一眼レフはもともと静止画を撮影するためのカメラですが、近年は動画撮影機能も向上し、テレビやアーティストのミュージックビデオなどでも一眼レフで撮影した映像をよく見かけるようになりました。一眼レフで自主制作映画を製作する際のメリット・デメリットと、実際に一眼レフで撮影されている映画をいくつかご紹介します。
一眼レフで映画を撮影するメリットとは?
一眼レフで自主制作映画を撮影するメリット①|プロ機材並みの画質
一眼レフは一般的に、ビデオカメラよりセンサーが大きく高画質のため、フィルムカメラで撮ったかのような質感で撮影をすることができます。特に一眼レフで撮影した映像の特徴として、ボケを生かした撮影ができるという点が挙げられます。映画の中での主人公やテーマなどを強調するシーンでは、こういったボケを生かした撮影をすることで、映像に深みを持たせることができます。自主制作ながらプロのような映画に仕上げたいということであれば、一眼レフでの撮影がよいでしょう。
一眼レフで自主制作映画を撮影するメリット②|プロ機材に比べて安価
映画を自主制作する際に悩みの種となるのが予算です。特にビデオカメラ本体は、いいものを買おうと思うと価格は100万円を超えるものもあります。それに比べ、一眼レフは高いものでも30万程度です。映画撮影の場合には、カメラを複数台使うこともあるため、撮影機材の費用を安く抑えるためにも一眼レフでの映画撮影はおすすめです。
一眼レフで自主制作映画を撮影するメリット③|レンズの種類の豊富さ
一眼レフでの撮影の魅力は何と言ってもそのレンズの種類の豊富さです。静止画撮影をしている人も、レンズに凝り始めると沼にはまってしまうといわれるほど、レンズは奥が深いものです。画を広く撮りたい場合には広角レンズ、ぐっと被写体にクローズアップしたい場合には望遠レンズ、ボケを出したい場合には被写界深度が深いもの、暗いところで明るく取りたいならそれに適したレンズなど、撮りたい映像や、撮影する状況に応じてレンズを選べるのが一眼の良いところです。
一眼レフで自主制作映画を撮影するメリット④|プロ機材に比べて軽い
業務用のビデオカメラは大きく重いものが多くあります。それに比べ一眼レフは小さく、マイクなどのアクセサリを付けても業務用のビデオカメラほど重くはなりません。自主制作映画は撮影スタッフの数も限られることが多いので、機材の回しなどがしやすいほうがよいでしょう。当然のことですが、スチル撮影とムービー撮影両方を兼用できることも魅力です。
一眼レフで映画を撮影するデメリットとは?
一眼レフで自主制作映画を撮影するデメリット①|撮影の制限時間
2019年2月1日まで、EU圏にカメラを輸出する際、連続録画時間が30分を超えるものは「ビデオカメラ」に分類され関税が高くなっていたため、連続撮影時間を30分未満に設定されているものが多くあります。現在、この関税は撤廃されているため、今後は30分以上撮影できる一眼レフも増えてくると思われます。
一眼レフで自主制作映画を撮影するデメリット②|内蔵マイクが弱い
基本的に一眼レフは静止画を撮影するための機材です。そのため内蔵されているマイクはおまけのような存在のため、雑音を除去したり、高音質の音を収録したりすることはできません。音にもこだわった映画を撮影したい場合には、外部マイクを取り付ける必要があります。一眼レフで動画を撮っている人ほぼ100%がマイクを使っているといっても過言ではないでしょう。
一眼レフで自主制作映画を撮影するデメリット③|手振れを起こしやすい
一眼レフは、「両手で構えて静止画を撮る」ことを前提として設計されています。そのため、手振れ補正があるものも、ビデオカメラほどの性能はないものが多くあります。一眼レフを手持ちで撮影する際には、手振れを防ぐため、別途スタビライザーを装備する必要があります。
一眼レフで撮影した映画を紹介!
以下では一眼レフで撮影した映画をいくつかご紹介します。
Reverie by Vincent Laforet
写真家Vincent Laforetの“Reverie”という作品。すでに10年以上前の作品ですが、Canon 5D Mark IIで撮影され、当時とても話題になった作品です。
君と、ぼくと 一杯のコーヒーと by Shunsuke Teshima
日本人監督の作品。こちらもCanon 5D Mark IIで撮影されている作品です。一眼レフならではの透明感のある映像とボケ感を生かした映像になっています。
Dublin’s People by Philip Bloom
Canon 7Dで撮影された映画。一眼らしいボケが綺麗に生きている映像です。
一眼レフで自主制作映画を撮影してみよう
一眼レフで映画を撮影するメリットはお分かりいただけたでしょうか?確かに、一眼レフは静止画の撮影を主目的に作られているカメラのため、デメリットもありますが、それは、マイクやスタビライザーなどのアクセサリを利用することで解決できます。また、近年では、一眼レフでの動画撮影機会が増えていることから、今後はカメラメーカーも動画機能を充実させる方向で開発を進めると予想されます。自主制作で映画を作りやすくなった今、一眼レフで夢をかなえてみてはいかがですか?