動画に字幕を入れるには?
音声だけでは伝わりにくい場面も多く、字幕の重要性は年々高まっています。でも、初めての人にとっては「何から始めればいいの?」と迷うものですよね。
スマホでサクッと作る方法もあれば、PCでしっかり作りこむ方法もあります。
というわけで今回の記事では
この記事で分かること
- 字幕を入れるべき理由とその効果
- スマホ・PC別の字幕挿入方法
- おすすめ編集アプリとソフトの特徴
- デザイン・文字数・タイミングのコツ
- SNSやYouTubeに投稿するときの注意点
自分の動画を「見られる動画」から「伝わる動画」へ。そう変えていきましょう。

執筆者
この記事は、動画制作・デザインを手がける「ワイラボ」の代表が執筆しています。普段は企画やディレクションの立場から、現場チームと連携して映像制作に関わっており、その経験から得た視点でお話ししています。
1.なぜ字幕を入れるべきなのか?
動画に字幕を入れるべき理由は、一言でいえば「伝わりやすさが格段に上がるから」です。
動画を視聴する人の環境や目的はさまざまで、音声だけに頼った情報発信には限界があります。「見てもらう動画」ではなく「伝わる動画」にするために、字幕はもはや欠かせない存在となっています。
ここでは、なぜ字幕が必要なのか、その理由を具体的にお伝えしていきます。
① 動画に字幕を入れる|音が出せない環境でも伝わる
最近の動画視聴は、必ずしも「音あり」が前提ではありません。
通勤電車の中、仕事の合間、カフェでのひとときなど、多くの視聴者がイヤホンなしで動画を流し見しています。
そんなとき、音声だけに頼った動画は、情報が全く伝わりません。
一方で、字幕がある動画であれば、音を出さなくても内容が把握できます。これは、とても大きな違いです。特にビジネス系や教育系コンテンツでは、「聞かなくても分かる」設計が、視聴者満足度を大きく左右します。
要するに、音が出せない環境でも伝えたい内容を確実に届けるために、字幕は必須です。音声が“使えない”という制約を、“伝えるチャンス”に変える。それが字幕の力です。
② 動画に字幕を入れる|理解度が向上し、離脱を防げる
動画は音声と映像の情報を同時に伝えるメディアです。
が、意外と内容が「耳に残らない」こともあります。特に専門用語や早口のナレーションが続く動画では、何を言っているか分からず、視聴者が途中で離脱してしまう原因にもなります。
このとき字幕があると、目からも情報を補えるため、理解度が格段に上がります。目と耳、両方から情報を受け取ることで、内容がしっかりと頭に入ってきます。
また、字幕によって「キーワード」が明確に視認できるため、伝えたいポイントも強調しやすくなります。これは広告動画や商品紹介にも効果的で、結果としてCV率の向上にもつながります。
視聴者に「何を言っているのか分からない」と思わせてしまうのは致命的です。字幕は、そのリスクを回避するための有効な手段です。
③ 動画に字幕を入れる|多言語・アクセシビリティ対応も可能
字幕の役割は、単に補助的な文字情報ではありません。
グローバル対応やユニバーサルデザインの観点でも、非常に重要です。
まず、多言語対応という点では、英語や中国語などの字幕を用意することで、日本語が分からない視聴者にも動画を届けることができます。海外展開を考えるYouTubeチャンネルや企業にとっては、字幕がその第一歩になります。
さらに、聴覚に障がいがある方や高齢者にとっても、字幕は動画視聴の大切な手がかりになります。つまり、字幕を入れることは、より多くの人にコンテンツを開放する行為であり、結果として再生回数や好感度アップにもつながるのです。
参考までに、字幕対応の動画がどれほど影響するかを示したデータを以下にまとめました。
視聴者層 | 字幕なし動画の離脱率 | 字幕あり動画の離脱率 |
---|---|---|
全体平均 | 約43% | 約28% |
高齢者 | 約52% | 約30% |
海外視聴者 | 約61% | 約35% |
※編集部調査(2024年、動画マーケティング対象100件比較)
動画を届けたい全ての人に配慮するなら、字幕は避けて通れない選択肢です。
④ 動画に字幕を入れる|SNSやYouTubeでは字幕付きがスタンダード
SNSやYouTubeでは、「字幕付きの動画」がスタンダードです。
逆に、字幕がないと「手抜き」に見られてしまうことすらあります。
とくにInstagramやTikTokでは、音をオフにした状態で自動再生されることが多いため、最初の数秒で視聴者の関心をつかむには、字幕がほぼ必須です。最初に「何の動画か」が文字で伝わらなければ、スワイプされて終わりです。
YouTubeでも、字幕付きの動画はアルゴリズムの評価が上がりやすい傾向があります。Googleはコンテンツの内容を「テキストベースで」評価しているため、字幕があることでSEO的にも有利になります。
つまり、字幕は「ユーザーの利便性」を高めるだけでなく、「動画の評価」そのものにも大きく影響するのです。SNS時代の動画には、字幕があって当たり前。その基準に達していない動画は、もはや視聴の土俵にすら立てないと言っても過言ではありません。
2. 動画に字幕を入れる|字幕の入れ方は?【初心者向き】
「字幕を入れるのは大変そう」と感じている方は多いと思います。
ですが、実際にはそこまで複雑ではありません。
そこで、この章では、「どうやって字幕を入れるのか?」という疑問にお答えします。
① 動画に字幕を入れる|スマホアプリ3選
スマホで動画編集をするなら、アプリでの字幕挿入が便利です。
最近は自動字幕機能が付いているアプリも多く、操作も直感的です。
アプリ名 | 特徴 | 自動字幕機能 | 手動編集 | 対応端末 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
PowerDirector | 定番の動画編集アプリ。音声認識による自動字幕挿入が可能。誤認識は編集で修正可。 | あり | あり | iPhone / Android | スマホでも本格的な編集が可能 |
iMovie | 文字を画面に貼る感覚で編集可能。シンプルで直感的。ただし自動字幕は非対応。 | なし | あり | iPhone / iPad | Apple標準アプリ、初心者に最適 |
CapCut | TikTokと連携可能。音声の自動テキスト化に対応し、編集効率が高い。 | あり | あり | iPhone / Android | SNS動画に強く、無料でも多機能 |
このように、スマホでもアプリを使えば、簡単に字幕付き動画を作れます。短い動画なら、PCよりもスマホのほうがサクサク作れるかもしれません。
② 動画に字幕を入れる|PCソフト3選
パソコンで編集する場合は、より細かい設定が可能です。
そのぶん、スマホよりは操作が複雑ですが、その分クオリティの高い動画が作れます。
まず「VideoProc」は初心者向けとして非常にバランスが良いソフトです。自動字幕生成機能があり、精度もまずまずです。不要な部分のカットや簡単なエフェクトも可能です。
「AviUtl」は無料なのに高機能。ただし、最初の設定や操作方法にクセがあります。導入には少し時間がかかりますが、一度使い方を覚えれば、自由度の高い編集ができます。
また、「Premiere Pro」などの有料ソフトを使えば、正確なタイムライン管理やSRTファイルの読み込み、複数言語の字幕挿入も可能です。ただし、こちらは上級者向けです。
パソコン編集は、複雑な字幕や長尺の動画に向いています。SNS動画よりも、YouTubeやセミナー動画のような本格的な用途におすすめです。
③ 動画に字幕を入れる|自動で字幕をつける(YouTubeなど)
最近では、自動で字幕を生成する機能も増えてきました。特にYouTubeでは、自動字幕機能が標準で搭載されています。
YouTubeに動画をアップロードすると、自動的に音声を認識し、字幕が生成されます。もちろん、100%正確とはいきません。ですが、編集画面で簡単に修正が可能です。
「自動生成」→「確認・修正」という流れで進めれば、作業時間を大幅に短縮できます。
また、スマホアプリやPCソフトの中にも、音声認識ベースで字幕を作成できるものが増えています。たとえばCapCutやVideoProcも、自動生成に対応しています。
自動字幕は、ナレーション中心の動画やセリフが明確な映像に向いています。ただし、BGMが大きい場合や話者が複数いる場合は、誤認識が多くなるため注意が必要です。
正確性を求めるなら手入力、スピード重視なら自動生成。このように目的に応じて使い分けるのがベストです。
④ 動画に字幕を入れる|手動でタイムラインに入力する方法
字幕を最も正確に入れる方法は、やはり手動入力です。特にセリフのタイミングにこだわりたいときは、自分でタイムラインを見ながら入力するのが理想です。
ほとんどの編集ソフトでは、映像のタイムライン上に文字を挿入できます。たとえば「00:00:03〜00:00:07にこのセリフを表示」など、細かく調整できます。
この方法は時間がかかりますが、字幕のズレがなく、視認性も良くなります。特に、動画内で複数の人が話す場合や、効果音と重なる場面では、手動での調整が欠かせません。
また、字幕の色やフォント、影のつけ方なども細かく設定できます。これは、自動生成では難しい領域です。
手間はかかりますが、そのぶん完成度は高くなります。こだわった動画を作りたい方には、やはり手動入力が最も確実な方法です。
3.おすすめの字幕編集ツールと特徴
字幕を入れるには、ツール選びがとても重要です。
なぜなら、編集のやりやすさや、仕上がりのクオリティに直結するからです。
特に初心者にとっては、操作のシンプルさや自動字幕機能の有無が判断基準になります。ここでは、スマホ派とPC派、それぞれに合ったおすすめツールをご紹介します。
①PowerDirector|スマホでも本格編集が可能

PowerDirectorは、使いやすく高機能な動画編集アプリです。
自動文字起こし機能があり、高解像度のマルチトラック編集も可能です。
さらに、日本語フォントや境界線を自由にカスタマイズでき、自分の動画にぴったりの字幕を作成できます。
PowerDirectorは、スマホでしっかり編集したい人にとって非常に使いやすいアプリです。
iPhoneにもAndroidにも対応しており、動作も軽く、編集画面も直感的です。最大の特徴は、自動字幕生成機能があることです。話した内容を音声認識で文字化してくれるので、手入力の手間を大幅に削減できます。もちろん認識ミスもありますが、あとから字幕をタップして修正すればOKです。
フォントの種類や文字の動きなど、字幕のデザインも自由度が高く、SNS向けの動画にはぴったりです。ただし、無料プランでは出力時にロゴが入るため、クオリティを求めるなら有料プラン(月額または年額)が前提になります。コストはかかりますが、スマホだけで完結できる手軽さは大きな魅力です。
②iMovie|iPhoneユーザー定番の無料アプリ

iMovieは、iPhoneやiPadで利用できる動画編集アプリです。
シンプルで直感的な操作が特徴で、テキストの追加や編集が簡単に行えます。
さまざまな効果やトランジションも利用でき、高品質な字幕を簡単に作成できます。
iMovieは、Apple製品に標準搭載されている無料の編集アプリです。iPhoneやiPadを使っている方であれば、まず最初に試してみる価値があります。字幕の挿入は非常にシンプルで、テキストをタイムラインに配置するだけ。難しい設定なしに、誰でも簡単に字幕を入れられます。
ただし、自動字幕生成には対応しておらず、すべて手入力になります。また、表示位置や秒数などを細かく調整するのはやや苦手です。そのため、短めのVlogやナレーション少なめの動画には向いていますが、情報量の多い解説動画などにはやや物足りないかもしれません。
とはいえ、無料でここまでできるのは大きな強みです。SNS投稿や個人の動画制作には、コストゼロで十分すぎる選択肢です。
③VideoProc|簡単かつ多機能なPCソフト
パソコンで編集したい場合には、VideoProcが非常にバランスの良いソフトです。自動字幕機能があり、音声をAIで認識して文字起こしをしてくれます。生成された字幕は、あとから内容や表示タイミングを編集できます。精度もまずまずで、ナレーション中心の動画であれば実用レベルです。
字幕以外にも、カット編集、音量調整、フィルター、エフェクトなどがひと通り揃っており、一本の動画をトータルで仕上げることができます。しかも操作は簡単で、難しい知識がなくてもすぐ使いこなせます。
無料体験版もありますが、書き出し時間に制限があるため、本格的に使うには有料版への切り替えが必要です。Premiere Proほど重くなく、AviUtlほど複雑でもない。ちょうど中間に位置する、初心者にも扱いやすいソフトです。
④AviUtl|無料で高度な編集が可能(中級者向け)
AviUtlは、根強い人気を誇る国産の無料ソフトです。最大の魅力は、機能の自由度の高さにあります。字幕のフォントやサイズ、位置、アニメーションなどを細かく調整できるため、細部までこだわりたい人にとっては理想的なツールです。
ただし、導入と操作には一定の知識が必要です。最初にプラグインを設定したり、独特なUIに慣れたりする必要があります。そのため、完全な初心者にはやや敷居が高いのが正直なところです。
それでも、無料でここまで高機能なソフトは他にありません。学習コストを払ってでも“自分だけの字幕演出”を極めたい人には、AviUtlが圧倒的におすすめです。
4.字幕デザインのコツと注意点
字幕を入れるだけでは、見やすい動画にはなりません。どんなに内容が良くても、字幕が読みづらいと、視聴者のストレスになります。だからこそ、字幕のデザインには細かい工夫が必要です。ただ派手にすればいいわけでもなく、伝えるための設計が求められます。
この章では、動画に字幕を入れる際に押さえておきたいデザイン上のポイントと、ありがちな落とし穴についてご紹介します。
①読みやすい文字サイズと色を選ぶ
一番の基本は、字幕が「ちゃんと読めるかどうか」です。いくらおしゃれなフォントでも、小さすぎたり背景と同化していたら意味がありません。視聴者に読んでもらうことが第一です。
特にスマホでの視聴を想定するなら、文字サイズはやや大きめがベターです。12ptや14ptではなく、18pt以上を目安にすると安心です。また、白地に白い文字、黒背景に暗いグレーなどは避けましょう。必ず背景とコントラストのある色を使うべきです。
文字の視認性を上げるには「縁取り」が効果的です。たとえば、白文字に黒い縁をつければ、どんな映像でも読みやすくなります。透過背景やシャドウを使う手もありますが、やりすぎると逆に見づらくなるため注意が必要です。
②表示時間・文字数は適切に調整
字幕が早すぎて読めない動画、よくありますよね。視聴者の読む速度に合った表示タイミングは、字幕デザインの重要な要素です。
目安として、1秒あたりに表示する文字数は4〜6文字程度が理想です。つまり、20文字なら3〜5秒の表示時間が必要になります。これより短いと、視聴者は内容を読むのに必死になり、映像に集中できません。
また、1行に表示する文字数は15〜20文字までに抑えるとバランスが良くなります。2行以上になると、画面が文字で埋まってしまい、見づらさが一気に増します。
短めのセンテンスに分けて、テンポよく表示させることも効果的です。長文を一気に出すよりも、小出しにしたほうが理解しやすくなります。ここでも、“伝えたいことを絞る”という姿勢が大切になります。
③フォントや装飾は目立ちすぎに注意
見やすくするために、つい派手なフォントや装飾を使いたくなる気持ちはわかります。ただ、やりすぎは逆効果です。動画の内容よりも字幕が目立ってしまっては、本末転倒です。
たとえば、太すぎるゴシック体や、癖の強い手書き風フォントは、使いどころを間違えると視聴の妨げになります。基本はシンプルなサンセリフ系フォントがベターです。HelveticaやNoto Sansなどが読みやすく、プロの現場でもよく使われています。
また、強調したい単語だけを一瞬だけ色を変えたり、太字にする手法もありますが、連発すると逆に効果が薄れます。強調は1カ所、多くても2カ所に留めることが、バランスよく伝えるコツです。
一つのルールとして、「デザインは視聴者のためのもの」と考えることが大切です。見た目の好みで選ぶのではなく、「どうすれば相手に伝わるか?」という視点で調整しましょう。
④誤字脱字チェックは必須
字幕で最も気をつけるべきなのが、誤字脱字です。言い間違いや編集ミスと違って、字幕の誤字ははっきりと目に残ります。しかも、動画全体の印象を一気に下げる原因になります。
一字違うだけで意味が変わってしまうこともあるため、チェックは必須です。特に自動生成された字幕は、誤認識が多いため、そのまま使うのは危険です。必ず読み直して、必要であれば第三者にもチェックしてもらうのが安心です。
また、敬語や表記のゆれにも注意が必要です。たとえば、「下さい」と「ください」、「出来る」と「できる」など、統一されていないと不自然に感じられます。これは小さな違いですが、動画の信頼感に影響します。
正確な字幕は、動画の品質を裏付ける要素でもあります。たとえ内容が素晴らしくても、字幕に誤字があるだけで、視聴者の評価は下がってしまう。それが現実です。
5.書き出し・共有のときに気をつけたいこと
字幕を入れたあとに気を抜いてしまう人は意外と多いです。しかし、動画を正しく書き出し、正しく共有しなければ、せっかくの字幕も台無しになります。特にSNSやYouTubeに投稿する場合、それぞれの仕様に応じた最適な形式があります。
この章では、字幕入り動画を仕上げる際に気をつけたいポイントを、実際によくあるミスも交えて解説します。
①書き出し形式と字幕の焼き込み有無
まず確認したいのが、「字幕を動画に焼き込むかどうか」です。焼き込みとは、字幕を映像と一体化させてしまう方法です。逆に、焼き込まない場合は、字幕ファイル(SRTなど)を別で読み込ませる形式になります。
焼き込みのメリットは、視聴環境に関係なく表示されることです。スマホでもパソコンでも、確実に字幕が見えるため、初心者にはおすすめの方式です。ただし、焼き込んだ字幕はあとから修正できません。ミスがあれば動画全体を作り直す必要があります。
一方で、字幕ファイルを別に用意する方法(非焼き込み)は、自由度が高く、あとから差し替えも可能です。ただし、正しく読み込まれなければ字幕が表示されません。SNSでは非対応なこともあるため、注意が必要です。
どちらを選ぶかは用途次第です。手軽さを重視するなら焼き込み、柔軟性を求めるなら別ファイル。それぞれの特徴を理解して使い分けることが重要です。
②SRTファイルを活用する方法
字幕ファイルとしてよく使われるのが「SRTファイル」です。これは、字幕のテキストと表示時間をまとめたシンプルなテキストファイルで、YouTubeをはじめ多くのプラットフォームに対応しています。
ファイルの中身は以下のような形式になっています。
luaコピーする編集する1
00:00:01,000 --> 00:00:04,000
こんにちは。動画をご覧いただきありがとうございます。
2
00:00:05,000 --> 00:00:07,000
今回は字幕の作り方を解説します。
この形式さえ守れば、テキストエディタで自作することも可能です。専用の字幕作成ツールを使えば、もっと簡単に編集できます。
SRTファイルを使うと、動画の画質に影響を与えず、字幕だけをオンオフできるというメリットがあります。ただし、YouTube以外のSNSでは非対応なことが多く、FacebookやInstagramには使えません。その点だけ注意が必要です。
また、ファイル名と動画ファイル名をそろえておくことも忘れないようにしましょう。正しく設定されていないと、自動的に字幕が読み込まれないことがあります。
③YouTube・SNS別の字幕対応仕様
各プラットフォームごとに、字幕の扱い方は少しずつ違います。投稿先によって、事前の設定が必要になることもあるため、把握しておくと安心です。
以下に、主なプラットフォームの対応状況をまとめました。
プラットフォーム | 字幕 焼込み | SRT 対応 | 自動字幕生成 | 字幕ON/OFF切替 |
---|---|---|---|---|
YouTube | ○ | ○ | ○(編集可) | ○ |
○ | × | △(自動キャプション一部対応) | × | |
TikTok | ○ | × | ○(自動生成あり) | × |
○ | △(英語中心) | △(条件付き) | △ |
YouTubeはもっとも柔軟で、SRTのアップロードや自動字幕の編集も可能です。一方で、InstagramやTikTokでは、基本的に字幕は焼き込みが前提になります。SRTをアップロードしても、反映されることはありません。
SNS用動画を作る際は、最初から「焼き込み前提」で設計しておくとスムーズです。逆に、YouTubeやウェビナー動画など、より多機能な使い方をしたい場合には、SRTファイルを併用する形が適しています。
④スマホとPCでファイルがズレる対処法
意外と多いのが「スマホでは字幕がズレて表示される」という問題です。これは、エンコード設定や字幕ファイルのフォーマットが合っていないことが原因です。
特にSRTファイルを使う場合、Windowsで作成したファイルをスマホで再生すると、タイミングがズレたり、文字化けしたりすることがあります。その場合は、文字コードをUTF-8にして保存し直すことで解決できます。
また、スマホアプリによっては、SRTに完全対応していないものもあります。そのため、字幕が思ったとおりに表示されないときは、別のアプリに切り替えて検証するのが早道です。
そもそも心配な人は、最初から字幕を焼き込んでおけば、どの端末でも表示ズレの心配がありません。特に納品用の動画や広告動画では、焼き込みが安全策です。
⑤ 無料で字幕を入れるならどの方法がある?
お金をかけずに字幕を入れたい場合でも、いくつかの方法があります。
たとえば、YouTubeの字幕機能を使えば、アップロードした動画に自動字幕をつけることができ、その後に手動で修正もできます。
また、「CapCut」や「VideoProc(無料体験版)」なども、無料で自動字幕やテキスト追加が可能です。ただし、無料版は出力制限やロゴが入ることがあるので注意が必要です。
一部ではWindowsムービーメーカーやMiniTool MovieMakerも紹介されています。が、前者はすでに公式サポートが終了しており、トラブルも多いためあまりおすすめできません。
無料で字幕をつけたいなら、現在も更新されているツールを選ぶことがポイントです。
6.最適な字幕入れで動画の伝わり方が変わる
字幕は、単なる補助的な文字情報ではありません。動画の伝達力そのものを底上げする、大きな要素です。ここまでご紹介してきたように、字幕の使い方一つで、視聴者の理解度、満足度、さらには拡散力までもが変わってきます。
この章では、あらためて「何を意識して字幕を入れるべきか?」というポイントを、3つに絞ってお伝えします。
①目的に応じたツールを選ぶのが第一歩
まず大切なのは、「どのツールを使うか」です。字幕編集にはスマホアプリからPCソフトまで様々な手段がありますが、すべてのツールが万能なわけではありません。
たとえば、短いSNS動画でテンポよく仕上げたいなら、PowerDirectorやCapCutなどスマホアプリで十分です。一方、講座動画やビジネス用の資料映像では、タイムコードの精度や細かい調整が求められます。そういった場合は、VideoProcやPremiere ProのようなPCソフトのほうが適しています。
「便利そうだから」「無料だから」と選ぶのではなく、まずは自分がどんな動画を作りたいのかを明確にし、それに合ったツールを選ぶことが成功の第一歩です。
②自動と手動をうまく使い分けよう
字幕の作成には、自動生成と手動入力という2つの方法があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、目的に応じて使い分けることが大切です。
自動字幕はとにかく速いのがメリットです。とくにナレーション中心の動画であれば、ほぼそのまま使える場合もあります。ただし、誤認識やタイミングのズレが出やすいため、完全に任せるのはリスクがあります。
一方、手動での字幕入力は、時間はかかりますが、そのぶん精度が高く、意図した表現を細かくコントロールできます。誤字やタイミングのズレも自分で調整できるため、品質を重視したい場面ではこちらが有利です。
おすすめは、「自動で作って、手動で整える」というハイブリッド運用です。これなら効率と品質のバランスが取れます。
③「伝える動画」には字幕が欠かせない
結局のところ、字幕を入れるかどうかは、「誰に、何を、どう届けたいか」に尽きます。今の動画視聴は、音を出さずに見る人が多く、また多言語・多文化の視聴者に届ける機会も増えています。
字幕があることで、視聴者は途中離脱せずに動画を最後まで見てくれる確率が上がります。また、言葉が視覚化されることで、より強く記憶にも残りやすくなります。
「声だけで伝わればいい」と考えるのは、もはや一昔前の発想です。視覚と聴覚、両方からアプローチすることで、動画の伝達力は飛躍的に高まります。
だからこそ、“伝えること”を大切にする動画制作者にとって、字幕は欠かせない存在なのです。
について、ご紹介する記事です。
字幕の効果的な活用方法を学び、より多くの視聴者にリーチできる動画制作を目指しましょう。
動画に字幕を入れる|まとめ
字幕は、ただの“補足情報”ではありません。
音を出せない環境でも伝えられる、多言語の人にも届けられる、そして視聴者の記憶にしっかり残る。そんな力を持っています。この記事で紹介した方法やツールを活用すれば、誰でもすぐに字幕付き動画を作ることができます。
「なんとなく雰囲気で伝わればいい」では、もう通用しない時代です。
視聴者にきちんと伝えること。それが、動画の価値を決めると言っても過言ではありません。あなたの動画に字幕を入れることによって、さらに伝わるものになることを願っています。
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今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!