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カラーグレーディングとは?【入門編】カラーコレクションとの違いや補正方法と順番

カラーグレーディングってなに?なにか難しそう…。

難しそうなので、見てみないフリをしたいけど、そうもいかない。なぜなら、動画編集で「カラーグレーディング」はとても重要な作業だから。

というわけで、今回の記事では、カラーグレーディングとは何か?や、実際にPremiere Proを使って、カラーグレーディングの基礎を調査してみました。

ぜひ、最後までご高覧ください。

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カラーグレーディングとは?

カラーグレーディングとは?

まずはカラーグレーディングとは何か?について、お伝えします。

なぜカラーグレーディングをするのか?

カラーグレーディングは、映像に色彩補正を施す作業です。

ストーリーや登場人物の心情変化に応じて、映像の色彩を変化させ、作品の雰囲気を作り、ストーリーや作品の方向性、臨場感などを演出します。

カラグレとは?

映像に色彩補正をする作業

カラグレの目的は?

色調で作品の雰囲気を演出する

幸せや喜びを表現するシーンなら明るく華やかに、恐怖やホラーなら暗く重苦しくなるように色彩補正します。

食品を扱ったCMなら、料理が美味しく見えるように、カラーグレーディングを施します。

カラーグレーディングでできること

シナリオやストーリーを補強し、観客や視聴者に与えたい印象をコントロールする

編集長
映像の色彩とストーリーがリンクさせて雰囲気を作るってことだね
編集部ディレクター
そうです。観客や視聴者を感情移入させやすくできる点がメリットです

カラーグレーディングを施した作品例は?

カラーグレーディングを施すと、具体的にどんな映像になるのか?

ここでは、3つの例をご紹介します。

カラーグレーディングの映像例
カラーグレーディングの映像例1

2016年 ララランド

カラーグレーディングの映像例2

2019年 JOKER -ジョーカー

カラーグレーディングの映像例3

2019年 Diner ダイナー

色調を変化させることで、作品の雰囲気が伝わって来ますよね。

カラーグレーディングとカラーコレクションの違いは?

カラーグレーディングと間違いやすい単語に、カラーコレクションがあります。

編集長
名前が似てて混同しそう。それとカラーコレクションって必要あるの?
編集部ディレクター
カラーコレクションして、事前に撮影素材を均一しておかないと、カラーグレーディングしたとき、色調にバラツキがでてしまうんです
カラーコレクション作業は?

色補正=正しい色にする。

カラグレをする前工程で、素材によって、色味や明るさの違いが出ないように調整しておく作業

撮影の進行と時間経過により発生する
●明るさ(コントラスト)
●色味の違い(ホワイトバランス)
を調整しておく。
●技術的な側面が強い

カラーグレーディング作業は?

色の演出。

木工に例えると、カラグレは最後の塗装工程。

元の素材をカラーコレクションで色補正で、均一にしておかないと、同じ数値を入れたときに、狙った色に映像が揃わないので注意。
●芸術性や独創性が求められる
●個性が出やすい

カラーグレーディングの基本・Log素材とLAW素材

カラーグレーディングの基本・Log素材とLAW素材

カラーグレーディングは、どんな素材でもすることができます。

が、それを前提に撮影した素材の方が、色の演出の自由度は、高くなります。

撮影時に、カメラに色味を任せて撮影した素材と、色味の調整を抜いて撮影した2つの素材があります。

カメラの調整あり
カメラの調整なし
編集長
カメラに調整を任せた方がいつも通りって感じだね
編集部ディレクター
Log撮影したものは後から色をつけるのを前提にしているので、最初はグレーっぽいんです

LAW素材とLog素材

カラーグレーディングを前提にした撮影素材には、2つあります。

Log素材とRAW(よみ:ろう)素材です。

編集長
2つともカラーグレーディングを前提しているデータだよね?
編集部ディレクター
はい。あとから色調を変化させるには、それ用に撮影されたLogやLAWのデータの方が、色を付けやすいんです

RAW素材とは?

RAW(よみ:ロウ)素材は、圧縮がない純粋な動画素材の形式です。

RAW素材とは?

カメラのイメージセンサーに映った明暗をそのまま保存したデータ。生データともいう

●そのままでは使えないので、データで現像する必要がある
●色調補正やシャープネス、色のバランスなど、データのすべてを調整可能
●圧縮されていないので、その分データ量が重たい

RAW素材は、データの純度の高く、色での表現をたくさんする必要があるときに使用するけど、撮影データも重たいし、転送速度や、編集時間もその分長くなるので、せいぜい2〜3分のショート動画でないと使いづらいです。

動画制作でいえば、時間勝負のテレビとかで使われることは、ほとんどありません。

Log素材とは?

Log(よみ:ろぐ)撮影された素材は、RAWデータよりも編集がしやすく、カラーグレーディングに適した素材です。

Log素材とは?

後から色調整することを前提に撮影されている。色の幅を大きく設定している。

●RAWデータのうち『色調』『彩度』『階調』を取り出して圧縮されたデータ
●その分、RAWデータよりも編集できる部分は少ない
●カメラメーカーごとに仕様が違う

撮影時に、明るかったり暗かったり、変化が激しい現場や、モニターでの正確な確認が難しい場合には、Log収録のメリットがあり、映画やドラマ、CMで、使われることが多いです。

ちなみに、Logには、カメラメーカーごとの異なる仕様があります。

▼撮影されたメーカーごとにLogの仕様が違う

●SONY=S-Log
●CANON=C-Log
●Nikon=N-Log
●Panasonic=VSEO-Log

カラーグレーディング&カラーコレクションのおすすめ機能

カラーグレーディング&カラーコレクションのおすすめ機能

カラーグレーディングで色を演出する前に、カラーコレクションで色を正しい色に補正する作業です。

ここでは、カラーコレクションの基本的なやり方をお伝えします。

どんな機能を使ったらいいのか?便利な機能を紹介

カラーコレクションをする時に欲しい機能としてオススメなのは、下記の3つです。それは

色補正時に使うのは?(Premiere Pro)

❶波形モニター
❷RGBパレード
❸ベクトルスコープ

です。すべて、色情報を表示する機能です。

こちらも一つずつ見ていきましょう。

便利な機能❶波形モニター

波形モニター

便利な機能❷RGBパレード

RGBパレード

3つの色がそれぞれ適正か?を見ることができます。

色が適正で、バランスが取れていると、R=赤|G=緑|B=青(本当はブルーバイオレット)|の波形が、同じような形になります。

Rが大きければ『赤っぽく』、Bが大きければ『青っぽく』なるので、バランスを整えるのに使います。

便利な機能❸ベクトルスコープ

ベクトルスコープ

ベクトルスコープも色の適正を見るのに便利な機能です。

色を6角形で表現していて、枠の内側に、波形が収まっていればOK。

逆に、枠からはみ出していると、色が濃すぎるサインです。

カラーコレクションのやり方

カラーコレクションのやり方

カラーグレーディングも、その前のカラーコレクションにしても、基本的な作業手順があります。

カラーコレクション|色調整の順番は?

大切なのは、色を調整する順番です。

カラーコレクションで色調整する順番は?

①シャドウ部
②ハイライト部
③ミッドトーン部
④色調整

3つのトーン(波形モニター)

基本的な考え方は、0=真っ黒で、100=真っ白です。

ひとつずつ見ていきましょう。

シャドウ部
シャドウ部の調整

まずは、シャドウ部(0〜30)を調整します。

波形モニターを見ながら、限りなく『0』に近づくように調整します。

ハイライト部

次に、ハイライト部(60〜100)を調整します。

波形モニターを見ながら、ハイライト部は、限りなく『100』に近づけます。

ミッドトーン部
ミッドトーン1
ミッドトーン2

その後、中間部ミッドトーン(30〜60)を調整。

この領域は、上げ下げすることで、全体が明るくなったり、暗くなったり、朝っぽく、夕方っぽくなり、時間や天候などの雰囲気を調整できます。

なので、朝っぽくしたいなど、狙いがなければ、特にいじる必要はありません。

色のバランスを整える
色バランスを整える

RGB各色のバランス調整をします。

RGBパレットを使って、各色の波形が同じになるように調整します。

LumetriカラーのRGBカーブで、それぞれのカーブを調整して、波形の形を整えます。

そのほかのやり方
ホワイトバランスのスポイトを使ったバランス設定も可
色温度と色かぶり補正を使ってもOK
彩度を調整する
彩度を調整する

彩度の調整は、ベクトルスコープを見ながらやります。

Lumetriカラー・クリエイティブにある『彩度』のスライダーを左右に動かして見て下さい。

ベクトルスコープの枠をはみ出すと、色がつき過ぎているサインなので、はみ出さないように調整します。

全ての素材をコレクションで調整

❶〜❺までの作業をタイムラインのシーンすべてでおこない、この後、グレーディングで大きな差異が出ないようにコレクションを行います。

カラーグレーディングをやってみる

カラーグレーディングをやってみる

いよいよ今日の本題、カラーグレーディングです。

新規の調整レイヤーを用意して、シーンごとにコレクションした映像にまとめてグレーディングしていきます。

カラーグレーディングには、3つのやり方があります。それは

カラーグレーディングする3つの方法は?

●LUTを当てる(あらかじめ設定された数値を持つ『LUT』を使う)
●マニュアルでやる
●LUTを当てて、さらにマニュアルで調整する

です。

ここでは、マニュアルでの調整方法をご紹介します。

カラーグレーディングのマニュアル例

(1)全体の調子をS字カーブで作る
(2)RGBのカーブも同様に調整
(3)色相VS彩度をいじってみた
(4)カラーホールとカラーマッチ
(5)HSLセカンダリー
(6)【必殺技?!】最後にビネット

編集長
いろいろやらないといけないんだね
編集部ディレクター
いろいろやるのが面倒な人は、自分好みのLUTを見つけて当てると、簡単にできますよ!

>> おすすめの無料LUT10選|LUTとは?基本的な使い方も紹介【動画付き】

(1)全体の調子をS字カーブで作る

RGB全体カーブ1
RGB全体カーブ2

RGBカーブを表示して、3つの点を作ります。

一番下がシャドウ、一番上がハイライト、真ん中がミドルトーンでしたね。

最初に、全体の調子を作る白のカーブで調整します。

シャドウを少し下げ、ハイライトを少し上げて、カーブがS字になるように調整します。こうすることで、濃い部分はより濃く、薄い部分はより薄く、コントラストが付きます。

(2)RGBカーブも同様に調整

RGBカーブ1

その後、RGBをそれぞれ個別に調整します。

同様にトーンカーブに3つの点を作って、RGBパレードの波形を参考にしながら、調整します。

RGBカーブ2

カーブをS字に、という記事もありますが、別にこだわる必要はありません。

カラーグレーディングは、色による映像演出です。

なので、見る人が不快にならなければ、どんな色になっても良いので、いろいろいじって、理想の色を見つけてください。

(3)色相VS彩度をいじってみた

選択した部分の色だけを変える機能です。

ここでは、人物の肌色はそのままにして、それ以外の彩度を下げてみました。

スポイトツールを使って、肌に当てるとその部分に該当する部分に点が付くので、そこを残して動かしてみましょう。

色相VS彩度1
人物以外の彩度を控えめに
色相VS彩度2
元の映像

バックの彩度だけが控えめになり、人物を浮き上がらせる効果があります。

(4)カラーホイールとカラーマッチ

カラーホールとカラーマッチ

今回は、シャドウとハイライトのホイールをいじってみました。

これも『絶対に正解』がある訳ではありません。なので、自分の好みで、かつ不快にならない色を目指します。

紹介した3つの機能のうち、RGBパレードの波形を見ながら、いろいろ動かしてみましょう。

(5)HSLセカンダリー

HSLセカンダリー1

選択した部分のみ、調整することができます。

写真の例では、肌色(スキントーン)を選択して調整しています。

ベクトルスコープを参考にして、選択をしてみましょう。

HSLセカンダリー2

全体の明暗を調整しても良いし、カラーホイールで調整してもOKです。

また、選択部分との境界線を『ブラー』を使って馴染ませることも可能です。

(6)【必殺技?!】最後にビネットをかけてみる

ビネット

外側をぼかす効果があります。結果、中央の被写体を浮き上がらせます。

やるとやらないとでは、全然違う!

使ってみると便利なので、クセになる機能です。

>> Premiere Proカラーグレーディング無料体験してみる

カラーグレーディングとは?まとめ

カラーグレーディングとは?まとめ

カラーグレーディングの概要から、Premiere Proを例にした、カラーコレクションやカラーグレーディングの基礎をご紹介しました。

まとめると

カラグレとは?

映像に色彩補正をする作業

カラグレの目的は?

色調で作品の雰囲気を演出する

カラーグレーディングでできること

シナリオやストーリーを補強し、観客や視聴者に与えたい印象をコントロールする

カラーコレクション作業は?

色補正=正しい色にする。

カラグレをする前工程で、素材によって、色味や明るさの違いが出ないように調整しておく作業

撮影の進行と時間経過により発生する
●明るさ(コントラスト)
●色味の違い(ホワイトバランス)
を調整しておく。
●技術的な側面が強い

カラーグレーディング作業は?

色の演出。

木工に例えると、カラグレは最後の塗装工程。

なので、元の素材を色補正で、均一しておかないと、同じ数値を入れたときに、狙った色に揃わないので注意。

●芸術性や独創性が求められる

RAW素材とは?

カメラのイメージセンサーに映った明暗をそのまま保存したデータ。生データともいう

●そのままでは使えないので、データで現像する必要がある
●色調補正やシャープネス、色のバランスなど、データのすべてを調整可能
●圧縮されていないので、その分データ量が重たい

Log素材とは?

後から色調整することを前提に撮影されている。色の幅を大きく設定している。

●RAWデータのうち『色調』『彩度』『階調』を取り出して圧縮されたデータ
●その分、RAWデータよりも編集できる部分は少ない
●カメラメーカーごとに仕様が違う

▼撮影されたメーカーごとにLogの仕様が違う

●SONY=S-Log
●CANON=C-Log
●Nikon=N-Log
●Panasonic=VSEO-Log

カラーグレーディングをする時に使うのは?(Premiere Pro)

❶波形モニター
❷RGBパレード
❸ベクトルスコープ

カラーグレーディングの色を調整する順番は?

①シャドウ部
②ハイライト部
③ミッドトーン部
④色調整

カラーグレーディングする3つの方法は?

●LUTを当てる(あらかじめ設定された数値を持つ『LUT』を使う)
●マニュアルでやる
●LUTを当てて、さらにマニュアルで調整する

カラーグレーディングのマニュアル例

(1)全体の調子をS字カーブで作る
(2)RGBのカーブも同様に調整
(3)色相VS彩度をいじってみた
(4)カラーホールとカラーマッチ
(5)HSLセカンダリー
(6)【必殺技?!】最後にビネット

でした。

Premiere Proには、Lumetri(ルメトリ)カラーという、カラーグレーディング用のツールが搭載されています。

LUTやLOOKによるプリセットを使ったカラーグレーディングも手軽に行なえ、効率的に作業できるのでおすすめです。

今回も最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!

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