます。
特にロゴ制作では、パスの精度が命です。線の太さやカーブの滑らかさ、アンカーポイントの数まで気を配る必要があります。ここでパスの知識がしっかりしていれば、クオリティの高い仕上がりが期待できます。
さらに、トレースしたデータは拡大・縮小しても劣化せず、名刺からポスター、Webまで幅広く展開できます。これはIllustratorならではの大きなメリットです。
ただし、トレースは根気のいる作業です。微調整が多く、完成まで時間がかかることもあります。でも、それだけに仕上がったときの達成感も大きいです。
パスは、単なる「線」ではなく「自由に形を作れる道具」です。それを理解して応用できれば、表現力は一段階も二段階もアップします。
5. イラストレーターの「パス」とは?まとめ
イラストレーターのパス操作は、最初こそ難しく感じるかもしれません。
が、構造とコツをつかめば、誰でも思い通りの線が描けるようになります。パスの基本を理解していれば、ロゴ作成やイラスト制作、トレースなど、あらゆる制作に応用がきくようになります。
最初は失敗して当たり前です。でも、試行錯誤を重ねるうちに「描くのが楽しい」と思える瞬間がきっと来ます。
今回の記事が、あなたのイラストレーター学習の助けになれば幸いです。分からないところがあれば、もう一度読み返してみてください。理解は必ず深まります。
\まずは7日間無料体験/
>> Illustrator(イラストレーター)の使い方①新規作成|文字入力|写真配置
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!






