SONYのカメラには、ピクチャープロファイルと呼ばれる機能があります。ピクチャープロファイルは、色味をカメラ側で調節しながら撮影をするもので、ピクチャープロファイルを設定することで、いつもとは雰囲気の違う映像を撮影することができます。後半ではおすすめの設定もご紹介します。
SONYのピクチャープロファイルについて解説!
SONYのカメラで動画を撮影するとき、いつも設定をオートにしていませんか?いつもと一味違う動画を撮影するためには「ピクチャープロファイル」を設定するのがおすすめです。
SONYカメラのピクチャープロファイルって何?
SONYカメラの搭載されている「ピクチャープロファイル」という機能は、簡単に言うと、撮影する動画の発色や明るさなどを調節する機能のことです。SONYカメラならではの機能で、ピクチャープロファイルにはPP1~PP10(PP10はα7RIII、α7III以降)まで設定でき、購入した時点でそれぞれにプリセットが用意されています。ピクチャープロファイルはもともとSONYの業務用カメラに搭載されていた機能ですが、αシリーズでは、α7sから搭載されました。
動画のカラーグレーディングとは?
高機能のカメラは、オートで撮影をしてもきれいに撮ることができますが、もう一歩踏み込んで、自分の思い通りの色味にしたいときや暗い場所で撮影をしたものを明るく見せたいときなど色の調整を置こうなうことがあります。この動画の色調整のことをカラーグレーディングといいます。ピクチャープロファイルを使わずに色調整を行う場合には、撮影後、このカラーグレーディングという作業が必要となります。
「ガンマ」と「カラーモード」
ピクチャープロファイルの設定は「ガンマ」と「カラーモード」を調整することによって行います。「ガンマ」とは映像のコントラスト(濃淡)を調整するためのもの、「カラーモード」は色の発色を調整するためのものです。この「ガンマ」と「カラーモード」を組み合わせることで、様々な色合いを出すことが可能です。
SONYカメラの別機能「クリエイティブスタイル」との違いは?
SONYのカメラには、ピクチャープロファイルのほかに「クリエイティブスタイル」という機能もあります。こちらも同じように色調整を行う機能ですが、基本的にクリエイティブスタイルが静止画を撮影する際の機能としてつけられているものです。
SONYピクチャープロファイルのプリセット
SONYピクチャープロファイルにはPP1~PP10までの設定がありますが、購入時にすでにそれぞれに割り当てられている設定をプリセットと呼びます。それぞれに「動画」に適した設定のMovieや「静止画」に適した設定のStillなど名称がつけられています。このプリセットは、それぞれ設定を変更することが可能です。
プリセットの選び方
10種類もあると選び方が難しいと思われるかもしれませんが、まずは実際にそれぞれ試してみるのがよいでしょう。基本的にはPP1~PP6、PP10が撮って出しをするための設定、PP7~PP9は、撮影後に本格的なカラーグレーディングをするためのLog撮影のためのプリセットです。
カラーグレーディングソフトとの違い
ピクチャープロファイルとカラーグレーディングソフトの大きな違いは、撮影時点で映像に処理を施しているということです。たとえLogで撮影したとしても、映像を保存する際には圧縮処理が施されます。映像は圧縮されると画質が劣化してしまうため、カラーグレーディングソフトは、この劣化してしまった映像を加工することになるため、思ったような色に修正できないこともあります。一方、ピクチャープロファイルは圧縮前の劣化前の映像に加工を加えられるため、被写体の質感を保ったまま映像調整が行えます。
ピクチャープロファイルのおすすめ設定を紹介!
SONYカメラのピクチャープロファイルはPP1~PP10まであり、選び方に迷う方もいるでしょう。おすすめのプリセットをご紹介します。なかなか文章でお伝えするのが難しい部分もあるのですが、こちらの方の動画がとても詳しく解説されているので、合わせてごらんになってみてください。
おすすめのピクチャープロファイル①|設定に迷ったらまずPP6
自然な色味で、特に人肌の色味がよいといわれているのがPP6です。どの設定にすべきか迷った時は、まずこのPP6を選んでみるのがよいでしょう。オートとの違いを実感することで、映像の色味の大事さを実感できるはずです。
おすすめのピクチャープロファイル②|日中に撮影をするならPP10
PP10はα7RIII、α7III以降から入ったプリセットで、HDRといわれる広いダイナミックレンジで撮影することが可能です。白とびや黒つぶれがしにくいので、明部と暗部の差が出やすい日中などは、PP10を利用するのがおすすめです。
おすすめのピクチャープロファイル③|グレーディングをするならPP7~9
PP7~9で撮影してみるとわかるのですが、かなり彩度や明度が低めな映像で撮影されます。これは、Logで撮影し、撮影後で本格的にカラーグレーディングをするための設定で、できる限りフラットな映像で表現されます。映画風の雰囲気のある画に仕上げたい場合は、グレーディングを前提とした映像で撮影するのがよいでしょう。
おすすめのピクチャープロファイル④|暗所で撮るならLog
暗所で撮る場合は、あとからグレーディングすることが必須の場合が多いため、グレーディングを行う前提にPP7やPP8のLogで撮影するのがおすすめです。本格的なカラーグレーディングは難しいと思われるかもしれませんが、そこから作り出される独特の世界観は癖になること間違いなしです。
おすすめのピクチャープロファイルを設定して動画撮影しよう!
突き詰めると奥深い動画の“色”の世界ですが、今オートで撮影している方は、まずは上記のおすすめPP6から試してみてください。SONYピクチャープロファイルの世界は知れば知るほど面白く、使えば使うほどいろいろ試してみたくなるはずです。長く動画カメラを作ってきたSONYだからこその技術が集約されているこの、ピクチャープロファイル。選び方に迷ったら、まずはおすすめから、そして、自分なりのピクチャープロファイル設定を研究してみるのも面白いかもしれません。