
一眼レフを購入して、動画撮影を始めて、楽しくなってきた頃に欲しくなる機材が三脚です。
手振れを防ぐということだけではなく、構図を固定したりとたくさんのメリットがあるのは当然として、それ以外にも重たい照明やマイクを付け始めると、手録りだけでは限界があります。となると、初心者から上級者になるためには、三脚は必須アイテムともいえます。
そんな大切な三脚だからこそ、選び方にもポイントがあります。決して安い買い物ではないし、あとで「しまった!」と後悔しないためにも、情報は少しでも多い方が間違いない!
ということで、今回の記事では、一眼レフカメラの動画撮影時の三脚の選び方と、おすすめの三脚10選と題して、お伝えします。
三脚を選ぶポイントは?
まずは、三脚を選ぶポイントを3つにまとめてみました。
<2>着脱が楽なものを選ぶ=ネジ式かクイックシュー式か?
<3>耐荷重=やっぱり安定性が一番
ひとつずつ、お伝えします。
<1>雲台の種類は?=撮影の目的で選ぶ
カメラを載せる部分を『雲台』と言います。
●自由雲台
●2WAY雲台(ビデオ雲台)
一眼レフを使って何を撮るのか?によって、選ぶ雲台が変わってきます。
動画を中心に撮りたいときは、ビデオ雲台の三脚で、商品を撮るから3WAYの三脚でとか、撮影の用途別に、何台も三脚を持てる予算があったら、それに越したことはありません(笑)。が、そうでもないときは、注意が必要です。
3WAY雲台
3WAY雲台は、水平・垂直・斜めに個別に調整が可能な雲台です。
それぞれの方向に動かせる反面、1方向ずつロックしないといけないので、ちょっと面倒に感じる人もいます。その反面、ロックを緩めた方向にした雲台が動かないので、構図を作りやすいという特徴があります。
被写体の動きが少なく、じっくりと構図を決めて撮影したい『自然の風景』や『建築物』『商品画像』の撮影に向いている雲台です。
自由雲台
自由雲台は、内部に備えたボール状の部品を使うことで、1つの固定用ノブをゆるめると、あらゆる角度に雲台が動かして、同じく一つのノブで固定ができる雲台です。
位置調整がシームレスなので、固定用ノブを緩めたまま、カメラをもったまま構図を決められます。また一つのノブで固定できるため、構図を素早く決められるというメリットもあります。
3WAY雲台に比べるとロックをするハンドルが少なく、レバーが邪魔だと感じることもないので、携帯性にも優れた雲台です。
2WAY雲台
2WAY雲台は、別名でビデオ雲台と呼ばれる雲台です。垂直と水平の2方向に調整できます。
動画撮影では、横方向へカメラを動かしながらの撮影(通称=パン)や、縦方向へカメラを動かしながらの撮影(通称=ティルト)が多いです。そうした撮影が滑らかに行えるという特徴があります。
その一方で、カメラの方向を縦位置に構えたりできないのが、ほかの3WAY雲台や自由雲台との違いです。(ビデオカメラを縦にして撮っているって見たことないですよね?)
<2>着脱が楽なものを選ぶ=ネジ式かクイックシュー式か?
カメラを雲台に固定する方法には、2種類の方法があります。
一眼レフでの動画撮影では、カメラの着脱が簡単なクイックシュー式のものがオススメです。
<3>耐荷重=やっぱり安定性が一番
三脚を使う目的は、手振れ防止と構図の安定です。一眼レフといえども、リグを使って、マイクをつけたり、照明をつけたりしていると、やっぱり重量は重くなってきます。
それを計算に入れて、耐荷重は、搭載する総重量の3倍の耐荷重を目安にしましょう。
●パイプ径はより太いものが上部。目安は28mm。上段の太さよりも最下段の太さが重要
●材質は、同じ重さならアルミよりもカーボンの方が丈夫
番外編:有名メーカーで選ぶ
三脚にも有名なメーカーがあります。ブランド力を持っているメーカーで選びたい!という人向けに、お伝えしておきます。
60年以上の歴史をもつ日本の老舗メーカー。
写真用三脚の輸出専業としてスタートし、エントリーレベルの比較的安価な三脚を扱う。海外でも人気のあるメーカーです。
高い機能性とデザイン性でアマチュアからプロまで幅広いファンを持つイタリアの三脚メーカー。
三脚のみでなく、撮影サポート機材を廉価版からプロ仕様のものまで扱うメーカーです。
ビデオ三脚専門の国内撮影機器メーカー。テレビ局などのプロも安心して使っています。
三脚で始まった会社で、現在は、機能性や耐久性、軽量化などで世界でも高い支持を受けています。
そのほか、今回はご紹介しませんが、プロでも憧れるドイツの三脚メーカーであるザハトラーというメーカーも有名です。

価格も高価格帯の製品ですが、もともと映画カメラマンであったヴェンデリン・ザハトラーが始めた会社で、60年以上動画用の三脚を専門とし、現在、映画やテレビ業界で世界トップクラスのシェアを誇っています。
一眼レフでの動画撮影におすすめの三脚8選!
ここからは、おすすめの三脚10選をご紹介します。
商品名 | 最安値 (全て税込) |
Amazonレビュー (2023年3月3日現在) |
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---|---|---|---|
![]() TH-X |
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45個の評価 | |
![]() Befree live |
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520個の評価 | |
![]() MVH500AH-755CX3 |
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1,823個の評価 | |
![]() MVH502A-546GB-1 |
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2,084個の評価 | |
![]() VCT-VPR1 C |
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292個の評価 | |
![]() MF70C |
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8個の評価 | |
![]() MTT609A |
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190個の評価 | |
![]() MTT605A |
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26個の評価 | |
![]() HL-T660Ⅱ |
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15個の評価 | |
![]() MTT601A |
|
190個の評価 |
① Libec ヘッド&三脚システム TH-X
ビデオ撮影、フォト撮影、どちらに対応できるコンパクトで堅牢な脚部がポイント。 素材がアルミなので、若干の重量があるが、本格的な三脚を購入する前の入門機として最適な一台。 強さの調整はできないものの、この金額でカウンターバランスやトルクが装備されている点が評価できる。 使いやすさ
4.5 安定性
4.5 耐久性
4.2 Libecは三脚などの撮影機材では有名なメーカーで、世界中のプロから長きに渡り信頼を得ています。このLibec TH-Xは、アルミニウム素材の三脚で、耐荷重は4kg、重量は3.1kgです。 TH-XはLibecらしい操作性・堅牢性、軽量性を備えており、中級者にもおすすめできる三脚です。クイックシュー式のプレートは一眼レフカメラのワンタッチ着脱が可能なだけでなく、ManfrottoやSachtlerとの互換性もあります。 全高159cmの三脚は最低高75.5cmまでコンパクトになり、キャリングケースも付属しているため可搬性にも優れています。
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② Manfrotto 三脚 Befree live
耐久性
4.2 使いやすさ
4.0
安定性
3.7
脚部は4段階となっており、独自のMロック方式の採用により、セッティングもスムーズかつスピーディーに行えます。 ビデオカメラ用三脚と聞くと、一眼レフで使えるのか不安に感じられるかもしれませんが、基本的に取り付け用ネジのほとんどが1/4インチで規格が統一されているので、一眼レフカメラをビデオカメラ用三脚にも取り付けて使うこともできます。
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③ Manfrotto MVH500AH-755CX3
軽さ
4.2
安定性
4.1
使いやすさ
4.0
カウンターバランス機能がついており、パンやティルトの動きもスムーズ。一眼レフカメラの動画撮影に十分応えられる性能をもっています。 Manfrotto MVH500AH-755CX3は取り付けが簡単なクイックシュー式ですが、独自のスライディングプレートの採用により、外出先でもセットアップに戸惑うことはありません。
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④ Manfrotto MVH502A-546GB-1
Manfrotto MVH502A-546GB-1は、アルミニウム素材でできた三脚です。アルミニウムはカーボンに比べて重いため、Manfrotto MVH502A-546GB-1の重量も7.1kgになります。 しかし、耐荷重は10kgのため、本格的な撮影にはとても便利でしょう。 Manfrotto MVH502A-546GB-1がおすすめなのは、4段階のカウンターバランスを搭載している点です。 一眼レフカメラでも、ティルト方向の動きによってカメラが止まらないトラブルは避けたいものです。これを防ぐのがカウンターバランスですが、調整可能なものは上級者に不可欠であるにも関わらず、搭載している三脚は価格も高価な傾向にあります。 しかし、このManfrotto MVH502A-546GB-1は、カウンターバランス搭載で約50,000円台から購入可能です。カーボンに比べて少し重いのが難点ですが、それを補うほどの魅力があります。
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⑤ SONY VCT-VPR1 C
SONY VCT-VPR1 Cは、一眼レフカメラも使えるビデオカメラ用三脚です。 SONYの一眼レフカメラは特にフィットしますが、CanonやNikonなどのカメラでも使いやすいでしょう。 SONY VCT-VPR1 Cの耐荷重は4kgあり、アルミニウム製ながら重量は1.3kgとカーボン並みの軽量さを実現しています。全高は148cmありますが、最低高は48cmとかなりコンパクトです。 リモコン操作
4.5
安定性
4.4
軽さ
4.3
SONY VCT-VPR1 Cがユニークなのは、リモコン付きという点です。このリモコンは取り外せて使えるだけでなく、雲台のハンドルに取り付けて操作することもできます。
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⑥ ARTCISE カーボンビデオ三脚 MF70C
ARTCISE MF70Cは、2万円台から購入できるカーボン製の三脚です。耐荷重は12kg、三脚自体の重量は3.8kgになります。最低高は184cmで、最低高は88cmです。 脚部先端は馬蹄形状になっており、さらに脚部中ほどに中心連続設計を採用することで、三脚の安定度を高めています。 オイルフリュード雲台には水準器も付いているなど、ARTCISE MF70Cには一眼レフカメラでの動画撮影に必要な機能が一通り備わっています。 カーボン素材である点と機能を考慮すると、ARTCISE MF70Cのリーズナブルな価格は際立っています。そのため、安価で高い耐荷重を扱える三脚をお求めの方におすすめです。
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⑦ miliboo 油圧ダンピング MTT609A
miliboo MTT609Aは、耐荷重15kgながら2万円台で購入できるアルミニウム製三脚です。 航空機に使われるアルミニウム素材により、重量は5kgに抑えられています。最低高は83cmですが、撮影時は170cm~54cmの間で調整可能です。 軽さ
4.3
安定性
2.6
見た目にもたくましい脚部にはスプレッダーが備わっており、使いやすさにも配慮されています。オイルフリュードの雲台には1/4インチに加え、3/8インチのネジ穴もあるため、一眼レフカメラの機種も選びません。 脚部のスプレッダーは先端についているため、傾斜や凹凸のある地面などには適さないかもしれません。その点を除けば、リーズナブルで使いやすい三脚であると言えるでしょう。
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¥32,800
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⑧ miliboo アルミニウム MTT605A
安定性
4.4
軽さ
3.3
脚部はレバーロック方式のため、セッティングもスピーディーかつ簡単です。雲台はオイルフリュードなので、粘りのある滑らかなパンとティルトが可能です。 1/4インチと3/8インチのネジ穴によりソニー、キャノン、ニコンなどの一眼レフカメラにも対応。
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¥30,451
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⑨ HELIN 三脚 HL-T660
Amazonの評価では、3.6とあまり高くないものの、テレビ局でのカメラマン経験がある弊社スタッフも購入した三脚。(未だに使っています(笑)) 素材がアルミで重さは感じるものの、パン、ティルトともに操作性もスムーズ。あまりに重たいカメラを載せるのは難しいが、一眼レフカメラであれば、十分。 この価格帯でカウンターバランスがついているのも評価できるオススメの三脚。 業務用でもサブとして使うレベルであれば、問題なく使えるレベルです。この値段でのコストパフォーマンスを考えるとかなり良い方だと思います。
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¥19,600
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⑩ miliboo DSLRカメラビデオカメラ用 MTT601A
安定性はピカイチながら、軽さという点では、残念なレビュー評価となっているが、その一方で、ビデオカメラや業務用のプロカメラにも耐える耐荷重10kgの三脚として、高い評価を得ている。 カウンターバランスは装備していないものの、ビデオ雲台でありがちな大きなレンズを着けたときに、お辞儀をしてしまうということもなく、安定感がある。 安定性
4.6
軽さ
2.6
コストパフォーマンスでいうと、収納ケースもしっかりした物で、付属品もセットとになっていて、お買い得なイメージ。 パン、ティルトの操作性もよく、車での運搬が可能であれば、動画撮影にはオススメの一台。
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一眼レフでの動画撮影におすすめの三脚10選!まとめ
ここまで、一眼レフでの動画撮影におすすめの三脚10選をお伝えしました。
まとめると
<2>着脱が楽なものを選ぶ=ネジ式かクイックシュー式か?
<3>三脚ロック方式=高さ調整のしやすさを重要視する
<4>耐荷重=やっぱり安定性が一番
② Manfrotto 三脚 Befree live
③ Manfrotto MVH500AH-755CX3
④ Manfrotto MVH502A-546GB-1
⑤ SONY VCT-VPR1 C
⑥ ARTCISE カーボンビデオ三脚 MF70C
⑦ miliboo 油圧ダンピング MTT609A
⑧ miliboo アルミニウム MTT605A
⑨ HELIN 三脚 HL-T660
⑩ miliboo DSLRカメラビデオカメラ用 MTT601A
でした。
追加のポイント:三脚ロック方式=高さ調整のしやすさを重要視する
最近の三脚は、より機能的な性能がアップしています。
以前は、高さ調整をしようとしたら、たとえば三脚×2段=6個のロックを外して、調整して、また6個止めるという作業が必要でした。
ところが、最近では、同じ3段の三脚でも、上部の1箇所だけを操作すると、簡単に高さを変えられるという機能性の高い三脚が出現しました(笑)。
撮影時にアシスタントがいれば、少しは作業負担は軽減されますが、一人での撮影では、少しでも時間の手間は省きたいところ。こちらも選ぶポイントとして頭に入れておくことをお勧めします。
今回も最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!
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