
一眼レフでも動画撮影ができるということで、一眼レフとビデオカメラのどっちを買おうか迷っている人も多いでしょう。何より一眼レフとビデオカメラの違いがわからない人が多いですよね。この記事ではどっちが動画撮影におすすめか比較して紹介していきます。
※この記事のビデオカメラとは、家庭用のハンディカメラのことです。テレビカメラなどの業務用ビデオカメラではありません。
目次
ビデオカメラと一眼レフ|動画撮影の特徴の違い
ビデオカメラと一眼レフですが、どっちも動画の撮影が可能です。一眼レフカメラは写真専用だと思われがちですが、最近では一眼レフで動画を撮影する人が増えてきました。ここではビデオカメラと一眼レフの動画撮影時の違いについて見ていきましょう。
撮影の違い1:ビデオカメラは片手、一眼レフは両手
大きな違いとしてあげられるのが、ビデオカメラは片手で撮影できることと一眼レフは両手での撮影になるということです。ビデオカメラは片手で簡単に撮影でき、また撮影時間が長くても手が疲れません。逆に一眼レフは両手で撮影することが主流です。そして本体とレンズの重量を合わせると1kgほどの重さになります。片手か両手か、そして重量がビデオカメラと一眼レフの大きな違いのひとつになります。
撮影の違い2:一眼レフは写真撮影のために作られている
一眼レフは写真撮影のために改良が加えられているカメラです。そのため写真のような美しいボケ感で撮影することが可能になります。そして写真撮影のために作られているため、動画のことを第一優先で作られたカメラではありません。
これが一眼レフでの動画撮影のさまざまなデメリットを生んでいます。しかし裏を返せば、上手く使いこなすことができれば動画も撮れるし、美しい写真も撮影できるという一石二鳥のカメラでもあるのです。
撮影の違い3:ビデオカメラは動画専用のカメラ
ビデオカメラは動画撮影のために作られたカメラになります。そのため動画撮影がしやすいように作られています。美しい写真は撮ることはできませんが、動画撮影がしやすいような工夫がされていることがビデオカメラの魅力です。特に手ブレ補正機能や光学ズームが優秀なため、運動会などでは大活躍します。
一眼レフでの動画撮影のメリット
一眼レフのメリット1:ボケ感のある映画のようなムービーが撮影可能
一眼レフカメラの特徴はボケ感のある動画が撮影できることです。一眼ならではの映画のようなボケ感を動画にも取り込めるのが一眼レフの大きなメリットになります。シネマティックなムービー演出ができるのが一眼の魅力です。
これは一眼レフカメラのセンサーサイズがビデオカメラよりも大きいことがあげられます。高価な一眼レフになるとフルサイズセンサーが入っているため、よりボケ感のあるシネマティックな動画撮影が可能になります。
一眼レフのメリット2:レンズで撮影の幅が広がる
一眼レフカメラは本体とレンズの2つが組み合わさって撮影が可能になります。そのためレンズによっては、全く違う特殊な映像を撮影することができます。レンズを変えられるのは一眼レフならではのメリットです。ビデオカメラはレンズの交換ができません。
- 標準ズームレンズ
- 広角ズームレンズ
- 望遠ズームレンズ
- 単焦点レンズ
- マクロレンズ
- 魚眼レンズ
一眼レフでは6種類のレンズがあり、レンズによっては面白い動画を撮影することができます。これは一眼レフならではの楽しみでもあります。
一眼レフのメリット3:暗いところや屋内でも明るく撮影できる
一眼レフカメラのセンサーサイズは、ビデオカメラと比べて大きいです。実はセンサーサイズが大きいと、光をより多く取り込むことが可能になります。つまり夜の暗い場所での撮影や屋内での撮影もビデオカメラより明るく撮影することができるのです。
ビデオカメラでは暗すぎて撮影できない場合でも、一眼レフカメラなら撮影できるということもあります。
一眼レフでの動画撮影のデメリット
メリットがある反面デメリットもあります。購入する前にデメリットも確認しておきましょう。
一眼レフのデメリット1:ピントが合わせにくい
一眼レフカメラの特徴のひとつとしてボケ感のある動画を撮影できると伝えました。実はボケ感のある動画というのは、被写体にピントがしっかりと合っているときに起こることなのです。また一眼レフカメラでは、しっかりとピントを合わせて撮影するのが基本になります。そして一眼レフカメラは写真のように一瞬を静止画として切り取ることがメインの機能です。そのため動画のように動くものや撮影者が動いている場合は、ピントが合わせにくくなります。筆者は実際に一眼レフで動画撮影をしてますが、AF(オートフォーカス)では被写体からピントがズレてしまうことが多々あります。
最近の一眼レフカメラではAFがどんどん良くなっていますが、動画を撮影するときはうまくピントが合わないことが多いです。結局MF(マニュアルフォーカス)で撮影することもしばしばあります。
一眼レフのデメリット2:外部マイクが必須
一眼レフカメラは写真を撮るために作られたカメラです。そのため音声をうまく拾ってくれません。一眼レフカメラは全方位の音を取り込もうとするので、YouTuberのような自撮りを撮影する際は、外部マイクを取り付けることがおすすめです。
その点を考えるとビデオカメラは、音声含めての動画のため一眼レフカメラよりも優れた音声の収録が可能になります。一眼レフカメラの外部マイクは安くても1万円近くするので、余計な費用も重なることがデメリットとも言えるでしょう。
一眼レフのデメリット3:長時間の撮影には向いていない
一眼レフカメラは長時間の撮影には向いていません。それは写真を撮ることがメインであると同時に、30分以上の撮影ができないものが多いのが理由です。30分以上撮影できないのは、ヨーロッパの関税が原因だと言います。
日EU・EPAでは、ビデオカメラに関税がかかるようになっています。そして、その条文の中で30分以上撮影できるデジタルカメラはビデオカメラとして分類されることになっています。そのため一眼レフカメラでは、30分以上連続しての撮影ができないようになっているものが多いです。
ビデオカメラではこのようなことがないので、ムービーを撮りたいだけならビデオカメラの方が使い勝手が良いと言えるでしょう。
ビデオカメラでの動画撮影のメリット
ビデオカメラのメリット1:片手で手ブレにも強い
動画撮影において撮影者がとても気にすることに手ブレがあります。実は、ビデオカメラは手ブレ補正がとても優秀で、ちょっとしたブレなら全然補正してくれます。ビデオカメラは片手で撮影するものなので、強力な手ブレ補正がされているのです。
一眼レフカメラには、手ブレ補正がない訳ではありません。現在ではほとんどの一眼レフカメラに手ブレ補正機能が付いています。しかし一眼レフカメラの手ブレ補正は、あくまで写真を撮影するときの手ブレ補正です。動画で起こるような手ブレは補正できません。
ビデオカメラのメリット2:光学ズーム機能が備わっている
ビデオカメラの大きなメリットに光学ズームがあります。これはカメラによってどれだけズームできるかは変わってきますが、ビデオカメラのテレビCMでは、運動会で走る子供を遠くからでもズームして撮影することが可能だと紹介されていますよね。
一眼レフカメラでは、遠いものを撮影するときに望遠ズームレンズに付け替える必要があります。そのためお金も手間もかかってしまいます。
ビデオカメラのメリット3:音声をきれいに録音
ビデオカメラは音声をきれいに録音することが可能です。一眼レフカメラでは、雑音や余計な音が入ってしまうところ、ビデオカメラでは鮮明に音を取り込めるのです。ただ一眼レフカメラに外部マイクを取り付けた場合は、ビデオカメラよりも良い音質で撮影することが可能になります。
ビデオカメラは、本体だけで光学ズームも手ブレも音声も一眼レフよりも優れていることは間違いありません。
【結論】あなたにおすすめなのはどっち...
ここまでビデオカメラと一眼レフのメリットやデメリットを見てきましたが、どっちを買おうか決めかねている人も多いのではないでしょうか?ここではあなたにぴったりと合ったカメラを買えるように、シーンや特徴からあなたに合ったカメラをおすすめします。
おすすめはどっち?記録として残したいだけならビデオカメラ!
子どもの成長記録や家庭の何気ない様子を撮影するならビデオカメラがおすすめです。とくに何度も撮影をやり直したりしないような旅行の何気ない一瞬や、運動会などのイベントごとを記録として残しておきたい場合にはおすすめになります。
ビデオカメラはコンパクトで軽く片手で撮影できます。持ち運びも簡単なので、とにかく記録としてムービーを撮りたいという方は、ビデオカメラを選ぶようにしましょう。
おすすめはどっち?シネマティックなムービーを撮影したいなら一眼レフ!
何気ない日常もシネマティックなムービーとして残したい方や映像作品を作りたい方は、一眼レフカメラがおすすめです。一眼レフカメラの特徴的なボケ感はおしゃれな記録として残すことが可能ですし、映像作品としても質の高いものを作ることができます。
また面白い映像を作りたい場合は、レンズをいろいろと試してみるのも面白いですよね。外部マイクは必要になりますが、外部マイクも種類がたくさんあり、さまざまな音質で収録することが可能になります。一眼レフの方がカスタマイズに幅広いムービーの撮影ができます。動画に遊び心を求めているならおすすめです。
撮りたい動画によってビデオカメラか一眼レフを選びましょう!
動画撮影に焦点を当ててビデオカメラと一眼レフを比較してみました。ここまで見てきてわかることは、どのような動画を撮りたいのか、どのような動画を残したいのかによって、ビデオカメラか一眼レフのどっちを購入するべきものが変わるということです。
ここまで読んできてまだ迷っている人は、メリットやデメリットをまずは比較してみましょう。そして自分の撮りたい動画や残したい動画がどんなものかをはっきりさせてから購入するのがおすすめです。