Twitterに動画をアップロードしたら、思ったより画質が劣化していて「あれ?」って思ったことはありませんか?
Twitterでは高画質で動画をアップロードするのにちょっとしたコツがあります。この記事では、動画を劣化させないようにアップロードする方法をご紹介します。
目次
Twitterに動画を高画質でアップロードする方法(その1)
高画質でアップロードする方法1:動画サイズを720px以下にする
Twitterに高画質なまま、動画をアップロードするにはコツがあります。
それは、動画サイズを小さくすることです。
意外ですよね。理由は、Twitterのサービスは、縦横サイズの短い方が720px以上だとエンコードされる仕組みになっているため、です。
逆に、動画の縦か横の短い方の長さが、720px以下だと、エンコードされずに、高画質のままで再生が可能になります。
つまりTwitterで、高画質な動画を無理にアップロードするよりも、逆にTwitterのサイズに合わせた動画をアップロードする方が、結果的に高画質な動画で再生できる、というわけです。
エンコード(圧縮)されないギリギリの範囲に、動画サイズを小さくすれば、エンコードされずにアップロードできます。
解説:画質劣化の理由になる『エンコード』とは?
さて、撮影編集した動画をTwitterにアップロードするときに動画が劣化してしまう理由は、圧縮作業が行われるからです。
圧縮作業のことをエンコードと呼び、SNSにアップロードするときはほとんどの場合は、自動で行われる処理です。
なぜ、勝手に圧縮=エンコードされてしまうのか?というと、アップロード作業の際に使用しているIPhoneなどに、負荷がかかってしまうためです。
今回のテーマであるTwitterでは、必ずエンコードが行われます。高画質の動画をTwitterにアップロードした時は、エンコードが原因で、逆に動画が劣化するのです。
Twitterに動画を高画質でアップロードする方法(その2)
高画質でアップロードする方法2:データ量を抑える圧縮の仕組みを知ろう
Twitterで高画質の動画を再生するためには、エンコードの他にも気をつけることがあります。それは、あらかじめ動画のデータ量を小さくして、ビットレートを小さくするということです。
動画データに限らず、デジタルデータは、すべて二進法でできているため、たとえば上記の写真では、人間が見れば、野球場だと一目でわかりますが、コンピューターのなかでは、違います。
データのなかでは、写真もテキストもすべて『0』『1』でできています。仮に『000011110000000』と書き換わったとしましょう。それを同じ数の部分だけをまとめるとこんな感じになります。
このように、同じような色合いだったり風景だったりする部分は、まとめて0が4つ、1が4つなどのようにまとめられていきます。
野球場の写真だったら、芝生や建物はほとんど動きがないので、こうしてまとめられていきます。そうするとその分データ量が減るわけです。
これが圧縮の仕組みです。動画のファイル形式の一つであるMP4も圧縮形式のひとつです(Moving Picture Experts Group=ムービング・ピクチャー・エクスパーツ・グループ)。
データ量が大きくなってしまうのには、さまざまな理由があります。特に、以下のようなものは圧縮が効きづらく、データが重くなる可能性が高くなります。
- 画面全体で動きが激しい動画
- 色調再現が一定ではなく、色が入り混じっている
重たいデータは、その分、ビットレートが高くなります。逆に動きの少ない動画や色彩が豊かでない動画をアップロードすると、画質を落とさないで再生できる可能性が高いです。
そう考えると、手ぶれが多い動画も動きが激しくなってしまう分、データ量が重くなりますね。最終的にビットレートが高くなってしまう原因にもなります。利用できるときは、できるだけ三脚を利用しましょう。
解説:画質劣化の理由になる『ビットレート』とは?
さて「ちょっとビットレートがわからない!」という人に向けて、ビットレートについて、簡単にご説明します。
ビットレートは、一言でいえば、動画1秒間あたりのデータ送受信量のことです。bps(ビットパーセコンドの略)という単位で表されます。動画の再生画質を左右する要素になります。
動画におけるビットレートは、映像と音で構成されています。映像のビットレート + 音声ビットレート=オーバルビットレートと呼ばれます。
最終的には、映像と音声が一緒に転送されて、私たちの目に触れることになります。
単純にビットレートが高ければ、きれいに動画が再生されますが、その反面で、ネットワーク環境や再生するスマホなどの端末に、負荷がかかってきます。
Twitter動画に限らず、このビットレートサイズが大きいと、Twitterなどにアップロードした際には、どうしてもエンコードが必要になり、その結果、逆に画質が劣化してしまうのです。
Twitterに動画を高画質でアップロードする方法(その3)
高画質でアップロードする方法3:Twitter以外のURLを貼り付ける
ちょっと変わった方法ですが、Twitterに動画をアップロードしないという方法もあります。例えばYouTubeに動画をアップロードして、URLを貼り付けるという方法で、Twitterに動画を共有することも可能です。
YouTubeならTwitterのように動画の劣化が少ないので、高画質の動画をそのまま使うことができます。
Twitterに投稿する際のPremiereのエンコード設定
Premiere Proで編集した動画をTwitter投稿用にエンコードする方法があります。これを利用すれば、Twitterでも高画質の状態のまま動画を見ることができます。Premiere Proで編集したあとの、書き出しのタイミングで設定が可能です。
まだPremiere Proをお持ちでない方は、無料体験版でも同様のエンコードができますので、試してみてはいかがですか?
Premiere Proのエンコード設定1:形式は「H.264」
Premiere Proで書き出しを選びましょう。まず最初は書き出しの形式を設定します。
書き出しの形式は「H.264」です。この形式は最近もっとも使われる形式で、ベーシックな形式とも呼べます。
Premiere Proのエンコード設定2:プリセット「Twitter 720p」
次に形式の下にプリセットというのがあるので、その中の「Twitter 720p HD」を選びましょう。先ほど動画サイズが720px以下にするとエンコードされないと説明しましたが、それがまさにこの設定です。
Premiere Proのエンコード設定3:ファイル名と保存先を決めて出力
あとは、出力名を設定して完成です。ファイル名や保存先はわかりやすいようにしましょう。出力が完了したら、TwitterにアップロードすればOK。高画質の状態で再生できるか確認しましょう。
画質を劣化させるエンコード避けるためには?
動画サイズを適切な大きさにしよう
エンコード(データ圧縮)が行われる動画は、動画サイズが大きいことが理由のひとつだとお話ししました。
フルハイビジョン(1920px×1080px)は、動画サイズが大きすぎるため、エンコードが必要になります。しかし(1280px×720px)などの小さい動画サイズになると、エンコードなしでもアップロードが可能なのです。
アップロードする動画のサイズをあえて低くして、高画質動画を避けるとエンコードがされず、結果的にきれいな動画をアップロードすることができます。
フレームレートを小さくしよう
iPhoneなどで、撮影する場合、フレームレートの設定ができます。機種によってさまざまですが、30fpsや60fpsなどがフレームレートです。フレームレートとはなにか?というと、1秒間に撮影できるコマ数です。
極端に言ってしまうと、1秒間に1コマの映像があったら、動きがカクカクしますよね?
逆にコマ数が多ければ多いほど、動きがスムーズになります。たとえば、スポーツ競技で、ボールを使う競技などでは、コマ数が多いほど、きれいに見えます。
ただ、今回のTwitter動画であれば、設定を60fpsにした場合には、ビットレートも高くなってしまい、アップロード時に、エンコードが必要になって、画質が落ちてしまいます。
ですので、フレームレートも60fpsから30fpsに変えて、画質の劣化する原因を取り除きましょう。
通信環境も大きく関連する場合がある
作り手の目線ではなく、動画を再生している視聴者側の視聴環境も大きく関連する場合があります。特に通信環境が悪い場合や、使用しているブラウザ(Google ChromeやSafariなど)の調子が悪い場合も考えられます。
このような場合は、動画の作り手は関係ないのでどうしようもありません。ただ再生している側が原因で、動画の劣化が起こることも頭に入れておきましょう。
Twitterに動画を高画質でアップロードする方法まとめ
Twitterでは動画をアップロードするときにエンコードが行われるため動画が劣化してしまいます。動画を劣化させずにアップロードするには、動画サイズやビットレートを下げる必要があります。
ただPremiere Proがあれば、簡単に高画質の書き出しができるのでおすすめです。Premiere Proを利用しているなら書き出しのタイミングでTwitter用に書き出ししましょう。