アフターエフェクトは、Adobeの動画編集ソフトです。
このアフターエフェクトは、映像の見た目を劇的に変える“魔法のような演出”ができます。
でも、できることが多すぎて、何から手をつけていいのか分からない…という声もあります。
そこで今回の記事では
今回の記事で分かること
- アフター エフェクト できることは?
- 機能や使い道は?
- 自分に向いているか?
- 導入前に知っておくべき注意点、学び方、価格
などをお伝えする記事です。

執筆者
この記事は、動画制作・デザインを手がける「ワイラボ」の代表が執筆しています。普段は企画やディレクションの立場から、現場チームと連携して映像制作に関わっており、その経験から得た視点でお話ししています。
1. アフターエフェクトでできることは?
アフターエフェクトは、「動画に魔法をかける」ソフトと言ってもいいかもしれません。
なぜなら、現実にないシーンを演出加工できるから、です。たとえば、
- 映画の爆発シーン
- おしゃれに動く文字
- イラストのアニメーション
など。そんな演出を実現できるのが、アフターエフェクトだから、です。
では、同じAdobeの動画編集ソフト『プレミア プロ』と違うのか?また、どんなことができて何ができないのか?
- アフターエフェクトの基本概要
- プレミア プロとの違いをカンタンに解説
- どんな人が使うと良い?
この章では、アフター エフェクトとは何か、その特徴や活用イメージを本音で解説していきます。
①アフターエフェクトの基本概要
まず大前提として、アフターエフェクトは実写の動画編集ソフトではありません。
タイムラインはありますが、素材の切り貼りではなく、「動きを加える」「映像を合成する」といった演出を得意としています。
たとえば、爆発や光の表現、3D空間の演出など、見た目のインパクトを作り出すのが主な役割です。
そのため、長尺の編集や音声調整などにはあまり向いていません。
②プレミア プロとの違いをカンタンに解説

「アフターエフェクトとプレミア プロ、何が違うの?」という疑問。ありますよね?初心者なら、誰でもそう思います。
この2つは、どちらもAdobe製の映像系ソフトです。が、得意分野がまったく異なります。
ちょっと表にまとめました。
比較項目 | プレミア プロ | アフターエフェクト |
---|---|---|
役割 | 動画の編集・整理 | 映像の加工・演出 |
得意なこと | カット編集、音声調整、テロップ追加 | モーショングラフィックス、VFX、合成 |
難易度 | 比較的やさしい | 高機能でやや難しい |
使用シーン | YouTube、講義動画、企業PVなど | 映画、CM、MV、SNS動画など |
つまり、
- プレミア プロは「つなぐ・まとめる」
- アフターエフェクトは「魅せる・加工する」
というイメージで覚えるとわかりやすいです。実際の現場では、この2つは、どちらも頻繁に使います。
③どんな人が使うと良い?

アフターエフェクトは、「映像で表現したいことがある人」に向いています。
たとえば
- 印象的なオープニング
- アニメーションで解説する教育動画
- 炎や光の合成が入ったMV
など、です。
つまり、「見た目で魅せる」「細かい演出にこだわりたい」タイプの人にこそ、アフターエフェクトはフィットします。
そこで、次の章では、代表的な「できること7選」を初心者向けに紹介します。
2. アフターエフェクトでできること|初心者向けの3ステップは?
アフターエフェクトで、最初にぶつかる壁。
それは「結局、何から覚えればいいのか分からない」という点です。なぜなら、機能が多すぎて、表現の幅も広いから、です。なので、入口を間違えると「思ってたより難しい…」と感じてしまいがちです。
でも安心してください。最初のステップとして取り組むのにぴったりなジャンルが、ちゃんと存在します。それが
- モーショングラフィックス
- タイトルアニメーション
- 簡単なエフェクト追加
の3つです。
どれも実用性が高く、かつ学習ハードルも比較的低めなので、初心者にとっての最短ルートと言っても過言ではありません。
この章では、それぞれの活用を、ご紹介します。
アフターエフェクトでできること ①文字や図形を動かす「モーショングラフィックス」
モーショングラフィックスは、アフターエフェクトの代名詞ともいえるジャンルです。特別な素材がなくても、テキストや図形だけで映像を成立させることができるのが大きな魅力です。
たとえば、「文字をフワッと浮かび上がらせる」「円がくるっと回転しながら登場する」など、視覚的に楽しい演出が簡単に作れます。特にYouTubeのオープニングやSNSのショート動画などで使われる機会が多く、身近な映像に応用しやすいのもポイントです。
しかも、アフターエフェクトには最初から豊富なプリセットやアニメーションプリセットが用意されているので、それらを組み合わせるだけでも十分にプロっぽい動きが作れます。だからこそ、「まず動かしてみたい」「映像にちょっとしたアクセントを加えたい」と考える人に、モーショングラフィックスはおすすめです。
アフターエフェクトでできること ②第一印象を作る「タイトルアニメーション」
タイトルアニメーションは、映像全体の“第一印象”を左右する非常に重要な要素です。どんなに内容がよくても、タイトルが素人っぽいと、映像の印象もぐっと落ちてしまいます。
アフターエフェクトでは、文字に動きをつけることが得意です。たとえば、スライドして登場するタイトル、分割して浮かび上がるサブタイトル、光の筋が走るような装飾付きのテキストなど、演出の幅は無限大です。
「難しそう…」と思われるかもしれません。が、テンプレートを使えば、編集画面上でテキストを変えるだけ。それだけで、完成度の高いタイトルを作ることができます。
動画編集の仕事でも重宝されるスキルなので、副業を見据えている方にもおすすめできます。
アフターエフェクトでできること ③映像を引き立てる「エフェクト効果」
エフェクトの追加と聞くと、「爆発」「炎」「CG」などを思い浮かべます。でも、最初に扱うべきは、もっとシンプルで扱いやすいエフェクトです。
たとえば、「画面を白くフラッシュさせる」「背景にブラーをかけて被写体を目立たせる」「色調を補正して雰囲気を変える」といったエフェクトは、数クリックで実現できます。こうしたシンプルな効果でも、映像のクオリティはぐんと上がります。
しかも、エフェクトは視覚的に効果が出やすいです。なので「やってる感」も得られやすく、モチベーションが保ちやすいです。
アフターエフェクトにはデフォルトで何十種類ものエフェクトが搭載されています。まずはその中から気になるものを試してみるのがおすすめです。
3. アフターエフェクトでできること7選|ジャンル別
アフターエフェクトには、映像を魅せるための機能が山ほどあります。どれも魅力的で、映像制作の表現力を一気に引き上げてくれるものばかりです。ただし、初心者のうちは「どこまでが自分の守備範囲か」が分からず、機能の多さに戸惑ってしまいがちです。
そこでこの章では、アフターエフェクトで代表的に使われている“できること”を、ジャンル別に7つに絞って紹介します。
いずれもプロの現場でも使用頻度が高いスキルです。
アフターエフェクトでできること ①モーショングラフィックス
モーショングラフィックスは、アフターエフェクトのもっとも代表的なジャンルです。
図形やテキストを動かすだけで、静止画だった画面が一気に表情を持ちます。視覚的に楽しい動きは、広告やSNS動画で特に重宝されます。
活用シーン | 説明 |
---|---|
SNS動画の演出 | テキストや図形をおしゃれに動かし、リールやTikTokに最適な視覚効果を追加 |
ロゴアニメーション | 企業ロゴやブランドマークを印象的に登場させるオープニング用素材 |
インフォグラフィック動画 | データや情報をアニメーションで視覚化し、見やすく伝えるビジュアルプレゼン |
たとえば、ロゴが回転しながら現れる。文字が弾んで登場する。矢印が動いて流れを示す。など、ほんの少しの動きで印象が大きく変わります。
素材がなくてもスタートできるため、初心者でも挑戦しやすいです。
ただし、「動かしすぎて逆に見にくい」という失敗もよくあります。その点注意です。
アフターエフェクトでできること ②映像合成・VFX
映像合成やVFXは、映画やMVでも使うインパクトある演出ジャンルです。
たとえば、空にCGの雷を落とす、背景に爆発を合成する、人の目を光らせるといった効果は、アフターエフェクトで実現可能です。
活用シーン | 説明 |
---|---|
映画やミュージックビデオの特殊効果 | 爆発・炎・煙・雷などのエフェクトを実写映像にリアルに合成 |
グリーンバック合成 | 人物や物体の背景を透過させ、別のシーンや空間と自然に融合 |
空想・非現実表現の映像制作 | 空に浮かぶテキスト、魔法のエネルギー波、近未来的な世界観の演出など |
YouTubeのショートドラマ、VFX系の映像表現を売りにする動画編集者などには、大きな武器となるジャンルです。素材サイトを活用すれば、CGを一から作らずに演出ができるのも魅力のひとつです。
アフターエフェクトでできること ③アニメーション制作
アニメーションと聞くと、絵を何枚も描くイメージがあるかもしれませんが、アフターエフェクトでは違います。キャラクターやイラストのパーツに動きを加えて、自然な動きを表現できるのです。
たとえば、目を瞬きさせる、口を動かす、体を揺らす、ジャンプさせるなど、一つひとつの動きに対して細かく指示を出すことができます。イラストさえ用意できれば、まるでアニメのような動きを生み出すことも可能です。
Vtuberのモーションや、教育系YouTubeのキャラクター解説、広告アニメーションなど、活用シーンは年々広がっています。ただし、動きの自然さを追求するなら、リグ設定や親子構造など、やや高度な技術も必要になります。
アフターエフェクトでできること ④タイトル・テロップ制作
映像の中で文字を使う場面はとても多いです。特に「タイトル」や「テロップ」は、視聴者の注意を集めたり、内容を分かりやすく伝える重要な要素です。アフターエフェクトを使えば、単なる文字が視覚的に魅力的な“演出”へと進化します。
たとえば、タイトルがスッと浮かび上がる、テロップがバウンドしながら表示される、光が流れるような演出が加わることで、映像の印象は劇的に変わります。
YouTube、講義動画、会社のプレゼン資料動画など、どんなジャンルでも「文字をどう見せるか」は重要なテーマです。見やすくて印象に残るタイトル・テロップを作れることは、大きな強みになります。
アフターエフェクトでできること ⑤トラッキング&マスキング
トラッキングとマスキングは、アフターエフェクトならではの「自然に合成するための技術」です。動画にCGを合成する際、ただ貼り付けるだけでは浮いて見えてしまいます。そこで必要になるのが、この“なじませる”ためのテクニックです。
モーショントラッキングを使えば、動いている被写体にエフェクトを追従させることができます。たとえば、人の腕に発光する模様を固定したり、歩いている人物の背後にずっと煙をつけたりと、リアルさがぐっと増します。
一方マスキングは、「見せたい部分だけを表示する」「不要な背景を隠す」などの使い方ができます。人物の後ろから文字が現れる演出など、プロっぽい見せ方にもよく使われます。
初心者にとっては少し操作が細かく感じるかもしれませんが、基本を押さえれば映像表現の幅が一気に広がります。
アフターエフェクトでできること ⑥プラグイン活用
アフターエフェクトの強みは、豊富なプラグインを使って機能をどんどん拡張できる点です。無料のものからプロ向けの有料プラグインまで、多彩なエフェクトやツールが存在します。
たとえば、「Saber」という無料プラグインを使えば、簡単に光のラインやエネルギー波を作ることができます。他にも「Optical Flares」はリアルなレンズフレア、「Element 3D」は3Dオブジェクトを合成するなど、やりたい表現に応じて選べます。
プラグインを使えば、難しいエフェクトも簡単に実現できるので、初心者が「それっぽい演出」を作りたいときには非常に便利です。ただし、英語の説明が多かったり、動作が重くなるリスクもあるので、導入前に調査することも大切です。
プラグインを使いこなせば、「あれ、これどうやって作ったの?」と思われるような映像が、自分の手で再現できるようになります。
アフターエフェクトでできること ⑦ゼロからの映像制作
「映像編集は素材がないとできない」と思われがちですが、アフターエフェクトは違います。図形や文字を一から作り、それらを動かして、まるで自分で世界を作るような感覚で映像を生み出せます。
シェイプレイヤーで作った丸や線を組み合わせて、インフォグラフィック風の動画を作ったり、パーティクル(粒子)を飛ばして幻想的な背景を演出したりと、アイデア次第で表現は無限です。
とくに「自分の表現を一から作ってみたい」「素材探しに時間をかけたくない」人には、この自由さがとても魅力に感じるはずです。素材に依存しない分、オリジナリティの高い作品づくりにもつながります。
もちろん最初は難しく感じるかもしれませんが、できることが増えてくると「自分だけの作品を生み出せる」楽しさを感じられるジャンルです。
4. アフターエフェクトのメリット・デメリット
アフターエフェクトは、映像表現を本気で極めたい人にとっては最強クラスのツールです。
けれど、すべての人にとって“最高の選択肢”とは限りません。なぜなら、高機能なぶん学習コストや作業の重さなど、デメリットもきちんと存在するからです。
この章では、アフターエフェクトを使う上での「良い面」と「不便な点」の両方を、実際のユーザー目線で正直に解説していきます。導入前の不安を払拭する材料として、また「向いてる・向いてない」を見極める参考として、ぜひご活用ください。
①メリット:演出力と自由度は圧倒的。表現したいことを“カタチ”にできる
アフターエフェクト最大のメリットは、「イメージの映像化」の自由度です。
動き、色、光、空間など、細部まで演出できるので、完成した映像に“納得感”が生まれやすいのです。
特にSNS映像や広告、MV、企業プロモーションなど「視覚的インパクト」が求められる場面では、他の編集ソフトと比較して圧倒的な表現力を発揮します。演出が入ることで、同じ内容でも説得力や印象がまったく違って見えるからです。
また、「Premiere Proと連携して使える」という点も魅力のひとつ。映像編集+演出がセットで完結できるので、案件対応や動画制作の幅がぐっと広がります。
②デメリット:操作はやや複雑。パソコンにも“それなりの力”が必要
自由度が高い反面、アフターエフェクトは操作がやや複雑です。キーフレームの概念、エフェクトの組み合わせ、タイムラインの構造など、初心者が最初に戸惑いやすいポイントが多くあります。
加えて、動画にエフェクトをかける=パソコンへの負荷も大きくなるため、ある程度スペックの高いPCが必要です。特に古いパソコンやメモリの少ない機種では、プレビュー再生すらスムーズにいかないこともあります。
さらに、作業量が多いわりに「見た目に現れる成果は一瞬」ということもよくあります。1秒間の演出に何時間もかけることもザラで、根気や忍耐力もそれなりに必要です。
③向いている人・向かない人の特徴
アフターエフェクトが向いているのは、「映像で表現したいものがある人」「細かい作業が苦じゃない人」「じっくり作品を育てたい人」です。コツコツ型のクリエイター気質がある人には、かなりハマります。
一方、向いていないのは、「短時間で編集を終わらせたい人」や「複雑な操作が苦手な人」です。そういった方は、まずはプレミアプロから始めて、必要に応じてアフターエフェクトを部分的に使うという選択もおすすめです。
自分がどんな映像を作りたいのか、そのイメージが具体的にあるほど、アフターエフェクトの真価が発揮されます。
④初心者が挫折しないための対策
アフターエフェクトの挫折ポイントは、「やりたいことはあるのに、やり方がわからない」という状況です。これを回避するには、「まずは小さなゴールを決めて、達成する」ことが何より大切です。
たとえば、「1文字だけアニメーションさせてみる」「既存のテンプレを使ってテロップを作る」など、最初から大作を目指さずに“体験重視”で進めると、自然と理解が深まっていきます。
また、最近はYouTubeやUdemyなどで高品質なチュートリアルが多数公開されており、独学でもかなり学びやすくなっています。無料テンプレートやスクリプトも活用しながら、自分のペースで成長していくのがポイントです。
4.アフターエフェクト|導入前に知っておきたい事前知識
アフターエフェクトは、自由度の高さや表現力の豊富さから「映像クリエイターなら持っておきたい1本」とよく言われます。確かにそれは間違いないのですが、実際には“使いこなせるかどうか”で評価が大きく変わってきます。
つまり、アフターエフェクトが「神ツール」になるか「宝の持ち腐れ」になるかは、使う人次第なんです。だからこそ、導入前に「自分に合っているか?」「どんな落とし穴があるか?」を知っておくことがとても大事です。
ここでは、アフターエフェクトに向いている人・合わない人の特徴、そして実際に使っている人だからこそ分かる“リアルな注意点”について、正直ベースで解説していきます。
①アフターエフェクトはこんな人に向いている
まず結論から言うと、「細かい演出や映像表現にこだわりたい人」は、アフターエフェクトにめちゃくちゃ向いています。たとえば、「文字の出し方ひとつにも個性を出したい」「動画の印象を1秒で変えたい」など、そういったクリエイティブなこだわりがある人にとっては、このソフトは武器になります。
加えて、コツコツと作業できるタイプの人も向いています。なぜなら、アフターエフェクトは細かいキーフレーム設定や複雑なレイヤー構成を扱うことが多いからです。一見地味な作業を丁寧に積み上げる、その忍耐力がある人ほど上達も早く、表現力も高まります。
そしてもうひとつ、「他の人とは違う表現をしたい」「オリジナリティを出したい」と考えている人にも最適です。プリセットやテンプレートで済ませる編集から一歩先へ進みたいなら、アフターエフェクトはその欲望を叶えてくれるツールです。
②こんな人には合わないかも
正直な話、アフターエフェクトは「時短でサクッと編集したい」という人にはあまり向いていません。1本の動画にじっくり時間をかけてでも演出にこだわりたい、というタイプでなければ、労力に対する成果が見合わないと感じるかもしれません。
また、「複雑な操作が苦手」「説明書を読むのが嫌い」「感覚で触りたい」といった人も、最初のハードルが高く感じるでしょう。アフターエフェクトは自由度が高い分、覚えることも多いです。慣れるまでは、それなりに学習時間が必要です。
そして、あまり知られていませんが、「作業中にPCのスペックに悩まされる」のも大きな問題です。プレビューが重くてまともに再生できない、書き出しに時間がかかる、こうしたイライラに耐えられない人にはストレスになる可能性があります。
③始める前に知っておきたい“リアル”な注意点
アフターエフェクトを使い始めると、最初に驚くのが「できることが多すぎる」という事実です。テンプレもプラグインも豊富で、何から手をつければいいか分からない…という“嬉しい悩み”が出てきます。でも、ここで焦って全部に手を出すと、確実に迷子になります。
もうひとつ、地味に効いてくるのが「PCスペック問題」です。アフターエフェクトは意外と重たいソフトで、快適に動かすにはメモリ16GB以上、できればGPUもしっかり積んでおきたいところ。もし古いノートパソコンで挑戦しようとしているなら、かなり厳しい現実が待っています。
そして最後に。これ、あまり記事で語られないんですが、「成果が一瞬しか見えない」という心理的負担もあります。1秒のアニメーションを作るのに何時間もかかることがザラです。なので、最初から完璧を目指さず、「今日は1文字動かすだけでもOK」とハードルを下げることが大切です。
5.アフターエフェクトはどう学べばいい?学習ステップとコツ
アフターエフェクトは「覚えることが多くて難しそう」と思われがちですが、正しい順番と学び方を知っていれば、誰でも確実に上達できます。逆に、いきなり複雑な合成や3Dに手を出してしまうと、途中で挫折する可能性が高まります。
だからこそ、この章では、初心者がムリなくアフターエフェクトを学ぶためのステップと、おすすめの教材・学習方法をまとめてご紹介します。ここで紹介するコツを押さえれば、独学でもスムーズに「動かせるようになる」レベルまで到達できます。
①おすすめの学習方法(YouTube、Udemy、書籍など)
アフターエフェクトの学習方法は大きく分けて3つあります。YouTube、Udemy、そして書籍です。初心者にとって最も手軽で人気があるのはYouTubeです。無料で見られるチュートリアルが豊富で、最新のエフェクトやテクニックを気軽に学べます。特に「アニメーション作ってみた系」の動画は、まねするだけでも十分勉強になります。
一方で、体系的に学びたい人にはUdemyの講座がかなりおすすめです。有料ではありますが、初心者向けに丁寧にカリキュラムが組まれていて、わかりやすいステップで進められます。割引時期を狙えば数千円で充実した内容が手に入るのも魅力です。
書籍は基礎知識をじっくり身につけたい人に向いています。ただし、アフターエフェクトは実践的な操作が多いので、紙ベースの学習だけでは理解しにくい部分もあります。動画と組み合わせて使うのがベストです。
②まず覚えるべき基本機能5つ
アフターエフェクトには機能が山ほどありますが、最初に覚えるべき基本機能は限られています。まず大事なのは「キーフレーム」です。これが分からないと、動きのあるアニメーションは何一つ作れません。
次に重要なのが「トランスフォーム(位置・回転・スケール・不透明度など)」の操作。これが扱えるだけでも、テキストや画像を自在に動かすことができます。
続いて、「プリコンポーズ」と「マスク」の理解も必要です。レイヤーをまとめたり、表示する範囲を制御したりすることで、演出の幅が広がります。
最後に「エフェクトの適用と調整」。ここまで理解できれば、簡単な演出は自分で作れるようになります。逆に、この5つを飛ばして応用に走ると、どこかで必ずつまずきます。
③案件獲得につながるスキル習得の流れ
「アフターエフェクトを学んで仕事にしたい」という人は多いです。その場合、最初に覚えるべきは、よく求められるスキルから逆算して学ぶことです。たとえば、YouTube動画のオープニングやテロップ、広告動画のアニメーション、SNS用のショート動画演出など、実際の案件でよく出る内容から習得していくのが近道です。
クラウドソーシングサイトなどで「動画編集」の案件を見てみると、アフターエフェクトが使える人材は比較的単価が高い傾向にあります。テンプレートをベースにした動画制作からスタートして、徐々にカスタマイズの幅を広げていけば、自然とスキルも案件力もアップしていきます。
また、納品時の形式(MP4、MOVなど)や、Premiere Proとの連携も覚えておくと、実務でのトラブルを減らせます。案件を意識するなら「作品を作る」→「ポートフォリオにする」→「発信する」この流れを意識して進めると◎です。
④学習時間の目安と挫折ポイント
アフターエフェクトをある程度使いこなせるようになるには、早い人で20〜30時間、じっくりやる人で50〜100時間程度の学習が必要とされています。毎日1〜2時間ずつ取り組めば、1〜2ヶ月ほどで基本操作は身につきます。
ただし、挫折しやすいのは「最初の10時間」です。とにかくUIが独特で、どこを触れば何が起こるのかが見えにくい。ここで「あ、無理かも…」となってしまう人が多いのです。
それを避けるには、「とにかく1つ作ってみる」こと。完璧な作品でなくていいので、1つのアニメーションやエフェクトを真似して完成させる体験が、何よりも自信につながります。
焦らず、小さな成功を積み重ねること。それがアフターエフェクト上達の最大のコツです。
6.アフターエフェクトの価格とプランを知っておこう
アフターエフェクトを始めるにあたって、多くの人が気になるのが「結局、いくらかかるのか?」「買い切りできるのか?」「最安で使う方法はあるのか?」といった費用や契約に関することです。
この章では、アフターエフェクトの2025年最新の価格体系や、導入プランの違い、さらにコストを抑えるための実用的な選択肢まで、わかりやすくまとめてご紹介します。「できれば安く、でもしっかり使いたい」という人にとって、導入前に必読の内容です。
①アフターエフェクトの価格とプラン(2025年版)
アフターエフェクトは、Adobeのサブスク料金のみの販売です。
以下、金額を記載します。詳細は公式サイトでご確認ください。
プラン名 | 月契約 月払い | 年契約 月払い | 年契約 一括払い | 特徴 |
---|---|---|---|---|
アフターエフェクト単体プラン | 4,980円 | 3,280円 | 34,680円 | アフターエフェクトのみ使用可能。 |
Adobe Creative Cloud コンプリートプラン | 12,380円 | 7,780円 | 86,880円 | Premiere Proなども含む全ソフト使用可。 |
学生・教職員版(コンプリート) | -- | 2,180円 | 26,162円 | 条件を満たせば非常にお得。認証あり。 |
個人利用なら、まずは単体プランでのスタートが現実的。
ただ、Premiere Proなど他ソフトと連携したい人。仕事で複数ソフトを使う予定がある人は、最初からコンプリートプランがおすすめです。
②買い切りはある?最も安く使う方法
結論から言うと、アフターエフェクトの買い切り版は存在しません。
Adobeは、サブスク提供が基本です。そのため、「一度買えば一生使える」というモデルがありません。
とはいえ、少しでも安く使いたい!ですよね?
その場合、Adobeの定期セール(春・夏・ブラックフライデーなど)を利用するのがおすすめ。その時期を狙えば20〜40%オフで申し込めることもあります。
また、スクールパートナー制度を利用したアカデミックプランもあります。こちらは、約20%割引に、Adobe通信講座付きでソフトが購入できます。
③無料体験を活用しよう
なお、アフターエフェクトには、7日間の無料体験版が用意されています。
これは製品版とまったく同じ機能が使えるので、まずは自分のPCで動くか、操作感が自分に合うかを確かめるのに最適です。
さらに、学生・教職員であれば、非常に安価な価格でコンプリートプランを利用できます。本人確認や所属証明が必要ですが、条件を満たす方には圧倒的なコスパでの導入が可能です。
④コストに見合う?自己投資としての考え方
サブスク制に抵抗を感じる人も多いです。
が、アフターエフェクトは使い方次第で“元が取れる”どころか“スキルが収益に変わる”ツールです。実際、動画編集やアニメーション制作の案件では、「アフターエフェクトが使える人」に対して、単価が高めに設定されているケースが多くあります。
たとえば、副業でYouTubeのオープニング制作を請け負えば、1件で5,000〜2万円以上の報酬が発生することも。数件受注すれば、月額料金分は十分にカバーできます。
また、映像クリエイターとしてのポートフォリオにアフターエフェクト作品が加わることで、受注幅が広がり、自己ブランディングにもつながります。つまり、単なる出費ではなく、「未来の収益を作るための投資」として捉えることが、導入に対する心理的ハードルを下げるコツです。
アフターエフェクトでできること|まとめ
ここまで、アフターエフェクトでできることをご紹介しました。
Adobe Premiereがすでにある映像を切り貼りして編集するソフト。それに対して、After Effectsは、実際にはないものを加えたり、ゼロからアニメーションを作り出したりするためのソフトです。
本来はそこにない、炎や光を加えたり、逆にそこにあったはずのものを消したり、文字やイラストを自由自在に動かしたり。ゼロから作り上げるソフトなので、使いこなすことができれば、その可能性は無限大です!
まずは、無料体験でAfter Effectsを使ってみるのをオススメします。
>> Photoshopの使い方② レイヤー構造と文字入力【初心者向け】
今回も最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!
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