AdobeExpressは、どんなことができるソフト?
SNS用の画像やチラシを作りたいけれど、Photoshopは難しそう…。でも、簡単で見栄えのいいツールがあれば使ってみたい。そんな方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回の記事では
この記事で分かること
- AdobeExpressとは?
- できることとは?
- Canvaとの違いや向いているユーザー像
- 注目のAI機能(Firefly)とその活用方法
- 料金プランと選び方のコツ
- 企業・チームで使う際の連携機能や注意点
初心者からビジネスユーザーまで。この記事を読めば、AdobeExpressのすべてが分かります!

執筆者
この記事は、動画制作・デザインを手がける「ワイラボ」の代表が執筆しています。普段は企画やディレクションの立場から、現場チームと連携して映像制作に関わっており、その経験から得た視点でお話ししています。
1. AdobeExpressとは?

ひとことで言うと、AdobeExpressは、無料で使える簡易デザインアプリです。
画像、写真、動画編集はもちろん、SNS広告のデザインもできるアプリです。

同じ機能で「Spark」ってアプリがあったよね?

はい、AdobeExpressは、この「Spark」の後継ソフトです
この章では、AdobeExpressがどんな特徴を持っているのか?をご紹介します。
① AdobeExpressで何ができるの?
AdobeExpressの魅力は、なんといっても「無料でここまでできるの?」という驚きにあります。
まず、Adobeアカウントさえ作れば、すぐに基本機能を利用できます。もちろん、クレジットカードの登録も不要です。テンプレートやフォント、写真素材、簡単な画像・動画編集機能も揃っていて、ほとんどの用途で困ることはありません。
しかも、無料プランでも透かし(ロゴ)なしで書き出せる点も大きな利点です。多くの無料ツールでは、書き出しに制限があったり、広告が入ったりします。Expressはそういった煩わしさがありません。だからこそ、学生やフリーランス、趣味でデザインを楽しみたい人にも人気があります。
AdobeExpress sポイント
- WEB版とモバイル版がある
- 無料と有料の2タイプから選べる
- 高度な機能を利用したい場合は、有料プレミアムプラン(月額1,078円/年間10,978円)
- デザインアプリとして使える
- Premiere ProやPhotoshopなどAdobe主要アプリの機能が少しずつ盛り込まれている
- 無料でも機能面のクオリティが高い
ただし、無料版にも制限はあります。例えば、Firefly AIで生成できる画像には毎月の使用回数制限があります。
また、ブランドキットやスケジュール投稿などのビジネス向け機能は使えません。この点は、後ほど紹介する有料プランと比較しながら判断する必要があります。
② AdobeExpressは、誰向けツールか?
AdobeExpressは、特に「難しいソフトは使いたくない。けど、見栄えの良いものをは作りたい」という人向けです。
都合の良い話ですが、デザイナーに依頼する予算はない。でも、クオリティは保ちたい!という個人ユーザー、副業・小規模ビジネスをしている人のニーズに応えてくれるソフトです。
また、教育現場や自治体、NPOなどでも活用が広がっています。
③ AdobeExpressを別のソフトに例えると?
よく比較されるのが「Canva」です。
実際、見た目や操作性はかなり似ています。テンプレートを選んで、画像や文字を入れ替えるだけで、すぐに完成する点も同じです。
しかし、大きな違いは「AI機能」と「Adobe製品との親和性」です。
Expressは、Fireflyという生成AIを搭載しています。これにより、画像生成やAIによる画像補完が可能です。Canvaでも似たようなAI機能はあります。が、Expressの方がより自然で高品質に仕上がる印象があります。
また、IllustratorやPhotoshopと同じAdobeアカウントで使えるため、Creative Cloudとの連携がスムーズです。
④ AdobeExpress|PCとスマホどちらでも使える
AdobeExpressは、Webブラウザでも、スマホアプリでも使えます。
つまり、パソコンがなくてもOKです。これが大きな強みです。移動中にスマホで下書きを作って、家に帰ってPCで仕上げる。そんなワークフローも簡単にできます。
ちなみに、Web版はChromeやSafariなど、主要なブラウザに対応。スマホも、iOSとAndroidの両方で利用可能です。
⑤ Adobe IDでクラウド同期
そして、これらすべてがクラウドで同期されます。
Adobe IDにログインしていれば、データは自動的に保存・共有されるので、デバイスをまたいでも作業が止まりません。
ただし、オフラインでは基本的に利用できない点には注意が必要です。つまり、電波が届かない場所では編集作業ができません。ここは少し不便に感じるかもしれません。
それでも、マルチデバイス対応とクラウド同期の組み合わせは、利便性の面で大きなアドバンテージです。スマホ1つでどこでもデザインできる時代に、Expressはかなり頼れる存在だと言えます。
2. AdobeExpress|何ができる?機能は?
AdobeExpressには、初心者でもすぐに使える多彩な機能があります。
ここでは、その中でも特に評価されている機能を紹介していきます。

ここからは、AdobeExpressでできることや機能について詳しく見ていきましょう。
まずは、有料版と無料版の違いを表にしてみました。
無料版 | 有料版 | |
StockとFontsのアクセス範囲 | 一部 | 全てのライブラリ |
テンプレートのアクセス範囲 | 一部 | 全てのライブラリ |
クラウドストレージ容量 | 2GB | 100GB |
PDF保存&変換 | × | 〇 |
オリジナルフォント&ロゴの追加 | × | 〇 |
自動サイズ変更などのプレミアム機能 | × | 〇 |
ライブラリ共有&連携 | × | 〇 |
ロゴ・カラー・フォント・ブランディングなどの簡単追加機能 | × | 〇 |
① AdobeExpress|Premiere Pro 要素 動画編集(SNSに最適)
AdobeExpressは、簡易的な動画編集もできます。
スマホで録画した動画をAdobe Expressで簡単編集し、TikTok、インスタグラム、ツイッターなどにすぐにアップして共有できて便利です。
② AdobeExpress|Photoshop 要素 写真の加工編集
スマホで撮影した写真(画像)を、Photoshopのように簡単編集&加工が可能です。
エフェクトやフィルターなどの積極的な加工から、背景を消すといった編集も難しい操作なしにAdobe Expressで行えます。
YouTubeやSNSなど、媒体によって動画や写真のサイズが異なります。特に、SNSではスマホに適した縦型サイズが主流です。Adobe Expressなら、写真のサイズ変更や、JPG画像をPNGにしたりなど、動画や写真のサイズを簡単に加工できます。
いきなりPhotoshopを使うのはハードルが高いと感じる人にも、AdobeExpressは便利です。
ただ、写真をメインに扱う人なら、フォトプラン(月額料金2,380円)の方が、Photoshopもついてくるし、色調補正や画像編集などの、機能面が充実するので、そちらをオススメします。
③ AdobeExpress|Illustrator 要素 デザイン
旧Sparkのデザイン機能は、AdobeExpressでは、さらに使いやすく便利に進化しています。
テンプレートを使った直感的なデザイン制作が可能です。
④ AdobeExpress|Acrobat 要素 PDFでの書き出しと変換(有料版のみ)
AdobeExpressは、PDFでの書き出しや変換もできます。
出先でPCを使えないときや、Acrobatがインストールされていないデバイスでも、いつでもどこでもPDFを扱えます。
⑤ AdobeExpress|Stock & Adobe Fonts も使える
Adobe Stockは、画像やデザインの素材ライブラリ。
そして、Adobe Fontsは、テキスト入力に必要なフォントライブラリです。
デザインや写真(画像)の編集&加工で用いる素材ライブラリである『Stock』や『Adobe Fonts』を無料版でも使えます。
無料版では、StockとFontsは一部利用のみ。すべてのライブラリを利用可能にするには、有料版へのアップグレードが必要です。
⑥ AdobeExpress|生成AI機能搭載でデザイン作業をアシスト
Adobe Senseiは、Photoshopなどでデザイン作業をアシストしてくれるAI(機械学習)機能です。
Adobe Expressにも、生成AI「Firefly」が搭載されています。
生成AI機能については、次の章で詳しくお伝えします。
3. AdobeExpress|Firefly AI機能でできること
AdobeExpressには、生成AI「Firefly」が統合されています。
これにより、デザインの自由度が一気に広がりました。
AIが画像を作ったり、補完したり、見た目を一瞬で変えてくれる。そんな機能が、簡単な操作で誰でも使えるようになったのです。
①Text‑to‑Image/画像生成
まず注目すべきは、テキストから画像を自動生成する「Text to Image」機能です。
たとえば「青空の下に立つネコ」と入力すれば、その場でそれらしい画像が何枚も生成されます。操作はとても簡単。プロンプトを入力するだけです。
さらに、生成される画像は著作権的にも安心です。FireflyはAdobe Stockの学習データをベースにしているため、商用利用が可能。これは他のAI画像生成ツールにはない大きな強みです。
ただし、描写精度はまだ完璧ではありません。たとえば手や顔の形が崩れることもあります。とはいえ、背景や構図は非常に優れており、素材や雰囲気を作るには十分です。むしろ、ゼロから画像を探すよりも早く、アイデア出しの段階でかなり役立ちます。
「画像が見つからないからデザインが止まる」──そんな悩みが、この機能で一気に解消されるのは大きなメリットです。
②Generative Fill(AI編集)
次に便利なのが「Generative Fill」です。
これは画像の一部を選択し、その部分をAIが自然に補完してくれる機能です。たとえば背景の不要な人を消したり、空白に新しい要素を追加したりできます。Photoshopの同名機能と同じような処理が、Expressでも手軽にできるのです。
操作も直感的です。選択範囲を指定し、テキストで指示を出すだけ。すると、AIがそれに合った画像を自動的に描き足してくれます。手動で編集する必要がないため、時間の短縮にもつながります。
ただし、複雑な構図や細かいテクスチャの一致までは難しい場面もあります。特に人の顔や手の再現は不自然になることがあります。それでも、プレゼン資料やSNS投稿に使う程度なら、十分実用的です。
画像加工が苦手な人でも、見た目の整ったビジュアルが簡単に作れる。それがGenerative Fillの最大の魅力です。
③Text Effects & Generate Similar
さらに、表現の幅を広げるのが「Text Effects」と「Generate Similar」です。
Text Effectsは、文字にAIによる質感や装飾を加える機能です。たとえば「金属風」や「ネオン風」といったスタイルを、文字に自動で適用できます。
操作は驚くほどシンプルです。文字を入力し、希望するエフェクトを選ぶだけ。数秒後には、テーマに合ったビジュアルが完成します。これまでPhotoshopで時間をかけていた加工が、数クリックで終わる。そんな感覚です。
一方、Generate Similarは、既存の画像やデザインをもとに、似たテイストの画像を自動生成する機能です。たとえば気に入った画像をアップロードすれば、その雰囲気を引き継いだ新しい画像がいくつも提案されます。デザインの方向性を広げたいときに重宝します。
ただし、これらの機能も完全ではありません。ときに意図と違う結果になることもあります。でも、試してみるだけでも新しいアイデアが見つかる可能性がある。それがこのAI機能の面白さです。
4. AdobeExpressのダウンロードと使い方

Adobe Expressのダウンロード方法や使い方について見ていきましょう。
① Adobe Expressのダウンロード方法
どちらも、使い始めるには、Adobe Creative Cloudユーザーの無料会員登録が必要です。
IDを登録した後、再度ログインすることで、アプリの利用が可能になります。
② Adobe Expressの使い方
Adobe Expressを起動すると、最初にどんな作業をするのか?聞いてきます。
今回は、テンプレートから作成を選びました。
テンプレートには、InstagramやYouTubeサムネイルなど、さまざまな用途に合わせたデザインが用意されています。
テンプレート例
- 人気のテンプレート
- Instagramのストーリー
- Instagramの投稿
- トレンドの背景
- Facebookの投稿
- ポスター
- ロゴ
- コラージュ
- ブックカバー
- メニュー
- アルバムカバー
- YouTubeサムネイル
- 履歴書
- 招待状

上の写真は、それぞれのテンプレートの一例です。
それぞれのカテゴリーで相当数のサンプルが用意されているので、自分のイメージに近いものを選べば、簡単に上級者のデザインが手に入ります。
③ テンプレートで初心者でもカッコイイデザインが作れる
Adobe Expressはテンプレートが豊富な点も大きなメリットです。
ツーパネルから「テンプレート」を選ぶと、すぐに使えるデザインテンプレートが表示されます。ユーザーはこのテンプレートから好みのものを選び、適用するだけでOKです。

Adobe Expressのワークスペースは、中央にデザインの完成図、左はツールパネル、右には編集している項目のパラメータが表示されるパネルが配置されています。
④ 実際のデザインの流れは?
デザイン作業は直感的で簡単です。
テンプレートを選ぶ

作りたいカテゴリーから、自分のイメージに合ったものを選択
詳しく見るでテンプレートを決定する

このテンプレートから作成で決定ボタンを押します
作成する

先ほどのワークスペースで、テキストを自由に変更したり、写真やロゴを追加したりできます。
4. 料金プランと選び方
Adobe Expressには、無料プランと有料プランの2つの選択肢があります。
どちらが自分に合っているのか。まずは機能の違いを知ることが、最初のステップです。
①無料プランで可能なこと
無料プランでも、Expressの基本的な機能はしっかり使えます。テンプレートを選んで編集し、画像や動画を出力する。これだけでSNS投稿や資料づくりには十分です。しかも、透かし(ロゴ)も入りません。保存形式も選べるので、用途に応じた書き出しが可能です。
さらに、無料で使える素材も豊富です。写真、アイコン、フォントなど、見た目を整える要素が揃っていて、見栄えの良いデザインがすぐに作れます。操作も直感的なので、初心者でも迷うことは少ないです。
ただし、Fireflyの画像生成には制限があります。生成回数が限られており、高画質画像のダウンロードもできません。また、ブランドキットやSNS投稿のスケジューリングといったビジネス向け機能も使えません。あくまで「個人利用」に最適化された内容です。
まずは無料プランで操作に慣れ、そのうえで必要に応じて有料プランに切り替える。この流れがもっともおすすめです。
② 有料版(プレミアム)の料金

有料プラン(Premium)は、より多機能で制限が少ないのが特徴です。
まず、すべてのテンプレートや素材が使い放題になります。さらに、Fireflyによる画像生成も月内でほぼ無制限。高画質のまま保存も可能です。ブランドキットやチームでの共同作業、スケジュール投稿といった機能もすべて使えるようになります。
プラン | 月額 | 年額 | 特徴 |
---|---|---|---|
Adobe Express | 1,180円 | 11,980円 | Adobe連携あり。 |
Canva Pro | 1,180円 | 11,800円 | マーケティング資料に強い。 |
ただし、たまにしか使わない人にとっては「割高」と感じるかもしれません。
特に、PDF編集などは単体アプリでも代替が可能なため、Expressに課金する意義を感じにくい場面もあります。
③ エンタープライズ版とは?

Expressには、企業や教育機関向けの「Enterpriseプラン」もあります。
これは、複数ユーザーでの利用を前提とした内容で、通常プランとはかなり異なります。たとえば、Adobe Experience Manager(AEM)との統合や、Creative Cloudグループ内でのライブラリ共有が可能になります。
このプランでは、複数人で同時に編集したり、社内で統一されたブランド素材を管理したりできます。投稿のスケジュール管理や、SNSごとの最適サイズでの書き出しも簡単です。いわば「チームで運用するためのExpress」と考えるとわかりやすいです。
5. 企業・チーム対応 & 連携機能
Adobe Expressは、個人向けのツールという印象が強いかもしれません。ですが、実はチームや企業向けの機能も充実しています。特にビジネスの現場では「デザインのスピードと統一感」が重要。その課題をExpressはしっかりカバーしてくれます。
①Enterprise+AEM/Creative Cloud統合
企業向けのExpressでは、Adobe Experience Manager(AEM)やCreative Cloudとの連携が可能です。これによって、社内のデザインワークフローが大きく変わります。たとえば、AEMのアセットをExpressから直接呼び出せるため、毎回素材を探してアップロードする手間がなくなります。
さらに、IllustratorやPhotoshopで作成した素材も、Creative Cloudライブラリを通じて簡単に再利用できます。バナーの一部だけを変えて複数パターンを作る、といった作業が一気に効率化します。
こうした統合は、特に「複数人で同じブランドを管理するチーム」にとって非常に便利です。ただし、これらの機能はEnterprise契約が前提です。個人向けPremiumプランでは利用できません。
導入コストや運用体制とのバランスを考えながら、必要であれば法人契約を検討する価値は十分あります。
②MetricoolなどSNS連携機能
Expressのビジネス向け機能のひとつに、SNS連携があります。中でも注目なのが「Metricool」との連携機能です。これは、作成した投稿をそのままSNSに自動スケジュールで投稿できるサービスです。
通常、InstagramやX(旧Twitter)、Facebookに投稿するには、それぞれのアプリで手動操作が必要です。でも、この連携を使えば、Expressで作った画像を、そのまま決めた時間に各SNSへ投稿できます。しかも、どの投稿がどれくらい反応されたか、効果測定まで可能です。
これにより、SNS運用の効率が一気に上がります。たとえば、週末にまとめてデザインを作り、1週間分を予約投稿。あとは放っておいても自動で配信される。そんな運用が可能になります。
ただし、Metricoolの連携機能は無料ではありません。Express Premiumユーザーか、Metricoolの有料プラン利用者が対象です。それでも「SNS運用を自動化したい」と考えているビジネスユーザーには、非常に強力な組み合わせと言えます。
③ブランドキット・共有ライブラリ
企業やチームでデザインを共有する際に重要なのが「ブランドの一貫性」です。Expressのブランドキット機能は、この課題を解決します。あらかじめロゴやカラーパレット、フォントを設定しておけば、チーム全員が同じデザインルールで作業できます。
たとえば、新人スタッフがバナーを作る場合でも、テンプレートにブランド要素が組み込まれていれば、統一感のある仕上がりになります。修正の手間も減りますし、デザインガイドラインの遵守が徹底されます。
さらに、プレミアムユーザー同士であれば、クラウドライブラリを通じて素材の共有も可能です。画像やテンプレートをチーム内で使い回すことで、作業時間の短縮にもつながります。
一方で、この機能も無料プランでは使えません。また、設定の手間や、運用ルールの整備も必要です。ただ、それを差し引いても、ビジネスでの効率と品質を両立できる点は大きな魅力です。
Expressは「個人での利用がメイン」というイメージを超えて、チーム運用にも十分対応できるツールになっています。
6. Adobe Expressの注意点・弱点は?
Adobe Expressはとても手軽で便利なツールです。
ですが、実際に使ってみると「ここはちょっと気になるかも…」という点もあります。
ここでは、Expressを使ううえで注意すべきことや、使いづらさを感じやすい点を、お伝えします。
① 無料版にはどんな制限があるのか?
Adobe Expressは、無料でも十分に始められるツールです。
ただし、制限があることも事実です。特に注意したいのは、使えるテンプレートや素材が限定されている点です。たとえば、Adobe Stockのプレミアム画像や、人気のテンプレート、フォントなどは有料ユーザー専用です。
さらに、生成AI「Firefly」の使用にも回数制限があります。無料プランだと画像生成のクレジット数が限られていて、気軽に何度も使うことはできません。また、ブランドキットやSNSの予約投稿といった、ビジネス用途に便利な機能もすべて有料に限定されています。
正直に言うと、個人でSNS投稿などに使う分には十分便利ですが、継続的に使ったり、仕事で使いたい人にとっては物足りなく感じるかもしれません。
② 高度なデザインには向かない理由
Adobe Expressは、誰でも簡単にデザインを作れるように設計されています。
その分、高度なカスタマイズや細かい調整は苦手です。たとえば、要素ごとの位置をピクセル単位で合わせたり、レイヤー構成を複雑にしたりといった作業は難しいです。IllustratorやPhotoshopのようなプロ向けツールとは、できることのレベルが違います。
また、グリッドレイアウトの調整や、テキストの細かいスタイル設定なども、機能がかなり絞られています。あくまでテンプレートベースで「それっぽく整ったデザイン」を短時間で作るためのものだと割り切る必要があります。
③ 動作が重い?ネット環境と性能の影響
Adobe Expressは、基本的にブラウザ上で動作するWebアプリです。そのため、パソコンのスペックだけでなく、ネット回線の速度にも影響を受けやすいです。特に、画像や動画の編集作業では、読み込みや書き出しに時間がかかると感じる場面もあります。
実際、テンプレートを開くまでに数秒待たされることや、操作に少しラグが出ることもあります。これは、処理がすべてクラウド上で行われているからです。Wi-Fiが不安定な環境や、古いパソコンを使っていると、Expressのサクサク感はあまり感じられないかもしれません。
また、スマートフォンでも使えるとはいえ、やはり画面が小さい分、操作はややしづらくなります。モバイルアプリ自体は便利ですが、PC版と比べると機能に差がある点もあります。こうした点から、Adobe Expressは「いつでもどこでも快適に使える」というより、「安定した環境でサクッと作る」ことに向いていると言えます。
けて、それぞれPREP法に沿って執筆いたします。
④ 印刷・CMYK対応などプロ用途には不向きな理由
Adobe Expressは、印刷物の制作や業務レベルのデザインには注意が必要です。
最大の理由は、CMYKカラーモードに対応していないことです。ExpressはRGB形式に限定されており、印刷会社にそのまま入稿すると、色味が変わってしまうリスクがあります。
さらに、画像の解像度や裁ち落とし(トンボ)など、印刷に必要な細かな設定ができません。例えば、ポスターやチラシを高品質で印刷する場合、300dpiの解像度や余白の調整が求められますが、Expressではそれを自由に設定することができません。
そのため、名刺・パンフレット・冊子などの「印刷前提」のデザインをするなら、IllustratorやInDesignといったプロ向けツールを使う方が確実です。
⑤ X(旧Twitter)でのリアルな評判とギャップ

実際のユーザーがどう感じているかは、X(旧Twitter)などの口コミを見るとよく分かります。
7. 導入&導線ガイド
ここまでAdobe Expressの魅力や機能について紹介してきました。
でも「実際に使ってみたい」「どこから始めればいい?」と感じた方も多いはずです。
この章では、スムーズにExpressを始めるための流れと、公式リンクをわかりやすくまとめました。
①アカウント登録と初期設定
まずは、Adobe Expressの公式ページにアクセスします。
そこで「無料で始める」ボタンをクリックすれば、すぐに登録画面が表示されます。Adobeアカウントを持っていない方は、新規作成が必要です。メールアドレスかGoogle・Apple・Facebookアカウントでも登録できます。
登録後は、すぐにホーム画面へ移動します。初回起動時には、使い方のチュートリアルが表示されるので、それに沿って操作すれば、基本的な使い方が理解できます。ここでは「SNS投稿を作ってみよう」といったガイドが表示されることもあり、初心者にはありがたい設計です。
ちなみに、クレジットカードの登録は不要です。無料プランの範囲であれば、気軽に始められます。まずは数分で始めて、実際に触ってみるのが一番の近道です。
②作品の保存・エクスポート・共有方法
作成した作品は、編集画面の右上から「保存」または「ダウンロード」が選べます。
保存形式はPNG、JPG、PDF、MP4(動画)など。用途に応じて形式を選ぶだけで、すぐに書き出せます。
保存はすべてクラウド上に行われるため、自動的にマイプロジェクトに保管されます。万が一、途中でブラウザを閉じても、進行中のデザインは失われません。これは作業中の安心感につながります。
共有機能も便利です。作品にリンクを付けてメールやSNSで送るだけ。さらに、プレミアムユーザー同士なら、チームでの共同編集も可能です。たとえば、片方が編集し、もう片方が校正する。そんな作業もリアルタイムで進められます。
一部機能(高解像度ダウンロードなど)はプレミアム限定ですが、基本的な保存・共有は無料でも十分に対応できます。
③公式チュートリアルやサポートページリンク
操作で迷ったときや、もっと活用したいときは、Adobeの公式サポートが頼りになります。
特に「チュートリアルページ」はよくできていて、初心者にもわかりやすいステップ形式で機能を学べます。動画や実際の操作例が豊富なので、真似しながら覚えることが可能です。
また、ヘルプセンターでは、トラブルシューティングや細かい設定の方法も解説されています。検索機能も使いやすく、ピンポイントで知りたい情報にすぐアクセスできるのが便利です。
8. Adobe Express とは?まとめ

『Adobe Express』は、2021年末に新登場したアプリケーション。
比較的新しい部類のアプリです。なので、「どんなアプリなのか?よくわからない」という方も多い方のために、ご紹介しました。
テンプレートや編集機能が豊富。しかも無料から始められるのが大きな魅力です。さらに、Firefly AIを活用すれば、今までにないスピードと自由度で制作が進みます。
「Photoshopはちょっと難しい…」と感じていた方も、Expressならきっと楽しみながらデザインができます。まずは無料プランで試して、自分に合うかどうかを確認してみるのが一番です。もし使い続けたいと思ったら、有料プランにアップグレードすれば、さらに幅広い使い方が可能になります。
ぜひこの機会に、Adobe Expressであなたのクリエイティブをもっと自由に、もっと手軽に広げてみてください。
\Adobe公式サイト/
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!