
動画の納品は、PremiereProで編集したものをそのままアップロードしたり、またはデータをハードディスクに入れて納品することがほとんです。
ただ、今でも、学校行事やサークル活動を記録したもの、たとえば『定期演奏会』や『ダンス発表会』などでは、DVD納品がメインになります。
そこで今回の記事では、PremiereProで作成した動画をDVDに焼く方法をご紹介していきます。
目次
Premiere Proで編集した動画をDVDに書き出す方法
・PremierePro6をインストールしEncoreを使う
最新版のPremiereProでは、残念ながら、PremiereProから直接、DVDに焼くことができません。
理由は、DVDに書き出しをするためのソフト『Encore』は、PremiereProCS6でしか使うことができず、最新のpremiereには、対応していないためです。
最新版のPremiereProを使ってDVDを焼きたい方は、別途、PremiereProCS6をインストールする必要があります。まずはそのインストール方法です。
「Adobe Creative Cloud」を立ち上げPremiereProの「管理」→「他のバージョン」から「6.0」をインストールしてください。
すると、Apps一覧には表示されませんがEncoreCS6も自動でインストールされます。
・PremiereProでDVD に焼ける形式のデータを書き出し
PremiereProで編集が終わったら、上部のメニューバーより「ファイル」→「書き出し」→「メディア」を選択します。形式は「MPEG2-DVD」にし、プリセットは
をそれぞれ選択します。
・Encoreを使ってDVD に焼く
早速、Encoreを使いますが、Adobe Creative CloudのApps一覧には表示されていませんので注意してください。
「最近追加されたもの」や「プログラムファイル」から直接起動する必要があります。
・Encoreを立ち上げ「新規プロジェクト」を選択。
プロジェクト設定の「オーサリングモード」を「DVD」にし「OK」を押してください。
「ファイル」→「読み込み」→「タイムライン」でDVDに書き出したい「m2v」と「wav」のファイルを読み込みます。
プロパティパネルで「エンドアクション」を「チャプター1」に設定。
「フローチャート」のプロパティパネルにある「ファーストプレイ」が「m2v」と「wav」になっていることを確認したら「ビルド」タブの「プロジェクトをチェック」を選択し「開始」を押します。
「タイトルボタンが設定されていません」と表示されますが「無視して続行」を押すとDVD の挿入を求められるので空のDVDを入れると書き出しが開始作業がされます。
DVDに高画質で書き出すには?
せっかくDVDに焼いたのに映像がカクついてしまったり画質が激しく劣化したりするのは残念ですし依頼の納品の場合はやり直しになることがあります。
そもそも、前提としてハイビジョン動画1920×1080をソフトでDVD対応の720×480に書き出して映像機器で1920×1080に引き伸ばして映すとなると画質が悪くなるのは仕様として避けられません。
したがってブルーレイに入れるという方法が許されるのでしたら、それを選択するのがいいのですが「DVD納品で」と言われてしまった場合、仕方ありませんので、ここからは高画質に書き出す方法を紹介します。
・書き出しの際はビットレートを最大にする【高画質の書き出し方】
ビットレートとは「一秒間に収められている情報の数」のことで画素数と言ったらイメージしやすいと思いますが高ければ高いほど高画質になります。
ここで、無限にビットレートをあげれば綺麗になるのではと思いますが、実は限界がありDVDの最大ビットレートは9.6Mbpsなのでデータを書き出しの際「ビットレート数」は最大にしてください。
ちなみにブルーレイが綺麗なのはビットレートが40Mbpsだからということです。
・データの出力や変換の回数は抑える【高画質の書き出し方】
映像は出力をしたり変換したりするたびに劣化してしまいます。
例えばDVDに焼いてあるものをコピーしてパソコンに取り込んで別のDVDに焼く行為や別の形式として変換することでざらついたものになってしまいます。
もし、編集またはDVDに焼く場合はなるべく元データを変換するなどして形を変えないようにしましょう。
・長時間にしない【高画質の書き出し方】
当然ですが映像は長ければ長いほどデータが大きくなりますので、もし綺麗な映像を納めたいのであれば2枚、3枚と分けることが必要です。
具体的には片面1層のDVDの場合、最高画質なら50分以内、標準画質なら130分以内にしてください。
もちろん、エンコードの調整によって長いデータを軽くして1枚に収めることも可能ですが、大きいものを無理やり小さくすればするほど画質は悪くなります。
Encoreが使えない場合は?
以上、PremiereProやEncoreで高画質の動画を書き出す方法を紹介しました。
しかし「Encoreがインストールできない」という方や「どうも使いづらいので別のソフトを使いたい」という方が多々いらっしゃるようで最後に全く別の方法が使える商品をご紹介したいと思います。
・DVD制作オーサリングソフトの老舗「Toast」の使い方
オーサリングとは編集したデータをDVDで再生可能な形式として出力する方法でEncoreがやってきたことも実はオーサリングです。
それは、Blu-rayやdvdオーサリングソフトです。その中でも、Toast という商品は、オーサリングソフトとして、最も有名と言ってもいいでしょう。
「音楽や動画、写真データをDVDにドラッグ&ドロップで書き込み」「動画や音声ファイルを好きな形に変換」など便利機能が多数あります。
詳しい使い方はここでは別記事に書きますが、もし使われることを検討される方のためにいくつかポイントをお話しすると
・プレミアプロの書き出しは「MPEG2-DVD」にしないこと(一度、「H.264」で書き出し、それをToastでエンコードした方が綺麗になります)。
・「エフェクト」タブの中の「SDR最適化」をONにしておく。
・「優先フィールドの設定」で「下を優先」を選ぶ。
実際に操作しないとわからないかもしれませんが、とても重要なことで、これらの設定さえ守っておけばかなり仕上がりの質が上がりますので頭の片隅に入れておいてください。
・Power Producer というオーサリングソフトを使う
様々なオーサリングソフトがありますが、DVDやブルーレイディスクのことなら大概のことは、このソフトでできます。
対応した入力動画形式や出力動画フォーマットが多く操作性もとても簡単です。
さらに、他のものと比べて値段が比較的安くネットでの評判が一番良かったのはPower Producerでした。
値段の高い、より機能性の高いものは数え上げればきりがありませんが、動画初心者の方でも説明書なしで直感的にオーサリングを行うのであれば、こちらがおススメです。
・Burnを使う(MACユーザー向け)
動作が少し重くデータ名を日本語入力すると文字化けすると言うデメリットがあります。
ただ、とてもシンプルで無料な上ファイル形式を変える機能がついているので、ダウンロードしておけば簡単にDVDに焼くことができます。
性能に何かしら言いたげなユーザーもいましたが自分のバックアップ用や身内だけで楽しむものとして使用するのであれば、こちらで十分かもしれません。
ただ、一言申し上げでおくと同然ですが有料の方が機能性はいいです。
・Windows DVDメーカーを使う(ウィンドウズユーザー向け)
Windowsに初めから入っているソフトで新たにインストールする必要がない便利なものです。
Burn同様、質を求めず身内だけで楽しむようであればこちらで事足ります。
「本当に初歩の初歩からスタートしたい」「パソコンとかソフトとかわからない」と言う方は、DVDメーカーをしようして要領を得るといいです。
操作はとても簡単なので一度理解してしまえば、いくらでも応用できます。
Premiere Proで編集した動画をDVDに書き出す方法まとめ
以上、PremiereProでDVDに高画質の映像を焼く方法、Encoreの使い方を紹介しました。
・Encore CS6をインストールする
・高画質の映像にしたい場合は「ビットレートを最大にする」「データの出力や変換の回数は抑える」「長時間にしない」を意識する
・Encoreが使えない場合は「Toast」もしくは「Power Producer」「Burn」「Windows DVDメーカー」を使う
DVDを使うことはほとんどなくなりましたが、これらのことを覚えておけば、いざ頼まれたときでもPremiereProで対応できるようになるかと思いますのでしっかり覚えておいてください。