Premiere ProとElementsの違いとは?
Adobeの動画編集ソフト『Premiere Pro』と『Elements』。どちらもAdobeの動画編集ソフトです。でも、「Premiere ProとElementsの違いがよく分からない」と感じたことはありませんか?
そこで、今回の記事では、下記の6項目に分けて、2つのソフトを比較してみました。
- 機能と特徴を比較
- 価格・コストの違い
- 使い方
- 最適なパソコンのスペック
- 口コミと評価は?
- 【結論】あなたにおすすめなのは…
それでは、Adobe社の動画編集ソフト『Premiere Pro』『Premiere Elements』の違いを見ていきましょう。
Premiere ProとElementsの違い|概要
まずは、概要です。
動画編集ソフトにはさまざまな種類があります。が、中でもAdobeのPremiereシリーズは、そのなかでも特に人気があるソフトです。そのシリーズ中、「Premiere Pro」と「Premiere Elements」は、用途や対象ユーザーに、違いがあります。
この章では、まずはそれぞれのソフトの概要と特徴を紹介します。
(1)Premiere Proとは?プロ向けソフトの特徴
Premiere Proは、プロフェッショナル向けの動画編集ソフト。高度な編集機能を武器に、映像制作の現場で広く使われています。
Premiere Proの特徴は、精密なタイムライン編集、複雑なカラー補正。そして高度なエフェクト処理が可能な点です。さらには、プロジェクトの規模を問わず対応できるため、映画や広告制作でも利用されています。たとえば、Adobe After Effectsと連携するDynamic Link機能により、編集作業を効率化できます。
(2)Premiere Elementsとは?初心者向けソフトの魅力
Premiere Elementsは、初心者や趣味で動画編集を楽しみたい方向けのソフトです。直感的な操作性が特徴です。とくに専門的な知識がなくても簡単に動画を作成できるソフトでもあります。
このソフトは、ガイド付き編集機能やクイック編集機能を搭載しています。くわえて自動編集機能もあります。そのため、映像制作に慣れていない人でもスムーズに進められます。
Premiere ProとElementsの違い|機能で比較
Adobe Premiere Elements 2023(アドビプレミアエレメンツ)は、2022年に発売されたAdobe社の動画編集ソフトです。
同じ、Adobe社から発売されている動画編集ソフトのAdobe Premiere Proとは、どう違うのか?
まず、機能や特徴の違いについて、比較してみましょう。
上級者向けソフト
①最低限の知識が必要
②カットやテロップ、自由に編集可能
③エフェクト(映像効果など)編集
直感的な動画編集ソフト
❶フォーマットに沿った編集が可能
❷初心者にやさしい設計
❸Aiによる自動編集機能がある
①プロ向けか初心者向けか
Premiere ProとElementsの違いを一言でいうと、Premiere Proが上級者向け、Elementsが初心者向けです。
ソフト名 | 編集レベル |
---|---|
Premiere Pro | 上級者向け |
Elements | 初心者向け |
Elementsは、直感的に使えることはもちろん、色味を自動補正できるなど、初心者でも、簡単に高品質な動画を作ることができる動画編集ソフトです。
Elementsが初心者向きと言われる理由は?
それでもElementsが、初心者向きと言われる理由は、次の通りです。
- 動画編集フォーマットがあり、操作が簡単
- ステップ順に並んだメニューボタンやガイド編集、ヒストリーパネルなどが用意
- 初心者にも使いやすく設計されたシンプルな操作性
- クイック・ガイド・エキスパートの3つの編集機能がある
- 2020バージョンから、Adobe のAi機能による自動編集機能が使える
つまり、エフェクトなど、簡単に加えることができるため、とても使いやすい設計になっているということです。
ですので、初心者の動画編集にとっても使い勝手は、申し分ないと言っても問題ありません。
ただし、その一方で、残念な点もあります。それは
編集フォーマットが決められているため、細かい編集やエフェクトの調整ができない
ということです。
これらは、動画編集に慣れて、さらにステップアップしたいときに、初めて出てくる不満点です。
なので、むしろこの点は、動画編集の基本を学ぶ入り口として、Elementsはうってつけのソフトだと言えます。
>> Adobe Premiere Elements(アドビプレミアエレメンツ)とは?【関連記事】
②プロ仕様のPremiere Pro
Premiere Proは、Elementsと比較したとき、使い勝手という点で、慣れるまで少しだけ時間がかかります。
しかし、将来的に、動画制作に関連した職業に就きたい、副業で稼ぎたいなど、動画制作を生業にしたいと考えているなら、Premiere Proがおすすめです。
これは、動画クリエイターの約9割が、Premiere Proを使用していることをみても、動画編集ソフトとしての信頼度の大きさを感じます。
- カットやテロップ、画像、エフェクトや補正なども自由に編集可能
- トランジション(動画の切替)や色補正を、細かいところまで設定できる
- プロ動画クリエイターの約9割が使用。情報共有をしやすい
③特筆できるElementsのクイック編集
Premiere Proが動画編集のクリエイターから、支持を集めている一方で、動画編集の入り口として、初心者からは、Elementsの使いやすさに定評があります。
なぜなら、Elementsの編集は、クイック編集・ガイド編集・エキスパート編集の3つから選べるから、です。
クイック編集は、特殊効果やエフェクトを簡単に付けることができ、その種類も豊富。そして2020年バージョンからでは、AI技術を利用して作品を作ることが可能になっています。
くわえて、起動しただけで動画を生成できる。Premiere Proと比較すると簡単に使えることは間違いありません。
ElementsのGoodポイント!
●クイック編集機能は、特に使いやすい
●Aiによる自動編集機能がある
Premiere ProとElementsの違い|価格で比較
Premiere ProとElementsは、どちらもAdobe社の動画編集ソフトです。
ただ、2つのソフトは、コストパフォーマンスという点で、大きな違いがあります。ここでは価格面から、2つのソフトを比較をします。
Premiere ProとElementsの違い❶ライセンスの期間
やはり、Premiere ProとElementsで、いちばん大きな違いは、ライセンスの期間でしょう。
Premiere Pro | 1年ライセンス |
Elements | 3年ライセンス |
以前は、Premiere Proがサブスクで、Elementsが買い切りでした。ですが、Elementsも最近3年間のライセンス精度になりました。
Elementsも3年間ライセンスで、買い切りではなくなった
❷Premiere Pro は3,280円〜
さて、Premiere Proは、年間プラン月々払いの場合、3,280円/月です。
つまり、1年間つかうことを想定した場合は、3,280×12ヶ月=39,630円となります。
一方で、年間プラン一括払いなら、34,680円です。
Premiere Pro料金(公式サイトより)
契約プラン | 月額 | 年額 |
---|---|---|
1ヶ月ごと更新 | 4,980円 | 59,760円 |
年間契約/月払い | 3,280円 | 39,360円 |
年間契約/一括払い | - | 34,680円 |
(金額はすべて税込)
❸Elements は3年ライセンス=19,580円
一方、Elements 2025は、3年間ライセンスで、19,580円(税込)。
2024年バージョンまでは、買い切り型でした。つまり一度買えば、ライセンスの更新なく、ずっと使えるというものです。もちろん、毎年リリースされるバージョンアップ版を更新すれば、有料(12,980円)です。が、バージョンアップしなければ、追加でお金を払わず、使えました。
ところが、Elementsも、2025年から3年間ライセンスに変わってしまってしまったのです。
2024年バージョンまで買い切り型→2025年バージョンから3年間ライセンス
Premiere ProとElementsの違い|編集プロセスで比較
ここでは、Premiere ProとElementsの使い方について、簡単にお伝えします。
2つは、どちらも同じ動画編集ソフトなので、作業工程に違いはありません。
動画編集の流れ
ここでは、一般的な動画制作の流れを簡単にお伝えします。どの編集ソフトを使った場合も流れ自体は同じです。
まずは、ソフトを起動させて、「新規プロジェクト」を選択。プロジェクトファイルの保存先を決めます。
プロジェクトファイルの保存先は、動画制作専用のフォルダがおすすめです。その理由は、作業を進めると関連ファイルの管理が難しくなり、どこに何があるのかわからなくなるから、です。
つぎに、新規プロジェクトを作った後は、映像素材のファイルを読み込みます。
そして、動画素材の配置を決め、動画の流れを作ります。ここでは、不必要な部分をカットしたりして、きれいに動画素材が繋がるように整えましょう。
次に、BGM などの音楽や字幕をつけて、見た人が理解しやすいように工夫します。さらに、エフェクトを使うと、動画に特殊効果を加えて個性的な演出も施せます。
エフェクトの中にはトランジションというのもありますが、これは動画の場面転換時に使うエフェクトです。
全ての動画編集が完了したら、最後に、動画を書き出して完成です。
Premiere Elementsに関しては、Premiere Proに比べて、簡単な作業で動画編集できます。
Premiere ProとElementsの違い|パソコンスペックで比較
ここでは、Premiere ProとPremiere Elementsに最適なパソコン(PC)についても紹介しましょう。
快適に動画編集をするには、十分なスペックを持つパソコンも必要になるから、です。
<1>CPU
やはり、CPUはパソコンの頭脳です。
ですので、Intei Core i7以上が必須。できれば、Core i9以上なら問題ないでしょう。AMDのCPUであれば、Ryzen7やRyzen9に同等の性能があります。
Intelなら | AMDなら |
---|---|
Core i7以上 | Ryzen7以上 |
<2>メモリ(RAM)
Adobe社のホームページでは、Premiere ProとPremiere Elementsの推奨環境は、最低でメモリ8GBです。
もちろん、他のソフトを全て止めれば、少しは動きます。でも、正直、作業になりません。つまり、ストレスなく、動画編集作業をするには、メモリ16GB以上が必須。
32GBあれば、まず動作に関して不満に感じることはありません。
<3>記憶領域(SSDやHDD)
パソコンの記憶領域は、動作の速さにも大きく関係します。その理由は、パソコンでソフトを使用するとき、ソフトは、常に記憶領域にアクセスするから、です。
どちらのソフトも、快適に作業するなら、スピード的にSSD搭載のパソコンをおすすめします。
容量の少なさは、最初は気になりません。でも、使い続けるうちに、容量不足を感じます。なので、最低でも512GBがおすすめです。
<4>グラフィックボード
パソコンには、グラフィックボードというものがあります。これは、グラフィックボードはGPUとも呼ばれています。つまり、映像の演算処理を行うパーツです。
グラフィックボード=GPU。映像の演算処理を行う重要パーツ
高度なグラフィックや3Dを扱う場合、グラフィックボードがあれば使用感が快適です。そのためゲーミングPCなどに多く採用されます。近年では、IntelやAMDのCPUにグラフィックカードとして、同機能が付帯しているものも多く登場しています。
動画編集も、CPUとメモリの性能が十分に高スペックなら、グラフィックボードは必須とはなりません。でも、かけた予算と快適性はイコールだと覚えておきましょう。
Premiere ProとElementsの違い|対象ユーザー別におすすめ
「結局どっちを選べば良いのかわからない!」「細かい違いがわからない!」という方は、以下のポイントに絞って検討しましょう。
本格的に動画編集したい人|Premiere Proがおすすめ
動画編集を本格的にやりたい人や動画編集の仕事をしたい人には、Premiere Proがおすすめです。
その理由は、少しくらい予算が多くかかっても、それが資産となって、そこから売上と利益が生まれるから…です。
反対に、Premiere Elementsの使用経験は、求人につながりません。Premiere Pro経験年数は、副業での受注に留まらず、本業にもつながっていきます。
Premiere Proの使用経験は、履歴書に書けるアピールポイント
気軽に動画編集を楽しみたい|Elementsがおすすめ
動画を手軽に作りたい人は、Elementsがおすすめです。
特に、使い頻度が、月に1回くらいという人は、Premiere Elements一択です。その理由は、やはり価格面です。Elements2025から、3年間ランセンスになりましたが、それでも、Premiere Proとの価格差は大きいから、です。
もし、将来的に、動画制作でお金を稼ぐことを視野にいなければ、Elementsを選びましょう。
無料体験版で試してみよう
ここまでお話しをしましたが、やっぱり実際に一度使ってみるのが一番です。
Premiere ProとElementsの両方のソフトで、無料体験期間があります。
Premiere Proは7日間、Premiere Elementsは30日間無料です。
ぜひ無料期間で違いを比較してみましょう。
Premiere ProとPremiere Elementsの違い・まとめ
Adobeの動画編集ソフト『Premiere Pro』と『Premiere Elements』について、お伝えしました。
どちらを選ぶか?あなたが迷ってしまうのも無理ありません。
なので、まずは体験版を通して、できることの違いや操作感を実感しましょう。そして、それぞれの価格や動画を作る頻度などで、あなたに合う動画編集ソフトを選ぶことをオススメします。
今回も最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!
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